白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

遠くへ行きたい

2020年09月28日 21時37分44秒 | 日記
すっかり季節は秋に変わった。
消化不良ですっきりしなかった夏が、静かに去って行った。
さて、この夏、自分は何をしたのだろう。
そんな感傷的な気分に襲われる。
遠くへ、どこか遠くへ行きたい。
JR飯山線に沿って終点の越後川口までランニング旅をしたことがある。
それを、今度は自転車でやってみようと思い立ち、モン
前輪だけ外すものや、後輪も外すものがあって、どちらがいいのか店員に訊いた。JRは前輪だけはずしただけでOKだという。後輪を外すのはハードルが高くお勧めしないとのこと。



前輪だけ外すタイプにした。ついでにヘッドポーチという小物入れも購入。
スマホっを入れられるとのことだが、スマホはおろか携帯も持っていない。GPSは持っているので、それを入れる予定。
良く晴れた秋の日、自転車で北に向かおう。行けるところまで行き、輪行バッグに入れた自転車を持って電車で帰ろう。
自転車の前輪を恐る恐る外してみた。クリックレバーで簡単に外せるのだが、再度はめてみるとブレーキと当たったり、レバーの〆具合がこれでいいのか心配になったり、慣れが必要だ。出先でまごつかないように習熟してから出かけよう。
飯山線の旅が終わったら、しまなみ海道の自転車旅もいいな。

ついでに、ムサシに立ち寄り、数年前から欲しかった電動トリマと、トリマービットを購入。この冬の木工作業に活躍してくれるだろう。



九月のそば打ち教室

2020年09月27日 20時14分48秒 | 日記
五月から始めたそば打ち教室。
今回で五回目となる。
新しく誘った女性のⅯさんも参加してくれた。
他に以前から参加されているNさんと三人でそば打ちをした。

粉の計量からスタート。
そば粉400グラム、小麦粉100グラム。いわゆる二八そば。
加水率は44%なので水は220㏄。


ふるいにかけて掻き回した粉に八分目くらいの水を加えて指を立てて攪拌する。
全体に水を回すことが大事で、ここで失敗するとうまく繋がらない。手早くやらないと水分が蒸発してしまう。まさに真剣勝負。



粉が大豆からピンポン玉状態にまとまり始める。


鏡餅風にまとめて鉢作業完了。



丸延し。見た目も美しく上々の出来。
その後、四角に延して、厚みが均一になれば延しは完了。



畳んで切りの作業。
一定の幅で切るのが難しい。
曲がってしまったり、駒板を送り過ぎて太くなったり、うまく遅れなくて同じところを切ったり。
包丁作業は経験値を上げるしかない。



生そばの茹で方を実演。
一人前づつ大量の湯で、そばが泳ぎ始めてから15数えて上げる事。
乾麺のように数人分を3分、というような茹で方をしないこと。
そんな風に茹でたそばを試食。
昨日自宅で、違うそば粉で打ったそばも、茹でて食感の違いも感じてもらう。
自分が打ったそばを食べるのは、格別なもの。

そば処、信州。ここに住んで、信州産のそば粉でそばを打つ。何というぜいたく、何という幸せ。
そば打ち教室は、もっと参加者を増やしたいが、ネックはそば打ち道具。参加者の一人は道具一式をそろえたが、みんながそういう訳にはいかない。そこで、先日ホームセンターで、アカシヤの集成材を購入して、そば打ち台を作った。後、まな板と駒板を作れば、そば打ち道具が二組になる。
道具を自作するのもまた楽しい。




田園の風景に誘われて ゆっくりランニング

2020年09月24日 20時05分22秒 | 日記
秋の気配が日増しに深まっていく。
様々な種類のりんごがあるが、もう色づいて収穫されているものがある。
これから色づいて収穫されるものもある。
ぶどうもたわわに実っている。
たんぼも稲刈りの真っ盛り。
収穫の秋だ。

この村は上州県境の標高二千メートルの志賀高原から西に向かって開けた扇状地。眼下に千曲川、その向こうに長野市が見渡せる。
そう、坂ばかりの村だ。
この村でランニングをするにはかなりの気持ちの踏み切りというか、踏ん切りが必要だ。ちょっと走って来る、というわけにはいかない。皇居回りを走るように色とりどりのウェアを纏ったランニング女子がいるわけでもない。いるのはサル、カモシカ、狸、狐、時たまリス、いのしし、熊ばかり。
それでも、秋風に誘われて、とっておきの場所に出かける。

