北陸新幹線金沢延伸、上野東京ライン開業など、本州では華やかな話題が多かった春の新ダイヤ。一方の九州では小幅なダイヤの修正に留まり、むしろ駅の無人化や車内販売の廃止など、明るくはない取り組みの方が目立ちました。
駅員さんの消えた駅はどのような姿に変化したのか? 15日に香椎線の2駅、16日に鹿児島本線の肥前旭駅に乗り降りしてみました。
香椎線土井駅…構内踏切のある無人駅に
香椎線は、福岡市近郊を走る非電化単線。しかしローカル線ではなく、20分の等間隔で各駅停車が走り、どの列車もさらりと座席が埋まる、生活密着型の都市近郊路線です。
沿線には観光地の海ノ中道があることもあって、観光列車の運行や博多直通化など、かなりのテコ入れも図られていた時期もありました。しかしいつしか新型車両は他線に召し上げられ、国鉄型車両ばかりが往復する地味な路線に。そしてこの春、接続駅以外全駅の無人化という、思い切った合理化が図られました。
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香椎駅から、2両編成のキハ47系に乗り込みます。香椎線の車両は近年、「アクアライナー」カラーへの塗り替えが進みイメージアップが図られているものの、内装は古めかしいボックスシートのままです。
一時期走っていた新型のキハ200系列が地方の勾配路線に転出したのは、平坦な香椎線にはオーバースペックだったため。適度なスペックに落とした、新型車両の登場が待たれるところです。
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土井駅に下車。コンクリート打ち放しの、小ぶりながらもデザインされた駅舎です。西戸崎駅や須恵駅でもコンクリートとガラスの意匠が取り入れてられており、おしゃれな雰囲気になっています。
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しかし、窓口の閉ざされた駅は寂しいもの。磁気券の改集札にあたっていた簡易型自動改札機も、無人化を前に1月に撤去されたそうです。
今後は入場記録のない磁気券でも出場できることになり、特に定期券のキセルが増えないか心配。西鉄電車のような、定期券は原則ICカードというやり方も一案かも。
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香椎線では無人化に伴い、ANSWERなる遠隔案内システムを導入しました。単なるインターホンによる案内に留まらず、精算機も連動しており、案内を受けながら精算できます。
始発から終列車まで対応できる分、これまでより案内できる時間が拡大!と広報されてはいましたが、やはり対面サービスに勝る安心感はありません。
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列車の交換駅である土井駅は、駅本屋向かい側のホームとは構内踏切で結ばれています。
国鉄時代のローカル線無人化にあたっては、こ線橋を整備して安全を確保するケースが多くありました。香椎線では快速列車もなく、構内踏切でも安全と判断されたのでしょう。バリアフリーの面からは、構内踏切がベターとも言えます。
香椎線須恵中央駅…もったいないフルスペックの自動改札機
福北ゆたか線との乗換え駅、長者原を越えて、須恵中央駅で下車しました。平成元年開業の比較的新しい駅で、須恵駅よりも須恵町の中心部に当たります。
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香椎線のほとんどの駅は、簡易型ICカードリーダでSUGOCA対応を行っていますが、和白、宇美と須恵中央駅には、フルスペック型の自動改札機が導入されていました。この3駅でも今回の無人化にあたり、磁気券の改札を廃止しています。
その結果がこの姿。磁気券の投入口が塞がれ、ICカードのみ改札を行うようになっています。高価な「フルスペック型改札機」なのに簡易型と同じ機能しか生かされず、なんとももったいない感じ。ラッシュ時に改札機が不足している、久留米駅に1台分けてほしいなんて思ってしまいます。
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無人化は3月14日付けで行われましたが、香椎線の各駅では今月いっぱい、元の駅員さんが常駐して案内に当たるとのこと。改札機で戸惑う切符利用者が多く見られ、その都度案内されていました。
日常の利用者は慣れていくのでしょうが、来訪者は戸惑うこと必至の改札機でした。
鹿児島本線肥前旭駅…フォローのない無人化
鹿児島本線の肥前旭駅は、鳥栖駅から1駅下った旧旭村の中心駅。無人化直前の先週水曜日にも、様子を記録に来た駅です。
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無人化から2日、最初の平日を迎えた肥前旭駅でしたが、香椎線のような案内員は見当たらず、正真正銘の無人駅になっていました。2日前まで動いていた簡易改札機にはカバーが掛けられ、使用停止状態になっています。
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自動券売機の入れ替えはなく、従来どおりのSUGOCA非対応型。SUGOCAチャージをしたければ、歩いて5分のファミマまで行かねばなりません。そのような案内もありませんが…
遠隔案内システムも導入されず、単なる無人化に留まっていました。
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駅員さんが受け付けていた終日220円の一時利用駐車場は、送迎用に。30分以上の駐車は禁止になってしまいました。
送迎用というには広すぎで、長時間利用ができなくなって困る人もいるはず。コインパーキングの導入が待たれるところです。
JR九州では今後 上場に向けて、さらなる無人化や「みどりの窓口」廃止を進める計画とのこと。上場会社の先輩・JR東日本だと、首都圏ですら思い切った合理化を進めており、「純民間企業」としては仕方のない一面もあるのかもしれません。
ただ一利用者、一ファンとしては、どこか寂しさを感じた、3駅の様子でした。
駅員さんの消えた駅はどのような姿に変化したのか? 15日に香椎線の2駅、16日に鹿児島本線の肥前旭駅に乗り降りしてみました。
