知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

共同作業所は社会の一部?

2017年12月13日 | Weblog
現在、勤務させていただいている共同作業所ですが、今年の3月頃から、大切な納品等の仕事をしています。

いわゆるお世話になっている各業者から、商品の元を預かり、ある程度の形に完成させて、納品する・・・という流れの中で、毎日業者の方との連絡等も行い、人間関係の構築も兼ねての世間的な話もします。




この作業所で利用者の方が行っている作業工程は、様々な製品が世に出る前の、ホントに基本的な工程が多いですね。

当然、作業所に通われている方も、作業レベルは同じではありません。


難しい工程を行っている方もいれば、簡単な振り分けや工程に至る前の流れ作業もあります。



各利用者の給与は、その作業内容や普段の作業態度、また同じ通う仲間との協調性(勝手に一人では出来ません)等が加味されて、決まってきます。難しい作業を行っている方は、それなりにもらわれます。



最近、特に感じるのは、この”行程”がその商品が世に出るまでに、どれだけの価値のある仕事になっているのかな?ということです。


お世話になっている業者さんは、中小企業(いわゆる町工場的な)のところがほとんどですが、大元の納期の時期までに、行える工程は、少ないと思われます。つまり、その基本行程(基本部品の組み立てや箱の組み立て等)は、事前に行っておこないと、その組み立て工程に至ることも出来ません。



そういう意味からも、私たち共同作業所で行っている作業行程は、重要な部分を占めているのかな?と思う時があります。

誰かが、こういった基本行程をおこなわなければ、商品が完成するまで、より無駄な時間が流れ、消費者や大きな商品が世の中に出るまでに、相当の時間が経過することになります。




正直を言えば、基本行程なために、工賃自体は非常に少ないです。(中には、内職的に取り組まれている家庭もあるようです)。



また、逆に私たち作業所のメンバー(利用者)も、こういった作業が存在するからこそ、毎日の少ない時間での作業も行っていけるんだなあ・・・と感じます。その意味でも、非常にありがたいですね。



利用者の方は、そういった感覚は持っていない方がほとんどですが、あらためて意識するものでもないと思います。

職員の中にも、何もそこまで考えなくても・・・といった、安易な感覚の方もいます。



私なんかは、こういう業界に長くいるために、余計にそんなことを考えてしまうのかもしれませんね。






先日、少し納品から帰って際に、メンバーに対し文句を言ってしまいました(ちょっと怒りました)。


それは、持ち帰った仕事を、全く見向きもせず、知らない顔でいたためです。(また、何か仕事持ってかえったのか・・・的)


「これは、毎日のみんな(メンバー)の大事な仕事だ!これがなければ、みんな工賃ももらえないし、仕事も出来ない・・・!」
「それなのに、一緒に中へ運びいれようともしないし、勝手に持ってくれば・・・的な態度」

ここ数日前から、そんな感覚があり、私と一緒に連日納品に行ってくれているメンバーだけが、一生懸命動いている様子は、何か違和感がありました。


当然、持ち込んだ部品等を、来た来た・・・と言って、みんなで運び入れるのが、本来の姿と思います。



職員が強めに言わないと、誰も行動しようとしない・・・そんな雰囲気が、この日作業所に戻った際にもあり、少しキレそうになりました。(それは若い職員にも一部言えましたが、後日非常に反省が伺えたので、ある意味面白かったですね。)



私は、アピール(問題提起)も兼ねて、この日午後から休みを取りました(作業所の所長や主任さんとも相違談して)。

その日の終わりの会に、所長からその件の話があり、その翌日からは、それを意識した一部(これでも一部ですが)のメンバーが動き出しました。


普段から、そういった意識をさせるのも、職員の仕事なんですが、職員自身がそこまで意識していないと、全く意味のないことでもあります。





同時に、その日の作業が終わる際に、片づけも全く行わないメンバーもいます(重度の方ではありません)。
「そろそろ終わりましょう」という言葉をかけると、作業が途中であろうと、その作業をそのままにして、自身のタイムカードを押しに行き、カバンを用意に行きます。

昨日も、「その前にやることがあるだろう!」と注意しました。



むしろ、今までそういった方法がまかり通っていた・・・ということでもあるのでしょう。いい機会なので、メンバーの方にこういった意識を身に付けてほしいと思います。



私は、ちょっと厳しすぎるんでしょうか?

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障害者の駆け込み寺・・・?

