里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ホオズキ 葉陰の花

2017-03-04 | 日記
栗原市金成賢児地区の、車道沿いの農家の側庭に植えられていたホオズキです。
十数本群生しているのですが、花は葉陰からチョコッと覗く程度に咲いていて、
至って地味な花です。どことなくピーマンの花に似ています。
そう言えば同じナス科の植物ですから、似ていて当然かも知れませんね。




                             二枚とも2016.7.20撮影

ホオズキは東南アジアが原産地で、我国へは古い時代に渡来したようで、古事記に
記述があるようですから、史前帰化植物と言えるでしょう。
平安時代には既に薬草として利用されていたようです。根を掘り上げて乾燥したものが
生薬の酸漿根(さんしょうこん)で、 せき止め、解熱、利尿薬として用いられます。

あまり好ましい話題とは言えませんが、酸漿根には子宮の収縮作用があるヒストニンが
含まれていて、江戸時代には既にその作用が知られていたようです。
避妊に失敗した遊女たちが、乾燥したホオズキの根を湯でふやかし、膣内に入れて
おいて、そこから溶け出すヒストニンの作用で胎児を堕すというもの。


                                 2016.7.20撮影

ナス科ホオズキ属の多年草で、東南アジア原産の史前帰化植物。
根茎は白色で長く地中を這って増え、しばしば群生する。
茎は無毛で直立し、ほとんど分枝せず、草丈は50~100cm。
葉は互生し、葉身は広卵形で長さ5~12cm、葉柄がある。
縁には欠刻状の大きな鋸歯がある。
花期は6~7月で、葉腋から出る長い花柄の先に、淡黄白色の花を下向きに付ける。
花冠は杯形で、直径2cmほど、先端は浅く5裂して平開し、5角形。
中心部は淡緑色で、全体に白い毛が多い。花糸は葯の背面についてる。
萼は短い筒状で先は5裂する。冠は杯状で5裂する。
花後に萼は大きくふくれて長さ4~6cmになり、液果を包んで、熟すと赤橙色になる。
液果は直径1.5~2cmの球形で、赤橙色に熟す。
中にはたくさんの種子が入っていて、ソラマメ形で長さ2~3mm。



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