福祉施設というのは、基本営利目的ではありません。それぞれに設立の理念があり、それの実現に向けて、日々取り組んでいるはずですが、おそらく最初の設立時の(いわゆる立ち上げ時の)中心になっていた方の理想が、そのまま法人等の理念に反映されているものと思われます。
明文化されているものもあれば、口伝えでやってきた施設もあると思います。
特に私が長年関わってきた”知的障害者施設”については、地域の社会で生活出来ない、家庭でも問題があり(家族や環境、本人自身等)共に生活出来ない状況の方々を、施設という形で受け入れていました。また通所施設ならば、学校卒業後、即就業出来なかった、精神的な部分や就業に際する能力が足らなかったため、自分に合った状況で少しずつ社会に適応する能力を身に付けて行く等・・・の目的で、それぞれに様々な理由があると思います。
しかし、最近は職員不足もあり、その理念や方針等が、十分に説明されることなく、そのまま就労されている職員も多いようです。先輩職員から、その行動や言動等から直接学ぶことが出来れば幸いですが、どちらかというと実際の場面を経験し、思っていたより大変だ・・・という実感の方が、強くなるのではないでしょうか?
もちろん、施設側にも給与の問題や待遇の問題、利用者との関係、利用者の処遇・生活環境等、多くの問題を抱えています。福祉施設の良い部分・・・と聞かれて、いくつ答えられるでしょうか?むしろ、問題点を挙げろ・・・と言われれば、それこそ数多く出てくるような、そんな状況です。(これは非常に悲しい)
また、多くの職員が安心して勤務出来る環境、利用者の方や保護者の方が安心して任せられる・・・そんな施設が一番なんでしょうが、現実的には少ないですね。
必ずしも、給与を上げ、待遇を良くしたところで、職員レベルが低ければ、何の解決にもなりません。逆に、安い給与で(半分ボランティア的に働かされ)、待遇も最低で・・・なんて、労働意欲が下がるような施設でも、もちろん利用される側から見ても、これも最低です。
面白いのは、崇高な理念で設立され、(法人として)多くの事業所を抱えていても、必ずそこがいい施設とは言えないことです。むしろ、そういう施設は、設立者の理念が、間違った方向に解釈され、その状況のまま適任でない”管理職”が、方向を決め、人事を行い、職員を”管理”していることですね。
おそらく、そういう施設では、これから活躍が期待出来る中堅職員が、なぜか中途退職していく・・・という信じられない事象が起きています。
それは、もちろんその本人にも問題はあると思いますが、10年以上勤務し、ある程度その法人・施設の理念も理解し、活動してきた職員が、突然”辞める”というのは、管理上の問題だと考えます。
私は、25年程管理職(現場兼任)を経験してきましたが、基本は職員は育てなければならない・・・という気持ちで取り組んできました。なぜかというと、利用者の方と職員は、やはり信頼関係の上に成り立つもの・・・という考えがあるからです。
つまり、どれだけ知識が豊かで、行動力があっても、それが利用者のためになっているのか?と思うと、全く自身のためだけ・・・(自己満足)で終わっている職員をたくさん見てきました。
特に現在は、”暴力”や”暴言”が取りざたされ、それが最大の「悪」のように言われます。
しかし、もちろん暴力や暴言はいけないことなのですが、職員と利用者のお互いの関係がしっかりしていれば、それは暴力や暴言とは違うものになっている可能性は否定出来ません。
本当は、障害についての知識・理解を深めたうえでの処遇(対応)技術や言動・行動があれば、一番なんですが、それを伴う職員なんて、日本中の施設全体を探しても、数名だと思います。(そういう方に出会えた利用者の方は、ホントに喜んでいいと思います。)
職員と利用者の関係、これも元を考えれば人間対人間の関係だと思います。別に主従関係でもなく、支援する側される側という便宜上の関係でもありません。あえて言えば、これが信頼関係と言えると思います。