坂ばかりのこの村に、ほとんど唯一と言っていい水平横断道がある。その長さは一キロに及ぶ。そこまでは自転車の出番。
突き当りは山、両側はりんご畑やたんぼ。この時期リンゴの収穫や稲刈りをしている農家の人が多い。
今日のランニングメニューはゆっくりラン。一キロ六分台の後半で八キロほど走る。

稲刈りの終わったたんぼにはハゼ掛け米。うまいんだな、これが。

脱穀が終わった稲が干してある。

春には見事なしだれ桜が咲く。その根元にボコ抱き地蔵。

ここは、稲が収穫を待っている。

稲が作られなくなった田んぼにはそばの花。

童謡詩人金子みすゞ、『花のたましひ』メロディ生誕の碑。
いつもここを通るたび、中を覗いてみたい気がするが、気後れしてスルー。
独りで行くには気遅れがする。こんな田舎にそぐわないちょっとおしゃれな雰囲気。

こんな田園を走り抜けられるなんて、ずいぶんとぜいたく。

今ではもう珍しくなくなった稲刈り機。刈って束ねてボンと放り出す。これを見ていると、手刈りでやっていることが馬鹿らしくなる。あっという間に終わっていく。
稲刈りをして脱穀まで終わらせる機械もある。年老いた農家の人には助かるのに違いないが、本音を言えば、味気ない。

この水田地帯は水がきれいで、夏には蛍が舞う。サンショウウオも住んでいる。

ススキが風になびく。秋なんだなあ。

水平道から見下ろした田園風景。
農家の人から見たら、のんきにランニングなんかして、いい身分だ、なんて思われているだろうか。それとも、たんぼにいる鷺のように、自然の風景の一部として、気にもしていないのだろうか。
見慣れないよそ者が、というような見方ではなく、あるがままに受け入れられているような気がする。
田園の中のゆったりランニング、いいものだ。




極限集落の秋 棚田の稲刈り

2020年09月20日 20時37分36秒 | 日記
『限界集落?いやあ、そんなもんじゃねえ、極限集落だよ、ここは』
市議会議長になったこの地選出のK氏は言う。
だが、コロナ騒ぎが続く中、本当の安心と豊かさは確かにここにある。

大西の棚田のオーナーになって二十数年。
田んぼの会の会長さんはもう八十台後半になる。ほとんど住む人が居なくなった山の集落で、奥さんと二人、稲作りと、ナス、ピーマンを育てている。
コロナで東京の衆は来られないが、稲刈りをやりたいので参加してと声がかかった。東京組は高齢者が多いが、若いⅯさんは参加するという。この女性は山登りが趣味で、車を飛ばして単独で山に行くという人で、今回も日野市から来るという。
信州百名山のひとつ、虫倉山に向かう途中に会長宅はある。細い山道は長く続き、所どころに古い民家が見える。多分空家も多いのだろう。
マンガ日本昔話の中に出てくるような日本の故郷の原形がそこにある。

数枚の棚田がある。そのうちの二枚は既にハゼ掛けが終わっている。

この地は大西の棚田といって周りにも何枚もの棚田があった。今はもう草地に帰って二軒だけが稲作りをしているだけだ。





現代では稲刈り機が主役で、見る間に刈り取り、束ねてくれる。だが、稲が倒れていると手狩りの出番。
今年は七月の長雨と日照不足、八月の日照りと雨不足と、天候のめぐりが不順だった。米の出来はどうなのだろう。

秋津洲の稲作りは弥生時代から続く日本人の原点。
こんなにも心落ち着き安らぐのは何故だろう。


会長さんは稲刈り機を操作する。八十七歳。


稲刈り完了。
本当は束ねるのだが、素人がやるとハゼ掛けの時、ばらけてしまって大変だということでここでは省略。会長さんの奥さんが『後でこの結束機がやるから』と自分を指さす。

ハゼ掛けは後日ということで、お茶の時間。
ご苦労様でした。

その後、会長さん宅で交流会。
今回から新しく参加したご夫婦も交えて楽しいひと時を過ごした。

子どもたちが、なりたい職業としてあげるユーチューバー。
それ自体悪いこととは言わないが、何も実態のあるものを作り上げず、企業の広告をして収入を得るということに、なんの後ろめたさも感じないのだろうか。
実際に食べ物を作り、着るものを作り、生活必需品を作るということがまっとうに評価される社会が来ないものか。

十月には脱穀作業。手伝いに行こうと思っている。