白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

霧の中へ

2024年07月25日 20時47分22秒 | 日記
少し前、かみさんが登山靴を新調した。
梅雨が明けたら初おろしをしようと予定していた。
候補地は唐松岳。
八方尾根はかなり上までリフトが使える。
かみさんは八方池まで、僕は単身唐松岳山頂まで往復。
ところが長野県北部は一日雨の予報。
ならば少し南の霧ケ峰に変更と相成った。

霧ケ峰と言えばニッコウキスゲ。
駐車場周辺は電柵が張ってあり、シカの食害から守っている。


正に霧ケ峰。




富士山がのどかに座っていた。

南八ヶ岳と雲の行列。

北八ヶ岳。

新調した登山靴。
僕のは履き古したトレランシューズ。

赤い帽子が素敵に風景にマッチしていた。

たおやかな緑の草原。

駐車場。

あの丸いのが気象レーダー。富士山測候所閉鎖の後、台風観測のメイン基地。

車山山頂風景と蓼科山。


山頂は涼しくて気持ちいい。

ここは、つい最近マウンテンドクターというテレビドラマで映っていた場所。
ドラマに出てくる山小屋(信濃山荘だったかな)もどこかで見たと思ったら、白馬の猿倉荘ではないか。ドラマではかなり山の中にあることになっているが、実は車で行けるところだ。





風景を堪能し、花を愛で下山。

草原にひっそりとたたずむコロボックルヒュッテ。

そば仲間の嘗てのアルピニストはここがお気に入り。
去年は泊まりに行った。
古き良き時代の空気を残したまま静かにたたずんでいる。


最近『山小屋の灯』を聴く機会があった。
ホテルのような建物でなく、このような山小屋を見ると決まってこの歌が浮かんでくる。
そして言いようのない郷愁に包まれ、訳もなく泣きたいような気持になる。
分厚い皮の登山靴、横長の黄色いキスリング、七分丈のニッカズボンと長靴下、ツバ広帽子。
みんな、みんな懐かしい。

若者は未来を語り夢見る。
過去を懐かしむのは老人の特権。悪いことではあるまい。
遠い記憶が霧の中に沈み込む前に、思い出を味わいつくそう。





初めて公民館の調理実習室を使ってみた なんとエアコンが無い!

2024年07月23日 07時45分32秒 | 日記
毎月のそばの会はこれまで地域の住民センターを借りていた。
ところが、今月は来週に控えた村の夏祭りの準備やら、学校が夏休みに入り、子供たちの奉仕活動の掃除などが重なり、住民センターが使用できなくなった。
急遽村の公民館を借りようと思い立ち、借りられるかどうか恐る恐る窓口に行ってみた。利用者登録をすれば借りられるという。料金は無料。場所は調理実習室。
当日は住民センターからそば打ち台やこね鉢、包丁などを運び、準備に大わらわだと思ったら、参加者の一人が電話をくれて、運ぶのが大変だと思うから手伝うという。
その気遣いがうれしい。
道具を乗せて行ってみると、別の参加者が会場の窓を開けたり換気扇を回したり、準備をしてくれていた。
長年そばを打つことだけやってきたが、その間に培われた連帯感がこれに繋がったんだなと気持ちが暖かくなる。
この調理実習室は、なんとこの部屋だけエアコンが無い。
梅雨も明け、外は灼熱地獄。
急遽かみさんに電話して、自宅の扇風機を二台運んでもらう。
そんな風にして七月のそば会が始まった。

今回初めて参加する人がいる。
その為、自分はその人に付ききりになる。
だが、他の人たちはもう自力で打っていける。
一年前は『次どうするんだっけ?』の連発だったことを思えば隔世の感がある。これも積み重ねの成果。









初めての参加者も五人前のそばを持ち帰ってもらうので、今回のそばサロン(交流会)は茹で方の実習。
その為のそばを、朝自宅で打って持参した。
それぞれに茹でてもらい、試食してもらった。








『うちもこれくらいの大きさの鍋が欲しいな』
そんな話を何気なく訊いていると
『やっぱり一人前づつ茹でた方が良いんかな』

《ええぇっ、小さい鍋で、一度に二人前づつ茹でていたのかい!何年も》

『大きい鍋で一人前づつ、これが基本です。』

調理実習室は今後改修予定だという。換気扇も数力が弱いし、ブラインドのひもも引いたら切れてしまった。
確かに暑かったはずだが、そば打ちを始めると『心頭を滅却すれば火もまた涼し』。暑さなど忘れてしまった。これは自分だけではなく、他の参加者の顔を見てもそうだと判る。
今回のことで、地域の住民センターのありがたさが身に染みた。
道具を置かせてもらえる。エアコンがある。補助金も区から頂ける。

そば打ちと茹でて盛り付けるという作業がそれぞれ出来るようになった。
密かにもくろんでいる数量限定の小さなそば祭りの開催も視野に入ってきた。
分担して、みんなでやる。ゆるーく、楽しくやる。

新しく参加した人は、家でおいしくそばを食べられただろうか。
奥さんの感想はどうだろうか。今度訊いてみよう。