そろそろ

路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信のブログ

ギルドD55について、つらつらと。

2009-01-29 20:01:09 | お茶の水博士と歩く楽器街


  このブログに、ギルドD55の事が知りたくてくる人がいる
んだよね。恐らく、音楽雑誌の広告のようなよいしょ記事じゃ
なくて、「ホントんとこ」が知りたいのでしょう。じゃぁ、持ち
主なので、極めて主観的になる事を断って、つらつらと。

  まず、大前提として踏まえるべきは2つ。1つは、70年代の
ものとフェンダー傘下以降のものは、似た山を目指しているけれ
ど、サウンドが微妙に異なると考える事。
 2つ目は、「フェンダ傘下以降」と大きくくった言い方がされ
るけれど、この時期も、いくつかの区分がある事(「傘下入り直
後」「タコマ工場時代」そして、「現行と今後(また体制変更が
あるという)」)。

 ちなみに私のものは、傘下入り直後(サウンドホールとピック
ガードの隙間が広く、ロゼッタに貝。黒ピックガード。後に、べ
っ甲柄に)。この時期のものは、フェンダーも「さて」と力を入
れたためか、木材のクオリティは最高なのだけれど製品に凄まじ
いバラつきがある(急いで作った説をよく楽器店の店員さんは言
う)。それは特に、ネックに出ていて、まともなネックのものが
ほとんどない。私は、東京、神奈川、埼玉の店頭にある個体をす
べて弾いて、真っ直ぐなものを見つけ出して購入したのです。

 タコマ工場になってからは、変な所(何と左肩)にストラップ
ピンがついているのもあって驚かされるのだけど(やっぱり、ア
メリカカンのギターですね。ストラトじゃないんだからさぁ)、
品質は安定してきている。

  最近のモデルを見たのは、2週間前に神田で。ヘッドのGマーク
のつくりが雑になってきていると思ったけれど、ネックのマホや側
板のローズは、マーチンのレギュラのD28やD35より上質なも
のが使われていた(段々に、質が落ちているようだけれど、現在で
も最上位機種だから、それなりのものを使っています。どんなに、
鳴らない個体でも「上質感のある音」はしています)。

 最後に、結論めいた事を。70年代のギルドD55の音のイメー
ジがあって、この機種が欲しいのであれば、迷わず中古で70年代の
ものから好みの個体を探して買うべきですね。底値は20万円を切る
し、高くても30万円も出せば購入できる。

 そして、マーチンのD28や35と違った個性のローズ系のギタ
ーが欲しい人で、「もうちょっとロックンロールなギターが欲しい」
という人はフェンダー傘下以降のものから探して買うとよいのではな
いでしょうか。店頭で、レギュラーラインのD28や35と並べてみ
るとわかります。トップ、サイド、ネックどれをとっても上質な材を
使っていてプライスも安い。

 後は、音が好みに合うか。現行品の音のイメージは、「D28Vを
さらにパワフルにしたもの」。やはり、どこかがさつな感じの残るギ
ルドの音。それが気にならないのなら、よいのではないでしょうか。

 このイメージで、「東京中の楽器店を歩いて、音と状態のよいのを
探す」という覚悟があるのなら、最高の1本を手に入れる事ができる
でしょう。本音の話、弾き語りをしている人間にとっては、応用範囲
の広い最高の「ワーキング・ギター」です。私のは、道でジャンべ
やエレキとからんでも生音でガンガン音が通ります。「セッションす
るギター好きは、みんな凄げぇな、それ」と言ってくれちゃいます。
個人的には、よい買い物をしたなぁと思います。
 こんな所で、どうでしょう? このブログにきてくれるギター屋
の方、もし、不確かな所があったら補足して下さいね。では。 

          路上音楽情報紙「ダダ」編集発行人・青柳文信



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