白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

小春日和の秋の日は

2015年10月12日 22時16分35秒 | 日記

今日はt

体育の日。

暖かな日差しの中で、庭先菜園の手入れ。

ナスとバナナピーマンを抜いてセロリの植え替えをした。

この菜園はまだまだ未完成の菜園で、掘り返すと石混じりの粘土質の土がすぐに出てくる。

これを少しずつ畑になるように改良しているのだが、まだまだ先が長い。

生ごみはすべてここに入れて肥料に変えている。

狭い菜園だが、時間をかけて作って来た。

ちなみに後ろの小屋も全て手作り。

菜園のセロリは種から蒔いて育てた。

少し込み合っているので間隔を開けて植え直した。

少し離れている所に借りた畑にも植えたが、庭先菜園の方が断然育ちがいい。

 

 

昨日友人から戸隠の蕎麦粉をもらったので、さっそく打ってみた。

       

旨かった。

これからは信州産の蕎麦粉が出回り、新蕎麦を味わえる。

蕎麦の旨さは、打ち方ももちろんあるのだけれど、一番は良いそば粉を使うことが決定的だと思う。

その点で、商売で打っている蕎麦屋さんは値段の点で最高級の粉なんか使えない。

だから、良い粉を使うことで蕎麦屋さんの蕎麦より旨い蕎麦が打てる。

 

一休みして、昨日仕入れてきた古本を読んでみる。

この宝物のような本が、一冊10円。

『月日は百代の過客にして、行きかふ年もまたたびびとなり』

おくのほそ道の格調高い冒頭。つい引き込まれてしまう。

次に井上ひさしの、本の枕草子。

諧謔の聞いた井上ひさしのエッセイ集。もう止まらない。

画面で本なんか読みたくない。やっぱり紙の本がいい。

 

へそ曲がりの僕は、体育の日に暖かな日差しの中でまったりしている。


稲核菜(いねこきな)とニンニクが順調に育っている

2015年10月10日 22時25分57秒 | 家庭菜園

めっきり涼しくなって秋冬野菜が育っている。

大根、ホウレンソウ、白菜、セロリも涼しさを喜ぶように育っている。

80日型のもろこしもちょうど今時分が収穫時。

寒さが厳しくなってきたので多分ギリギリのタイミングなのだろう。

茎は細かったが実はしっかりと付いていた。

さっそく茹でて食べてみた。

夏の最盛期に較べると少し劣るが、それでも十分に旨い。

『とうもろこしの焼けるにおいよ』

啄木の詩の一節を何気なく思い起こしながら、焼きモロコシにしたいなと思うがそんな手間もない。

久々の休みで仕事がたくさんたまっている。

冬に備えてやることは山ほどある。

 

11月、かみさんは沖縄に行く。


乾いた風が草原を優しく渡って行った 

2015年10月04日 21時35分42秒 | 登山

もう40年近く前、山仲間から話を聞いた。静かで良い山だと。

それ以来、ずっと気にかかっていた。

風吹大池と風吹岳。

今は紅葉でどこの山も混雑しているのだろう。

それならば、北アルプスの白馬岳のさらに北にある静寂の山、風吹岳に行こうと決めた。

土曜日が天気が悪ければ日曜日と思ったが、土曜日は快晴。

かみさんと、もうすぐ77歳になる義姉を誘って出かけた。

小谷村の土沢コースを選定。このコースは結構大変な山道が10キロも続く。

駐車場には長野、石川、群馬のナンバーが付いた車が3台。

少し紅葉が始まったブナ林の中を登る。

100年以上は生き続けているブナの木は実に堂々として立派。

ブナの実がたくさん落ちている。

所々に楓の赤い葉やヤマボウシの赤い実が混じる。

広葉樹の森は色々な様相を見せてくれる。

2時間ほどで風吹大池に到着。

この池は北アルプスで最大の白馬大池に次ぐ大きな池だ。

 

風吹大池、風吹岳。この名前を見ているだけで、いいなあと思う。

北の静かな、爽やかで凛としたイメージが沸々と湧いてくるではないか。

そんなイメージを40年近く抱き続けた。

それが今目の前にある。

風吹岳は大池から100mあまり登ったところにある。標高は1,888m。

大池と較べればおまけみたいなものだが、それでも山頂は山頂だ。

登ってみると数人の先客があずまやで食事を作っていた。

関西なまりなので、遠くから来たのだろう。

知る人ぞ知る隠れた名山(大池とセットで)というところだろうか。

風吹山荘前では群馬から来たという夫婦がいた。

 

 

 

秋になって植物たちは色々な実を付ける。

赤い実はルビー、青い実はサファイヤ。宝石なんかよりずっと美しい。

 

大池を挟んで、風吹岳の反対側には尾瀬を想わせる草原があった。

草原の一角に腰をおろし、持参したおにぎりをほおばった。

形の良い雪倉岳がむこうに見えていた。

 

かたはらにあきくさのはなかたるらく  ほろびしものはなつかしきかな  牧水

 

日差しは柔らかく僕らを包み、優しい風が草原を渡って行った。

義姉は6日で喜寿を迎えるという。

田部井さんとほぼ同じ歳だ。

山に登る為に毎日歩いているという。

また誘ってあげよう。

 

 

雪が来る前にまた登りに行こう。

うじうじと悩んだり、考える前に歩きだそう。

僕らは森で生まれ、草原に出て、やがてコンクリートの建物に幽閉された。

ふるさとの森に帰ろう。

そんな風に思う。