村の健康診断があった。
多分去年はパスしたので2年ぶり。
何と驚いたことに身長が1センチ縮んでいた。
歳を取れば背は縮むということは知っていた。だが他人事だと思っていた。同年代の人に比べても体は柔らかいし、運動もしている。
それが、まさか我が身に起きているとは!
わが村は健康長寿の村ということになっている。ところが、スパイク高血糖が県下でワースト1位だというので改善に向けた取り組みをしているという保健師の短い講義を受けた。早食い、炭水化物のダブル摂取、運動不足などのチェックを受ける。当てはまるのは早食いだな。
その後、身長と体重測定。そこで身長が縮んたことが判明。体重も前回59キロから今回56キロに減少。
体重が減りすぎているが、どこか具合の悪いところはないかと保健師のおねえさん。
瞬間だけ切り取ってその数値だけをみてあれこれいうのはどうなのかなあ。朝4時に起きて、パンを一つ食べ、5時から10時まで炎天下でケール採りの仕事をしてきた我が身、耐重だって減るだろう。汗だってたっぷりかいた。水だって2リットルくらいは飲める。昼飯を食べれば3キロくらいはすぐ増える。
血圧も153の98。血圧が高いといわれる。いつもそうなのだ。ここで測るといつだって高い。家で測れば機能など22の68だ。眼底検査と心電図を受けるよう通告される。
さらに、減塩指導。無料なので検査を受けませんかという。
いかに温厚な僕でも、流石に生来の天邪鬼が顔を出す。
『命に関わる危険な暑さのなかで、熱中症予防のために水分と塩分を摂りましょうと呼びかけられているときに、このタイミングで減塩の呼びかけですか』精一杯穏やかに言ってみる。だって、感じの悪くないおねえさんだったから。
体重のこともそうだが、血圧も、減塩も、検査する側は冷房のがんがん効いた室内にいて、検査に来る人がどんな風に暮らしていて、その日のどんな流れの中のどの瞬間に検査を受けに来たのか考えもせず、教条的にモノを言うのはどんなものなのだろう。だから、僕はそんな数字に振り回されたくない、とやんわり告げた。おねえさんは苦笑しながらそうですかといった。
『やれやれ、これだから年寄りは』と思っていたかどうかは知らない。
* * *
春先に頼まれたまま放置していた保育園の柵を設置しに行った。
子供が勝手に開けてしまわないようにする細工が問題だった。
鍵なんか掛けたくなかった。無粋すぎるもの。
色々考えたが、いいアイデアが浮かばない。
ある時突然答えが降って来た。長い棒を使えば大人には抜けるが背の低い子供には抜けない。これを使えばいい。
この構想を得て、ひと月ほど前に製作は終わっていた。だが、細かいところはどうしても現場合わせが必要だ。
保育との兼ね合いもあり、こちらの都合もあってのびのびになっていた。
久しぶりの雨だったが、今日設置しに行った。
春からの宿題が終わった。
枝豆を収穫してビールを飲んで、自らのご苦労をねぎらった。