知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

A型事業所というのは、見かけだけ?

2019年03月20日 | Weblog
最初に、ちょっと愚痴を・・・。


今日、以前(昨年)勤務していた作業所に顔を出しました。・・・というのも、作業所に通う身体障害の方とは、未だに交流があり、その方に会いに行った・・・というのが目的です。
(その方の住まいの方でもよかったんですが、世話人さん等の時間帯が合わずに、空いている時間が分かりにくい・・・ということで、作業所なら確実に会えるためです。)


久しぶり(3、4か月ぶり)だったので、メンバーの方々は、明るく迎えてくれました。


新しい利用者の方も2人ほどおり、仕事内容や雰囲気は、辞める前とそう変わらない感じでした。


ところが、新しい職員の姿も・・・??? あれっ?職員を減らさないと、経営が成り立たない・・・という理由で、辞めさせられたはず???

なんで、たった2か月(1月から来られているそう)で新しい職員が来ているのだろう????と大きな疑問を抱きながら、お世話になった先輩職員に尋ねると、未だに(私がやっていた)納品等の仕事は、その方が全部やっているらしく、新しい職員と言っても、別に私の代わりにはなっていないそう。(おまけに、新しい職員は40歳代の女性?男女比率がおかしい)


私は、なんのために辞めたのか?大きな疑問。


結局、この法人の経営者がバカなのと、私を排除したい一部の理事会役員がいたのだろう・・・と感じました。


まあ、今更どうでもいいですが、一番嫌なパターンだったので、ちょっと気分が悪かったですね。





前回の続き、就労継続支援A型について・・・

今回久しぶりに訪問した前の作業所でも、利用者の方の一人が、今度A型に移るかも・・・と言っていましたが、やはり理由は”お金”。でも、今の仕事をしている場所も雰囲気がいいので、その判断を鈍らせるものがあるようです。 お金か雰囲気か?


この前、立ち上げたA型事業所でも、やはり地元の方は、B型からA型へ・・・という希望が多かったのですが、移行するに当たり、お金以上に雰囲気を大事に考えている方が多かったですね。
基本、仕事内容は似ていますが、職員もメンバーも違う中で、やっていけるのか?という不安感が大きいのでしょう。


A型を希望する方は、それなりにレベルもあり、仕事に対する意欲も持っており、また技術的にも問題はない方が多いです。しかし、結局精神的な部分で困難をかかえているため、移行に二の足を踏んでしまう・・・そんなパターンが見られます。

来られるのは、精神疾患の方が多く、もちろん身体障害や難病、軽度の知的障害の方等もおられますが、その職場で気持ち良くやっていけるかどうかは、その事業所の雰囲気が大事になりますね。


ある意味、徐々に利用者を増やすよりも、一気に数名が来られて、そこの雰囲気を作り上げたほうが、方向性はいいかもしれません。まあ、実際はそんなうまくいきませんが・・・。



今回、給与面の話も聞いてみると、思ったより少ないのが気になりました。


実際、基本的には、A型では各都道府県の示す最低賃金の補償というのが、「売り」な訳です。

ただ、現実的には、そんな経営状態がいいところは、少なく、前回計算したように、例えば一日10時から4時でも、5時間フルに働いて、最低賃金×5ならば、4000円以上は確実にもらえるはずです。つまり、1か月20日間出勤して8万から9万はもらえるのが本当。(出勤日は、もう少し多めにありますね) だいたい月10万が目標のはず。

しかし・・・


勤務時間を減らしたりして、6万から8万くらいなら、A型の看板を揚げているのは不自然です。


全国で、そんなに稼げる事業所は、ホントに少なく(以前言ったように、裏的業務をこなして業績を上げているところだけ)、これがホントの現実。



いっそ、根本から考え直したほうがいいと思います。


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就労継続支援A型って、中途半端な存在でもある。

2019年03月01日 | Weblog
ネット等で、「就労継続支援A型」を検索すると、「障害や難病のある方が、雇用契約を結んだうえで一定の支援がある職場で、働くことができる福祉サービスです。」とあります。


また、「基本的には最低賃金金額以上の給料がもらえる」というのが、売り文句なのですが、この時点でおかしいですよね。


さらに、厚労省では、これ以外にも「従業員が一定以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を『法定雇用率』以上にする義務があります。」(障害者雇用促進法43条第1項)ともあり、この民間企業の法定雇用率は2.2%、従業員を45.5人以上雇用している企業は。障害者を1人以上雇用しなければならない・・・とあります。これは、平成30年4月1日に改正があり、法定雇用率が上がりました。
(改正前は、雇用率が2.0%、従業員50人でした)
一般企業だけではなく、国や地方公共団体等にも、同じように2.5%の雇用率、都道府県の教育委員会も2.4%という雇用率の義務があります。
※これがさらに、平成33年・・・年号は変わりますが、2年後には、さらに0.1%引き上げがあります。



これに対する罰則ですが、報告や実施を怠っていると、各統括の自治体のハローワークより、勧告や指導、最終的には企業名の公表になるようですが、そこまで大きな企業にとって、それがどれだけのデメリットになるのか?という疑問があります。

逆にメリットは・・・?この最後の公表という部分では、「障害者に優しい企業」という肩書がつくのでしょうか?はなはだ疑問??