2017年12月06日 | Weblog
法人の中には、相談センターなるものを開設してるところもあるようです。


私の勤務する作業所の地元にも、大きな法人が開設していますが、非常に盛況?障害者の方には評判もよく、(対応もそれなりで)よい意味で「障害者の駆け込み寺」として機能しているようです。


特に通所施設や、今後在宅等で通うことを希望する家庭等、この存在は大きいようです。(入所施設関係は、あくまでも地元福祉関係から始まるので、直接的には関わりは少ないですが・・・)




当然、私の勤務する作業所の利用者の方も、こういうセンターを利用されている方が多いですね。



ひとつの問題提起にもなる場合もあり、特に最近マスコミがこぞって記事にする「虐待」については、本人からの”駆け込み”情報により、問題化する場合が増えています。

※老人施設等は、実際は内部告発からが多いと思われ、本人や家族・親族からも多少あるものの、実態が十分把握出来ない事情が多いのでは・・・。(これは入所施設にも言えますが・・・)



そういう意味では、表に出てくる情報があるという面では、歓迎すべきとは思いますが、ここで一番問題なのは、この情報が”駆け込んできた”障害者の方の一方的なものであることです。

つまり、その情報を元に、このセンター等の機関は、その情報元や状況を正確に把握して、実際はどうなのか?本当に起こっている事象なのか?等を調べます。



・・・というのが、本当なのですが、ここが十分ではなく、暗にその設立した法人の意向が左右されており、「障害者の言うことはほとんど正しい」感覚で、物事が進められていくことです。

そう、実際にその現場(施設や作業所等)で調べられる・聞き込みが行われる際には、常に疑いの目を持って行われているので、少しでもその傾向(疑いの現象)が見られたら、速攻その話は訴えとして認められていきます。



実際、事象や事件等は、あくまでも過程の中で起きるもので、よくマスコミが、政治家の話の中の一部分を切り取って、悪者扱いするのと似ています。

前後のすじを無視して、その部分だけを取り上げれば、誰でもが悪人になっていきます。



例えば、障害者の方に、話の流れで「バカだな」と言ったことが、本人にとって気に障った・・・ということで、「こんなことを言われた」と訴えます。しかし、よくよく聞いてみると、その話は、直接的に「バカ」と言ったのではなく、行動に対して「ありえないこと」を例えたので、当事者をバカにしたのではなく、その後も解決策を支援したり、方策を伝えても、訴えは「バカと言われた」という部分だけが、一人歩きします。

特に、そのセンター機関の対応者が、融通の利かない方だった場合には、悲惨なことになります。



私の勤務する作業所は、一応B型なんですが、結構作業レベルの高い方が多く、実際に一般世間で暮らしている方がほとんどです。そのため、ある程度の一般常識も備えている方も多いのですが、そのため、日常会話等でも様々な言葉が出てきます。また作業所の職員の対応も、「障害者」向けの対応ではなく、いわば「一般の方」に近い対応もする場合があります。

しかし、そのことが一旦間違った方向に至ると、「この職員は、私をバカにしている」とか、「私が仕事をしているのを邪魔する」等の訴えを起こし、”駆け込み”される場合もみられます。



もちろん、職員も常に意識して、言葉遣いや行動・対応には気をつける必要は十分にあります。

それでも、ある程度慣れてきたり、その使用者との距離が近くなり、親しみを感じるようになれば、それなりの言葉遣いにもなる場合もあります。(あまり、職員VS利用者を意識していると、距離感が縮まりませんね。)




また、ここでよくある訴えの事象で、特に精神障害の方が多いうようですが、自分のうつ状態のときに言われる言葉は、なかなか難しい場合があり、その状況把握が(職員に)出来ていないと、悲惨なことになります。

そういう場合、そのままセンターへ”駆け込み”され、その状況が「訴え」として認められてしまう・・・そんな事象を少なからず見てきました(私自身は全くありませんが)。




当然、直接的な「暴力」や、極端な明らかな「暴言」等は言うに及びませんが、物事にはあらすじがあり、前後関係が必ずあります。

そういう部分を、調査される方は、十分に”意識”していただきたいと願うばかりです。



心配なのは、前述したように、私の地元のセンターを設立した法人は、なによりも「障害者」重視で、一般人や(特に)職員は「ゴミ」扱い(代わりはいくらでもいるから・・・的な)の法人なのです。そこに従事する職員の資質を、一番心配します。
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