7月6日に見てきた 『 星の大地に降る涙 』。
前回感想はネタバレなしで書きましたが、
原爆記念日にあたり、やっぱり 「?」 な部分について書きたいので、
ネタバレで書きます。
なので、これから大阪公演をご覧になる方は、スルーでお願いします。
お話は、記憶をなくした若者が浜に流れ着くところから始まります。
流れ着いた先は、言葉も風習も異なる部族。
最初は、その違いに戸惑う若者ですが、
争いを好まず「愛」を大切に生きるその部族に、次第に溶け込んで行きます。
同じ頃、同じように流れ着いた謎の男。
その男も同じようにその部族に馴染んで行き、
部族のリーダー格の男性と深い友情を育んで行きます。
お話の後半になって、それぞれの正体が明らかになってきます。
若者は新撰組、謎の男は政府軍、部族は蝦夷。
新撰組と政府軍は戦うことになり
ただ平和に生きていたいだけ蝦夷の人たちも、
自分たちの土地を戦いの舞台にされ荒らされてしまったことで
戦いに立ち上がるものが出てきて
友情を築いた三者が戦わざるを得なくなってしまう。
結局、戦いは政府軍が勝利して終わるわけですが
そこで、若者が 「こんなふうに人々を傷つける戦いの上でなされる
統一で、ほんとうに平和な国が築けるのか!」
というようなセリフを言ったあとに…
明らかに原爆と思われるきのこ雲の映像が映し出されます。
ここ、私には激しく違和感ありました。
こんな戦いの上で統一された国だから、将来原爆を落とされてしまうんだよということ?
原爆は、罰なの?
テーマは 『反戦』。
「信念を貫く」 というと素晴らしいことのようだけど
信念が異なるものが出会い、お互いが譲らなければ争いは避けられない。
争いを好まない生き方をしていても、大切なものが蹂躙されるとき
それを防ぐためには戦いに赴かなければならない。
その矛盾と、苦しみ。やりきれなさ。
それは、充分に伝わる舞台だった。
それだけで充分だと思ったのだけど。
最後の最後に部族の女神的存在が
「みんな大きな家族になってしまえばいいのよ」 と結論。
え~っ、そうできないからみんな苦しんでいるんじゃ…
すると、仲間を壊滅させられた若者も
「そうか、家族になってしまえばいいんだ」
え~っ、おまえもか~い。
長い年月かけてようやく収穫が望めるようになった土地を踏み荒らしたり
自分の身内を殺傷した敵を、どうやって家族として受け入れるのかという部分が
一切ないから、気持ち的に入り込めず、置いていかれる。
ただ、そこまで、ありえないくらい愛情深いと描かれた部族の中で
更に女神的存在である彼女が言うので
普通では考えられないけど、すべてを許す「神」なのかも、と合理化し
観客に、やりきれなさと 「じゃあ、自分はどうする」 という
課題を投げかける結論ではなくて
一番の被害者がすべてを許すのだから
許されたものたちが変わらないわけがないよね、という
感動の方向で終わらせたいんだな、と納得する。
(いや、納得しないけどさ)
でも、じゃあ、あの原爆の意味は…?
(そんなに深読みすることもなく、単純に爆弾って意味か?)
三浦春馬くんはかっこいいし、ダンスはみんな素晴らしいし
歌は感動的だし、殺陣は迫真だし。
エンターテイメントとして、とても楽しめる舞台です。
ただ、テーマが伝わったかと言うと、
私にはあまり納得いかないというのが正直な気持ち。
このテーマでハッピーエンドは難しいよ。
そして、ああいった原爆映像の使い方には抵抗あります。
やはり、ものすごく重い意味のある出来事なので、
それなりの決意をもって使ってもらいたいと思うし
きちんと意図が伝わる使い方をしてもらいたい。
前回感想はネタバレなしで書きましたが、
原爆記念日にあたり、やっぱり 「?」 な部分について書きたいので、
ネタバレで書きます。
なので、これから大阪公演をご覧になる方は、スルーでお願いします。
お話は、記憶をなくした若者が浜に流れ着くところから始まります。
流れ着いた先は、言葉も風習も異なる部族。
最初は、その違いに戸惑う若者ですが、
争いを好まず「愛」を大切に生きるその部族に、次第に溶け込んで行きます。
同じ頃、同じように流れ着いた謎の男。
その男も同じようにその部族に馴染んで行き、
部族のリーダー格の男性と深い友情を育んで行きます。
お話の後半になって、それぞれの正体が明らかになってきます。
若者は新撰組、謎の男は政府軍、部族は蝦夷。
新撰組と政府軍は戦うことになり
ただ平和に生きていたいだけ蝦夷の人たちも、
自分たちの土地を戦いの舞台にされ荒らされてしまったことで
戦いに立ち上がるものが出てきて
友情を築いた三者が戦わざるを得なくなってしまう。
結局、戦いは政府軍が勝利して終わるわけですが
そこで、若者が 「こんなふうに人々を傷つける戦いの上でなされる
統一で、ほんとうに平和な国が築けるのか!」
というようなセリフを言ったあとに…
明らかに原爆と思われるきのこ雲の映像が映し出されます。
ここ、私には激しく違和感ありました。
こんな戦いの上で統一された国だから、将来原爆を落とされてしまうんだよということ?
原爆は、罰なの?
テーマは 『反戦』。
「信念を貫く」 というと素晴らしいことのようだけど
信念が異なるものが出会い、お互いが譲らなければ争いは避けられない。
争いを好まない生き方をしていても、大切なものが蹂躙されるとき
それを防ぐためには戦いに赴かなければならない。
その矛盾と、苦しみ。やりきれなさ。
それは、充分に伝わる舞台だった。
それだけで充分だと思ったのだけど。
最後の最後に部族の女神的存在が
「みんな大きな家族になってしまえばいいのよ」 と結論。
え~っ、そうできないからみんな苦しんでいるんじゃ…
すると、仲間を壊滅させられた若者も
「そうか、家族になってしまえばいいんだ」
え~っ、おまえもか~い。
長い年月かけてようやく収穫が望めるようになった土地を踏み荒らしたり
自分の身内を殺傷した敵を、どうやって家族として受け入れるのかという部分が
一切ないから、気持ち的に入り込めず、置いていかれる。
ただ、そこまで、ありえないくらい愛情深いと描かれた部族の中で
更に女神的存在である彼女が言うので
普通では考えられないけど、すべてを許す「神」なのかも、と合理化し
観客に、やりきれなさと 「じゃあ、自分はどうする」 という
課題を投げかける結論ではなくて
一番の被害者がすべてを許すのだから
許されたものたちが変わらないわけがないよね、という
感動の方向で終わらせたいんだな、と納得する。
(いや、納得しないけどさ)
でも、じゃあ、あの原爆の意味は…?
(そんなに深読みすることもなく、単純に爆弾って意味か?)
三浦春馬くんはかっこいいし、ダンスはみんな素晴らしいし
歌は感動的だし、殺陣は迫真だし。
エンターテイメントとして、とても楽しめる舞台です。
ただ、テーマが伝わったかと言うと、
私にはあまり納得いかないというのが正直な気持ち。
このテーマでハッピーエンドは難しいよ。
そして、ああいった原爆映像の使い方には抵抗あります。
やはり、ものすごく重い意味のある出来事なので、
それなりの決意をもって使ってもらいたいと思うし
きちんと意図が伝わる使い方をしてもらいたい。