ジャック・ケルアックの『路上』のようには行かないけれど、やはり、
長期の休みがとれると旅に出てしまうのです。
ここ、数日の旅の記録を知り合いに送ってメールをベースに簡単に整理
してみようかしらん。
【地元駅から水上まで】
地元の東上線柳瀬川から、北朝霞に出て武蔵野線、埼京線JRに乗り次いで、
大宮から、ひとまず新潟を目指して出発。順調に、出発したと思いきや、その
列車は、群馬県の水上温泉止まり。
電車を降りて、時刻表を確認すると、次の電車がくるまで4時間。
放浪の旅はつらいのです。
【水上】
しかし、降りてみると周囲は、すっかり「山奥」の様相。利根川の上流という
川は、水かさは浅くて、大きい岩がごろごろしている。
仕方なしと周囲を散策すると、温泉施設の前に「足湯」を発見。入ってみると、
えらい気持ちがよくて、「日帰り浴」を探して、ざっぷん。
くり
追記・今、隣りのお嬢さんが話しはじめた。こっちの人は、「あったじゃない」
というのを「あってへん」というらしい。ナンか変。
【水上から新潟】
電車をいくつか乗り継いで、新潟に到着。
この街の歌い場は、「万代」と言われ駅の北口と、「駅南」と呼ばれる南の駅
改札付近。そして、大きな橋を渡って行く旧市街の二つのアーケイド。お盆とい
う事もあり、ミュージシャンの数はあまり多くない。
この街で面白かったのは、泊まったホテルのスリッパ。「疲れがとれるから、
履いておやすみください」とある。そんな事ができる?
【新潟から喜多方】
起床し、列車に乗り継ぎ仙台を目指す。しかし、豪雨で列車が遅れ遅れ。このま
までは、会津若松で乗る予定の電車に間に合うはずもないと判断。路線図に喜多方
とあり、「やはり寄って行くべき」と喜多方で下車。
そして、「やっぱり、東京に住んでいて知っているご当地の名物は、食っておか
ねば」と食べたのが写真のラーメン。
スタンダードな喜多方ラーメンが、どういうものきらないけれど、こいつは、太
い手打ち麺。スープは、あまり脂がのりすぎず、あっさりしている。お母さんがお
家でつくる「素朴な味」でした。ご馳走さま。
【喜多方から仙台】
いくつかの電車を乗り継ぎ、仙台着。
ここの歌い場は、何と言っても駅から放れた場所にある巨大なモール街。天井が
高いので、蚊の泣くような声では音楽が成立しない。ここでは、取材後の深夜、美
人女性2人のカホン2台とヒッピー色ぎんぎんのいわゆるイケ面のお兄さんのジャ
ンべとセッション。ギンギンに声を張り上げて歌う。
「ゆずブーム」と言われる2000年の頃、この街の路上音楽事情は、よくテレ
ビのニュースで報道された。この街の商店街の人達は、当時、夕方になると、店の
入口付近に大量の水を撒いた。水を撒くことで、ミュージシャン達をよりつかせな
いようにしたのだ。あれから、もうすぐ10年。かつてのこうした様子を知らない
若手ミュージシャンも多くいた。
しかしながら、この街は目立ったゴミもなくきれいだし、ミュージシャンのレベ
ルも高い。素敵な音楽の街に思えた。
【総括・仙台から、福島、郡山、白河、宇都宮などで下車しながら東京へ】
今回の旅では、電車の接続の悪さのせいで、逆に、面白い事、ハプニングを楽し
む事ができた。水上の温泉にも入る事ができたし、喜多方の地でラーメンを食べる
事もできた。そして、仙台のカホンの女性2人ジャンベマン、宇都宮では、水戸か
ら遠征にきたと話すワタヒキさんともセッションができた(その他、各地でた
くさんの人達とセッションをさせてもらった)。
そして、何かとハプニングが多かった今回の旅の最後のハプニングは、これ
(かなりピンぼけで失礼)。宇都宮で、ワタヒキさんとのセッションを終えて、
列車に飛び乗ると、写真のセミくんが追いかけて列車に入ってきた。ぶんぶん
と車内を飛び回った挙げ句、落ち着いたのが、ここでした。
路上音楽情報紙『ダダ』編集発行人・青柳文信