米国の共和党政権は日本にとってドラエモンのジャイアンである。横暴であるが、信頼ができる。現在の米国は民主党政権である。その米国の両政権で国防長官を務めたゲーツ氏が回顧録で、オバマ政権を非難している。米軍の戦略にとって重要な時期に政権内部に生じていた軋轢についても明らかにしている。
ブッシュ前大統領とオバマ大統領の両政権で国防長官を務めたゲーツ氏はこう記述している。「オバマ大統領は自らが承認した戦略に不信感を抱き、戦闘から抜け出す方法を最も見つけたがり、自身が選んだ司令官に幻滅し、国防総省の政策を細かく管理しようと試み、ホワイトハウスの補佐官と大将が対立することになった」と。
現場の苦労に配慮を示さないと言う事か?今回の日本に於ける靖国参拝への米国の非難。多くの日本国民は、「米国はやはり信じられない」と感じた。ホワイトハウスの不信より、日本国民のこの米国への「不信感」の方が、米国には大きなマイナスだと思うのだが。
共和党政権時代の横暴さにも「米国は仕方がないな」と応じてきたが(イラク戦争の支持など)、今回のオバマ政権の「靖国参拝に対する対応」に、米国は日本人の触れてはいけないに部分を触発した。「所詮中韓と同じか」と。今後日本は米国との「溝」を意識し、EU諸国のごとき態度を示す可能性が出てきた。米国にとりその厄介さが増すと言うことである。
「中国の防空識別圏にB52を飛ばしてくれたではないか」との意見もあるが、その数時間前に空自のF15が通常業務で飛行している。ケネディ大使の感謝の言葉はこの事を指している。
今回の米国の態度、日本国民に刻み込んだ「不信感」は米国にとり大きなマイナスとなるであろう。日本国民は、米国が民主党政権であろうと共和党政権であろうと「米国」であり区別がないのだから。
米国の民主党政権は前のクリントン政権時も日本にとり碌なことをしない。当初「尖閣は米国に関係ない」とし、中国の増長を許した。この時も軍から沖縄の重要性を説かれ其の後、「尖閣は沖縄」としたが後の祭りだった。故に今回オバマ政権発足時からクリントン国務長官が「尖閣は日米安保の対象」と発言しているが、巨大化した中国には無意味だった(遅かった)。
朝鮮も共和党のフーバー大統領は、「戦後日本に残す」と回顧録に書いているが、民主党のトルーマン大統領により米国統治とされ南北に分裂、朝鮮戦争が起こる。ホッジ大将やキンケート中将らの軍政では朝鮮を1国に保持できなかった。自ら招いた失策である。その負債が如何に大きいか自らが支払っている。日本は感謝である。
米国の民主党政権は、どうやら地に足が着いた政策が苦手なようであり、自ら「米国」の同盟国の信頼度を落とすことが得意なようである。
日米いずれの民主党政権も碌なことをしないとは。