香椎線土井駅…構内踏切のある無人駅に
香椎線は、福岡市近郊を走る非電化単線。しかしローカル線ではなく、20分の等間隔で各駅停車が走り、どの列車もさらりと座席が埋まる、生活密着型の都市近郊路線です。
沿線には観光地の海ノ中道があることもあって、観光列車の運行や博多直通化など、かなりのテコ入れも図られていた時期もありました。しかしいつしか新型車両は他線に召し上げられ、国鉄型車両ばかりが往復する地味な路線に。そしてこの春、接続駅以外全駅の無人化という、思い切った合理化が図られました。
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香椎駅から、2両編成のキハ47系に乗り込みます。香椎線の車両は近年、「アクアライナー」カラーへの塗り替えが進みイメージアップが図られているものの、内装は古めかしいボックスシートのままです。
一時期走っていた新型のキハ200系列が地方の勾配路線に転出したのは、平坦な香椎線にはオーバースペックだったため。適度なスペックに落とした、新型車両の登場が待たれるところです。
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土井駅に下車。コンクリート打ち放しの、小ぶりながらもデザインされた駅舎です。西戸崎駅や須恵駅でもコンクリートとガラスの意匠が取り入れてられており、おしゃれな雰囲気になっています。
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しかし、窓口の閉ざされた駅は寂しいもの。磁気券の改集札にあたっていた簡易型自動改札機も、無人化を前に1月に撤去されたそうです。
今後は入場記録のない磁気券でも出場できることになり、特に定期券のキセルが増えないか心配。西鉄電車のような、定期券は原則ICカードというやり方も一案かも。
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香椎線では無人化に伴い、ANSWERなる遠隔案内システムを導入しました。単なるインターホンによる案内に留まらず、精算機も連動しており、案内を受けながら精算できます。
始発から終列車まで対応できる分、これまでより案内できる時間が拡大!と広報されてはいましたが、やはり対面サービスに勝る安心感はありません。
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列車の交換駅である土井駅は、駅本屋向かい側のホームとは構内踏切で結ばれています。
国鉄時代のローカル線無人化にあたっては、こ線橋を整備して安全を確保するケースが多くありました。香椎線では快速列車もなく、構内踏切でも安全と判断されたのでしょう。バリアフリーの面からは、構内踏切がベターとも言えます。
香椎線須恵中央駅…もったいないフルスペックの自動改札機
福北ゆたか線との乗換え駅、長者原を越えて、須恵中央駅で下車しました。平成元年開業の比較的新しい駅で、須恵駅よりも須恵町の中心部に当たります。
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香椎線のほとんどの駅は、簡易型ICカードリーダでSUGOCA対応を行っていますが、和白、宇美と須恵中央駅には、フルスペック型の自動改札機が導入されていました。この3駅でも今回の無人化にあたり、磁気券の改札を廃止しています。
その結果がこの姿。磁気券の投入口が塞がれ、ICカードのみ改札を行うようになっています。高価な「フルスペック型改札機」なのに簡易型と同じ機能しか生かされず、なんとももったいない感じ。ラッシュ時に改札機が不足している、久留米駅に1台分けてほしいなんて思ってしまいます。
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無人化は3月14日付けで行われましたが、香椎線の各駅では今月いっぱい、元の駅員さんが常駐して案内に当たるとのこと。改札機で戸惑う切符利用者が多く見られ、その都度案内されていました。
日常の利用者は慣れていくのでしょうが、来訪者は戸惑うこと必至の改札機でした。
鹿児島本線肥前旭駅…フォローのない無人化
鹿児島本線の肥前旭駅は、鳥栖駅から1駅下った旧旭村の中心駅。無人化直前の先週水曜日にも、様子を記録に来た駅です。
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無人化から2日、最初の平日を迎えた肥前旭駅でしたが、香椎線のような案内員は見当たらず、正真正銘の無人駅になっていました。2日前まで動いていた簡易改札機にはカバーが掛けられ、使用停止状態になっています。
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自動券売機の入れ替えはなく、従来どおりのSUGOCA非対応型。SUGOCAチャージをしたければ、歩いて5分のファミマまで行かねばなりません。そのような案内もありませんが…
遠隔案内システムも導入されず、単なる無人化に留まっていました。
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駅員さんが受け付けていた終日220円の一時利用駐車場は、送迎用に。30分以上の駐車は禁止になってしまいました。
送迎用というには広すぎで、長時間利用ができなくなって困る人もいるはず。コインパーキングの導入が待たれるところです。
JR九州では今後 上場に向けて、さらなる無人化や「みどりの窓口」廃止を進める計画とのこと。上場会社の先輩・JR東日本だと、首都圏ですら思い切った合理化を進めており、「純民間企業」としては仕方のない一面もあるのかもしれません。
ただ一利用者、一ファンとしては、どこか寂しさを感じた、3駅の様子でした。
香椎駅ですら「駅員」は、子会社の旅行代理店員が収札精算をやっていました。他の駅でも直雇用者おらず、嘱託や派遣雇用の駅員です。
子連れやお年寄り身障者への「サービス放棄」とも取れ、これが問題化し上場に水を刺せば良いのですが…。
なお、須惠中央駅は町役場・高校の最寄りです。高価な改札機が必要なら、朝夕など駅員(依託者)でも居ないと意味ありませんね。例、西鉄甘木線みたいに。以上。
(そういう点も踏まえての社会実験的な導入かもしれませんが)