企業が障害者を雇用することで、国からは助成金がおります。

例えば(少し古い資料ですが、2014年)・・・
重度障害者等を除く、身体・知的障害者の場合  大企業なら1年で50万円、 また中小企業ならば1年半で135万円
同様に、重度障害者等では、大企業で1年半 100万円、中小企業で2年 240万円

また短時間労働者やその他の項目もありますね。(ここでは省きます)



これは、考え方の問題だと思われますが、企業の代表者・経営者が、障害者のためと思い実践するのか? 企業の評判を考えて行うのか? 中小企業ならば、少ない助成金を目当てに行うのか? また・・・と。

先日も、障害者雇用の数値をごまかしていた企業や、公的機関もありましたね。(そこまで、切羽詰まっている感じでもないのに)




ここで、問題なのが、今回の一番の課題になる就労継続支援A型の存在です。


実際の現状を見ると、まずスムーズな経営をしているA型事業所は、少ないですね。逆に、経営難でA型からB型に移行した事業所や、撤退した事業所は多く見られます。当然ながら、最低賃金を保証するということは、それだけの経営努力をしなければならない・・・ということです。

加算があるとはいえ、現実的には、最低賃金が800円から900円程度ならば(大阪・東京はさらに高いです)、A型利用者が1日働き、事業所の稼働日が20日以上あれば、10万円程度(計算上差がありますが)の個人収入が見込める訳です。さらに掛ける人数になるのですが、経営するのは、職員も経費も必要で、10名定員であっても、月150万円から200万円程度の収入が必要になります。
大きな都市になれば、それなりの仕事もありますが、地方に行けば、短時間の労働でそこまでの収入を得る仕事があるわけないのです。

うまく経営がいっているA型事業所は、ほとんどが裏業務と言われる(悪い仕事ではありません)直接、利用者とは大きく関係していない(多少絡みはありますが)仕事で収入を得ている場合が見られます。それが100万円以上の利益を生み、実際に利用者が行っている業務は、100万円にも満たされません。
いわば、徐々にこの現実に、国側も気がついたのか?最近は、A型事業所の開設が、非常に難しい状況になっているようです。(東京都などは、ほとんど認められなかったようですね。逆に大阪府はゆるゆるだそうです・・・この業界の方の話)




就労継続支援A型の目的は・・・?

B型事業なら、障害者の働く場の確保という意味では重要ですが、中途半端な存在であるA型というのは、一般企業にも行けない、かといってB型では収入が少ない、能力的には高いのに、実力を発揮出来る仕事がない、病気のためフルに働けない、他の人(従業員)とコミュニケーションがうまく取れない・・・等々、様々な状況・理由があると思います。

存在意義は分かるのですが、それを(いわゆる)継続させられるのか?と考えると、非常に事業者・経営者に大きな努力が求められます。大きな理想や儲けを見込んでは、絶対に実践出来ない領域だと感じます。



私個人の考えでは、前述した各企業・中小企業の障害者雇用方法、またその助成金の扱い方、さらに大きなメリットを加算すれば、この無駄なA型事業という嘘くさい存在が、解消されるのでは?と思います。(いわゆる、福祉関連分野と大企業・中小企業が、うまく連携すれば、効率はよい)


先日(前日?)まで、そのA型事業所の開設に立ち会って、そんな感想を持ちました。



この事業に関わった当初に、実習でお世話になったA型事業所で、今回新たな事業が開始されました。いわゆる、企業側が委託する形の就労支援形態の障害者の雇用を補助する感じですね。(まだ始まったばかりだったので、詳しい方法は聞きそびれました)

実際は、企業側が雇用契約をしているのですが、精神疾患や身体障害、難病等で、現場ではなかなか仕事を実践出来ない方に対し、事業所が働く場を提供し、障害に対する知識や支援の出来る職員が補助について、その場で仕事を行う・・・という感じのものです。(仕事内容は、A型に近いもの)
その収益や、各利用者の収入等については、聞けませんでしたが、利用者の方々は、安心して仕事が行えているようでした。



こういう形式は、大都市ならではの・・・と思っていたのですが、前日まで勤務していた事業所での営業回りで、各中小企業の方々に聞いた話では、そういう形態があるなら、ぜひ利用してみたい・・・と考えておられる方が多かったようです。

つまり、企業側では、そういった障害者に対する知識も対応方法も、支援方法も分からないため、むしろそういう形態の事業所があれば活用したい・・・というのが本音ですね。




今後、国の施策がどう変わっていくのか分かりませんが、現場を考えて、こういった方面こそ充実させていくことが、障害者の将来に明るい方向性を見出せるのでは、と思いました。

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