里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミズアオイ 大雨で開花 

2017-02-09 | 日記

散歩で町の南郊を歩いていると、休耕田に点々と青い花が咲いています。
ミズアオイの花ですね。今年はお盆の頃から雨がちな天気が続き、時に大雨が
降りましたから、休耕田にも水が溜まりミズアオイの開花に繋がったのでしょう。
因みに、昨年は暑い日が続いた上に雨も少なかったものですから、ミズアオイは
お盆の頃に萎れてしまい、残念ながら花は咲かなかったと記憶しています。
きれいな花が見られたわけですから、長雨に感謝しなければなりませんね。




                             二枚とも2016.9.21撮影

ミズアオイは一年草で、原産地は東アジア。
古い時代に、稲作の伝来に伴ってやってきた史前帰化植物と言われていて、水田や
水路などに生育しています。戦後の圃場整備や除草剤の使用で減少し、現在では絶滅
のおそれのある野生植物として、国や県の絶滅危惧種に指定されています。

東日本大震災の津波浸水域で、ミズアオイが甦ったと話題になっています。
津波浸水域は、元は田んぼだったところが多いのですが、町の中心部の住宅跡地
から出現した例もあります。これは堤防や道路を乗り越えた津波が、裏側に勢いよく
落ちるときに土壌をえぐり取り、深く埋まっていた種子を掘り出して、発芽を促したから
だと考えられます。そうすると、ミズアオイの種子の寿命は数十年レベルと長いこと
になりますね。ミズアオイは浅水域に生える植物ですが、水が干上がったり、或いは
増水によって沈んだりと環境が不安定なため、子孫を残すために種子寿命が長い
のかも知れませんね。写真のミズアオイも、数年前の種子が発芽したのでしょう。


                                 2016.9.21撮影

ミズアオイ科ミズアオイ属の一年草。原産地は東アジアで、古い時代に渡来した
史前帰化植物。水田や池沼、河川の下流域など、水深の浅いところに生える抽水植物。
草丈は20~50cmで柔らかく、古代においては食用とされた。
葉は根生で水面下で線形、水面上に出ると円心形になり、長さ幅ともに5~10cm、
葉表には光沢があり、先端は尖る。葉柄の長さは5~25cm。
花期は9~10月で、葉よりも高く茎を伸ばし、先端に総状花序を形成する。
花は青紫色の1日花で、直径2.5~3cm。花被片は6枚で、内花被片は外花被片に比べて
幅が広い。雄しべは6本で、その内5本の葯は黄色。残りの1本は下側に垂れて紫色。
雌しべは1本で下側に曲がり、紫色の雄しべと反対側の位置にある。
果実は蒴果。長さ1~2cmほどの三角錐型で、晩秋に熟す。
種子の一部は簡単には発芽せず、土の中でシードバンク ( 埋土集団 )を形成する。



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