どれだけ重度の方でも、長年一緒に過ごしてきて職員ならば、安心感があるのか、少ない言葉で”次の行動”を起こしてくれます。しかし、まだ経験の浅い(いわば信頼関係の出来ていない)職員ならば、どれだけの技術やすばらしい言葉がけをしても、次の行動には至らないことがほとんどです。
新人職員は、なぜボク(ワタシ)の言うことを聞いてくれないのだろう・・・?という疑問を、必ず持つと思います。
それは無理な注文ですね。
施設では、長年の経験は、大きな財産になります。
(こんな言い方をすると、非難を受けそうですが)高卒の職員が長年勤務して、利用者との関係を深めてきたことに対し、福祉系の大学で(福祉士の資格も取り)知識だけは十分に持っていても、前者の経験には絶対に勝てません。
そういう意味では、施設は長年の経験を経ている職員は、大事にしなければならない訳ですね。もちろん、長年の経験の上に、知的障害者に対する知識や技術の向上は、プラスされていなければ意味はないですが・・・。
バカな管理者や適任でない管理職は、それを見ることが出来ません。
(ましてや、要領のいい職員や、偽の正義感やうわべだけのボランティア精神を持っているような職員を、贔屓し、その言動や行動を絶賛するような・・・そんなバカ・・・な管理職がいれば、その施設も将来が危ぶまれますね。)
大きな法人になればなるほど、経営者や管理職は、そういう一番大切な職員を育てる基本的な部分に目が行きません。
本当の管理職の仕事とは、適切な処遇がなされているかの判断、それを実践するための環境整備、また働きやすい環境を作ること、さらに若い職員が安心して業務に取り組めるように、土台を設定する役目・・・等がありますね。小さなミスも攻めるのではなく、今後につながるようなフォローをする・・・、考えを否定せず、理念に基づいた方向性を示す・・・、様々な意見に耳を傾ける・・・等々、
私自身も、反省の上にほとんど出来ていなかったかも・・・と思うことがあります。そのせいで、一部の新人職員に間違った印象を与え、裏切られ、追い出されるきっかけを自身が作ったのかもしれません。(他の施設職員に事情を話すと、策略・・・筋書きがあったのだろう・・・とほとんどの方が言っています。)
※もう過去のことなので・・・忘れましょう(笑)
非常に管理的になるか、法人自身(自分自身をも)の保身だけが大事になってきます。
(特に、器の小さい管理職・・・新しいことに挑戦出来ない、すぐに物事を否定する等や、目先のことしか見えない経営者・・・これが大事(おおごと)になると施設が潰れる、職員より理事の言うことばかり聞く・・・等)
これは違う意味での、障害者施設の大きな欠点だと考えます。
マスコミは、総じて施設職員の”暴力・暴言”事件ばかり伝えますが(視聴者や読者が期待する内容?)、その内実は伝えません。そういう事件が起きる実態の方に、もっと目を向ける努力をしてほしいものですね。
(※そういう報道は、老人施設の方が多く感じます。その方が、視聴者や読者の目が行きやすいのでしょう。自分が将来関わるかもしれない場所ですから・・・かな?)
根本から改革が必要な時期なのかも、しれません。
明文化されているものもあれば、口伝えでやってきた施設もあると思います。
特に私が長年関わってきた”知的障害者施設”については、地域の社会で生活出来ない、家庭でも問題があり(家族や環境、本人自身等)共に生活出来ない状況の方々を、施設という形で受け入れていました。また通所施設ならば、学校卒業後、即就業出来なかった、精神的な部分や就業に際する能力が足らなかったため、自分に合った状況で少しずつ社会に適応する能力を身に付けて行く等・・・の目的で、それぞれに様々な理由があると思います。
しかし、最近は職員不足もあり、その理念や方針等が、十分に説明されることなく、そのまま就労されている職員も多いようです。先輩職員から、その行動や言動等から直接学ぶことが出来れば幸いですが、どちらかというと実際の場面を経験し、思っていたより大変だ・・・という実感の方が、強くなるのではないでしょうか?
