知り合いの民宿の看板が、余りにひどい状態になっていたので、作ってあげると約束した。
構想を練り、加工をし、ひと月余りかけて、少しづつコツコツと作り上げてきた。
今日、最後の仕上げをして、完成した。
完成を祝って、黒姫へ焼きモロコシを食べに行った。
通称戸隠街道に、焼きモロコシの店がある。
90歳を超えるおばあさんが焼いているモロコシは取り立てで、とてもおいしい。
サービスの漬物や煮物もおばあさんの手作り。
秋の気配が漂い始めると、この焼きモロコシが食べたくなる。
背景の黒姫山は山頂付近に夏雲がかかり、付近の畑には白いそばの花が揺れていた。
生モロコシは売り切れになっており、今、畑へ採りに行っているという。
この新鮮さがたまらない。
モロコシは、採ってから急速に味が落ちていく。
たくさんの客が立ち寄り、繁盛していた。
夕方、看板を設置しに行った。
背景の桜は、延命桜という古木。
杉板を焼き、文字を彫り込んだ。
古い温泉街によくなじんでいると思う。
この温泉街には大湯がある。
その他に、地元の人や宿泊客専用の滝の湯という温泉がある。
ここは番人もいないし、そんなに入っている人もいないので、ゆったり入れるし、何よりもうれしいのは源泉かけ流しの熱い湯が出ていること。
大湯は温度を調整した湯が出ているし、肌の合わない入浴客の常連もいる。
そこで、この滝の湯は、鍵さえ借りれば、気持ちよく入れるので、とても気に入っている。
時たま鍵を借りているので、そのお礼の意味もあって、看板作りとなった。
夏休みはないので、夏の宿題ということで取り組んできた仕事が、今日で一段落。
宿題をやり終えた解放感に浸っている。