久々に暖かい一日。
東京マラソンを見ながら、石臼で蕎麦粉を挽き、蕎麦を打った。
実はこの時期、蕎麦の実は一番おいしくなる。
寒さに耐えるために、糖分が増えるのだろう。
この寒い冬を乗り越えてきたものの持つ強さと豊かさをたっぷりその中に封じ込められた蕎麦は、他に較べるものが無いほど美味かった。
普通、種物として天ぷらなどを添えるのだが、その必要もない。
午後、隣の市にある低山に登った。
臥竜山と鎌田山。
どちらも簡単に登れる里山だ。
雪を被って白く輝く北信五岳が明るい日差しの中に鎮座していた。
もう本当に春が近いのだな。
田んぼの畦には犬負繰りの花が咲いていた。
しばし、そんなふうに自然と触れ合って気持ちを落ち着かせたのだが、実はすごく怒っていることがある。
埼玉で、学校にエアコン設置の可否を問う住民投票があった。
近くの自衛隊の基地を発着する飛行機の音がうるさくて、窓を閉めないと授業にならない。
たださえ暑い埼玉だから当然エアコンが欲しくなる。
結果は当然と言えば当然だが、設置派の方が多かった。
だが、全体の投票率が低かったので、設置反対の市長にそれを尊重する義務はない。
というようなことだ。
そもそも、根底はエアコンを設置するかしないかというようなことではないだろう。
そこに自衛隊の飛行場があることがいけないのだ。
なぜそれを問題にしないんだ。
一日あたり137億円のものぼる軍事費。
それを使ってエアコンを設置すればいい。
国の責任なのだから。
住宅や学校がある場所にそんなものがあること自体がおかしいじゃないか。
沖縄のアメリカの基地だけが問題じゃない。
普通に暮らしている市民の生活を脅かすものがそこにあるなら、それを無くそう。
どうしてそういう方向にいかないのだ。
根源的な問題に目を向けない限り、解決策は無い。
沖縄の辺野古で今も新基地を作らせない戦いが続いている。
できることなら、すぐにでも支援に駆けつけたい。
そんな思いを抱きつつ、でも待てよとも思う。
確かに辺野古は最大の争点だ。
日本全国には132か所の米軍基地がある。
このことを知っている人は一体何人いるだろう。
この国の首都にさえそれはある。
そんな国は世界中探しても他に無いだろう。
これで独立国と言えるのか。
普通に暮らす人の生活や安全を脅かす自衛隊や米軍基地の存在。
みんなそこにも目を向けるべきではないだろうか。
エアコンに設置に関する住民投票という骨が咽喉にひっかかっている。
答弁の言葉だけは自信に満ちて勇ましいが、内容はちっとも理解できない首相によってこの国はますます怪しい方向に進んでいるようだ。
それでも、季節は着々と進む。
来週一週間は現場仕事のバイトが入った。
少しは気が紛れるかもしれない。
家の庭の雪が融ければ、あの黄緑色のふきのとうがもう時期顔を出すだろう。
ふきのとうはどのようにして春をしるのだろう。
雪の下でも顔を出すので気温じゃないのだろう。
光の強さなのだろうか。
それとも体内時計を持っていて眼を覚ますのだろうか。
こんなことを取りとめもなく考えている時が一番ほっとする。