もちろん、施設側にも給与の問題や待遇の問題、利用者との関係、利用者の処遇・生活環境等、多くの問題を抱えています。福祉施設の良い部分・・・と聞かれて、いくつ答えられるでしょうか?むしろ、問題点を挙げろ・・・と言われれば、それこそ数多く出てくるような、そんな状況です。(これは非常に悲しい)
また、多くの職員が安心して勤務出来る環境、利用者の方や保護者の方が安心して任せられる・・・そんな施設が一番なんでしょうが、現実的には少ないですね。
必ずしも、給与を上げ、待遇を良くしたところで、職員レベルが低ければ、何の解決にもなりません。逆に、安い給与で(半分ボランティア的に働かされ)、待遇も最低で・・・なんて、労働意欲が下がるような施設でも、もちろん利用される側から見ても、これも最低です。
面白いのは、崇高な理念で設立され、(法人として)多くの事業所を抱えていても、必ずそこがいい施設とは言えないことです。むしろ、そういう施設は、設立者の理念が、間違った方向に解釈され、その状況のまま適任でない”管理職”が、方向を決め、人事を行い、職員を”管理”していることですね。
おそらく、そういう施設では、これから活躍が期待出来る中堅職員が、なぜか中途退職していく・・・という信じられない事象が起きています。
それは、もちろんその本人にも問題はあると思いますが、10年以上勤務し、ある程度その法人・施設の理念も理解し、活動してきた職員が、突然”辞める”というのは、管理上の問題だと考えます。
私は、25年程管理職(現場兼任)を経験してきましたが、基本は職員は育てなければならない・・・という気持ちで取り組んできました。なぜかというと、利用者の方と職員は、やはり信頼関係の上に成り立つもの・・・という考えがあるからです。
つまり、どれだけ知識が豊かで、行動力があっても、それが利用者のためになっているのか?と思うと、全く自身のためだけ・・・(自己満足)で終わっている職員をたくさん見てきました。
特に現在は、”暴力”や”暴言”が取りざたされ、それが最大の「悪」のように言われます。
しかし、もちろん暴力や暴言はいけないことなのですが、職員と利用者のお互いの関係がしっかりしていれば、それは暴力や暴言とは違うものになっている可能性は否定出来ません。
本当は、障害についての知識・理解を深めたうえでの処遇(対応)技術や言動・行動があれば、一番なんですが、それを伴う職員なんて、日本中の施設全体を探しても、数名だと思います。(そういう方に出会えた利用者の方は、ホントに喜んでいいと思います。)
職員と利用者の関係、これも元を考えれば人間対人間の関係だと思います。別に主従関係でもなく、支援する側される側という便宜上の関係でもありません。あえて言えば、これが信頼関係と言えると思います。
どれだけ重度の方でも、長年一緒に過ごしてきて職員ならば、安心感があるのか、少ない言葉で”次の行動”を起こしてくれます。しかし、まだ経験の浅い(いわば信頼関係の出来ていない)職員ならば、どれだけの技術やすばらしい言葉がけをしても、次の行動には至らないことがほとんどです。
新人職員は、なぜボク(ワタシ)の言うことを聞いてくれないのだろう・・・?という疑問を、必ず持つと思います。
それは無理な注文ですね。
施設では、長年の経験は、大きな財産になります。
(こんな言い方をすると、非難を受けそうですが)高卒の職員が長年勤務して、利用者との関係を深めてきたことに対し、福祉系の大学で(福祉士の資格も取り)知識だけは十分に持っていても、前者の経験には絶対に勝てません。
そういう意味では、施設は長年の経験を経ている職員は、大事にしなければならない訳ですね。もちろん、長年の経験の上に、知的障害者に対する知識や技術の向上は、プラスされていなければ意味はないですが・・・。
バカな管理者や適任でない管理職は、それを見ることが出来ません。
(ましてや、要領のいい職員や、偽の正義感やうわべだけのボランティア精神を持っているような職員を、贔屓し、その言動や行動を絶賛するような・・・そんなバカ・・・な管理職がいれば、その施設も将来が危ぶまれますね。)
大きな法人になればなるほど、経営者や管理職は、そういう一番大切な職員を育てる基本的な部分に目が行きません。
本当の管理職の仕事とは、適切な処遇がなされているかの判断、それを実践するための環境整備、また働きやすい環境を作ること、さらに若い職員が安心して業務に取り組めるように、土台を設定する役目・・・等がありますね。小さなミスも攻めるのではなく、今後につながるようなフォローをする・・・、考えを否定せず、理念に基づいた方向性を示す・・・、様々な意見に耳を傾ける・・・等々、
私自身も、反省の上にほとんど出来ていなかったかも・・・と思うことがあります。そのせいで、一部の新人職員に間違った印象を与え、裏切られ、追い出されるきっかけを自身が作ったのかもしれません。(他の施設職員に事情を話すと、策略・・・筋書きがあったのだろう・・・とほとんどの方が言っています。)
※もう過去のことなので・・・忘れましょう(笑)
非常に管理的になるか、法人自身(自分自身をも)の保身だけが大事になってきます。
(特に、器の小さい管理職・・・新しいことに挑戦出来ない、すぐに物事を否定する等や、目先のことしか見えない経営者・・・これが大事(おおごと)になると施設が潰れる、職員より理事の言うことばかり聞く・・・等)
これは違う意味での、障害者施設の大きな欠点だと考えます。
マスコミは、総じて施設職員の”暴力・暴言”事件ばかり伝えますが(視聴者や読者が期待する内容?)、その内実は伝えません。そういう事件が起きる実態の方に、もっと目を向ける努力をしてほしいものですね。
(※そういう報道は、老人施設の方が多く感じます。その方が、視聴者や読者の目が行きやすいのでしょう。自分が将来関わるかもしれない場所ですから・・・かな?)
根本から改革が必要な時期なのかも、しれません。