知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

GWの帰宅期間です。

2011年04月30日 | Weblog
今年のGW(ゴールデンウィーク)の帰宅期間は、昨日の29日から5月の8日までです。


保護者の方で、帰宅可能な家庭は、この期間中で受け入れていただいてます。




例年、保護者の高齢化に伴い、徐々に帰宅されない利用者の方が増えてきました。これはしょうがないとは思います。それに、保護者の方も、両親が亡くなられたりして、兄弟さんや親族の方に移行していることもあります。10年前に比べれば、約半数近くの方が帰宅出来なくなりましたね。


最初は、利用者の方も「なぜ帰れないのか?」の理由が分からずに、不安定になったり、家のほうに電話をして漸く納得したりと、理解するのに時間を要しましたが、ここ最近は少々諦めの感じが出ています。(少し寂しい話ですが・・・)




せめて一泊でも・・・と思うのですが、なかなか施設側からは無理を言うことは出来ません。


入所以来、一度も帰れない方もいます。(中には、契約の際に帰宅期間はぜひ連れて帰ります!と約束され、それっきり・・の保護者の方もいます。) まあ、それぞれに事情もあると思いますが、施設に入ってしまえば、それっきり・・・みたいな感覚はちょっと疑問に感じますね。



せめて面会に来るとか、そういう気持ちも大切にして欲しいですね。



さて、期間中は職員も交代で休みをいただきますので、当然ながら職員数は少な目です。優先的に、最低2日おきには入浴をしようと、職員数を確保します。

また、残留される方も多くなり、期間中の宿直者(夜勤者も含め)も通常の人数になってきています。



期間中に何か楽しいことを・・・と考えるのですが、なかなかいいアイデアが浮かばないですね。DVDをみんなで観るとか、カラオケをするとか、ティータイムを設けて、コーヒーを飲むとか・・・。結局、普段の余暇活動の延長になります。



みなさんは、どういった過ごし方をされているのでしょうか?
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健康診断がありました。

2011年04月27日 | Weblog
例年、年度初めに行われていますが、今年も利用者さんの健康診断がありました。


レントゲン撮影・採血・心電図の3つを受けました。



全員受けるとなると、結構の時間を要するため、今年は朝早めに(9時過ぎ)始めて、少しお昼の食事の時間を遅らせて行いました。特に、レントゲン撮影はレントゲン車に乗り込み、上着を脱ぎ・・・と手間がかかるため、時間を要します。


去年は、相当時間を要して、結局何人かはお昼ご飯が遅れた方がいました。(そのため、今年は早めました)



なんとか、ちょうど昼12時すぎに全員終了し、みんなでお昼が食べられました。




利用者さんは、こういった健康診断を非常に嫌がる方がいます。

特に、注射器が嫌いな方(痛いのが嫌)は、採血を拒否し、また身体を横にして、棟に吸盤をつけてじっと待っていることが出来ない方は、心電図は困難で・・・、そして最後にレントゲン車・・・。  一度経験すると大丈夫の方もいれば、経験したことで、非常に拒否が強くなった方もいます。(多分、狭いレントゲン車や、器械に合わせて自分が動いたり、乗っている台が上下するのが怖い方ですね)



それでも、毎年同じことを繰り返していることで、徐々に慣れてこられて、以前ならば職員が動かないように手を持ったりしていたのが、普通に受けられるようになったり・・・、「へえー、随分落ち着いて出来るようになったなあ・・」と感心することもあります。


採血は、精神科の服薬をされている方ならば、そこで定期的に採血がされ、経験回数も多く、慣れるのも早いようです。


また心電図は、ただ怖いことをされるわけではなく、ただ横になっているだけなので、特に1,2名を除き、問題なく受けられています。


ただ、レントゲンだけは、何年たっても無理な方は無理なようで、今年も結局1名が撮れませんでした。




いつも思うのは、もう長い間レントゲン車を見ていますが、技術的には(外見的には分かりませんが・・)進歩してるのでしょうが、こうした利用者(障害者)に対する配慮された車がないことですね。これは、21世紀にもなって(もう30年以上も)変わっていないような気がします。

未だに、撮影するところに身体を密着させて、息を止めて・・・、なんて私が小さい頃から全然変わっていませんね。




それに、こうした知的障害者(特に重度の方)の人のことを考慮したり、一般の方でさえ、面倒な手順が必要なこうした器械は、なんとかならないものでしょうかね。(いい器械で受けるなら、病院へ・・・?って人数が・・・)



こうした、器械を怖がる方は、違った医療的な場面でも同様の拒否行為が見られますね。例えば、女子の方なら子宮癌検診(この器械も動くそうです)とか・・・




それでもこうした定期的な健康診断は必要だと思います。特に自分で身体の症状を訴えられない重度の方にとっては、有効ですね。


施設では年齢層の幅も大きく違い、18歳から80歳の方までおられます。年齢の高い方は出来るだけ、部屋朝礼等で体温や血圧チェックを行い、日々の健康を見守っています。今のところ、(持病を持っておられる方を除き)大きな病気で入院される方は、ほとんどいませんね。


まあ、ときどき転倒しての骨折とか、外傷(縫合が必要な)はたまに見られますが・・・




これからも十分に注意して、健康状態を観察していくことが大切ですね。

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新人職員さんが来ました。

2011年04月23日 | Weblog
自分自身が、この春に引越しをするので、少々ブログの更新が滞ってしまいました。(個人的な理由・・笑)



さて、新年度を迎えて、利用者の方は部屋替えも終わり、また気持ちを新たに取り組んでおられるようです。(ただ、男子のほうは、ほとんど変わらなかったので、一緒かも??)


昨年の暮れから、ブログにも書いていた通り、新人職員(嘱託)さんがなかなか見つからず、面接を繰り返していましたが、先日漸く決まりました。今週月曜日から来ていただいています。男子の若い方です。



ちょうど、この面接には、私は仕事の都合上出られずに、実際に来られるまで出会ってなかったので、逆に「どんな人なんだろう?」と期待感と不安感で今週を迎えました。


初日の月曜日は、たまたま私自身が宿直明けで、ゆっくり話も出来ず、仕事の説明も出来ませんでしたが、翌日はまず朝から居室の部屋朝礼に一緒に行き、いろいろな説明を・・・・



新人職員を迎えるのは、もう何度も行っていますが、毎回どこまで説明すればいいのか?とか、分かってもらえるのか?とか・・・考えながらも、一通りの説明をします。


まずは、利用者さんの名前を覚え(利用者さんの表を渡します)、名前と顔を一致させること、次にその人の特性やどのような行動をされるのか見ていくこと、仕事の流れを覚えること・・・等々。



いきなり、いろんなことを言われても、多分頭の中がパニックになるので、まずはひとつずつ・・・ですね。



部屋朝礼も、毎朝順番に入っていきます。(全部で男子は14あるので、大変かも?)


比較的、話が出来る利用者の方は、興味を持って話しかけたり、スムーズに受け入れたりもしてくれます。(これは実習生等でも一緒ですね)


ところが、重度の方は「こいつ誰だ?」みたいな感じで、髭剃りひとつするにしても、少々不安そうな表情を見せていました。まあ、それはしょうがないことですね。人間関係・信頼関係を作っていくのも、大事なことです。(まあ、これは先が長いですが・・・)



今回は、特に嘱託さんということで、宿直業務はないので、実際に入ってもらう業務は、作業関係とか入浴援助等ですね。



作業のほうも、順番に入っていき、徐々に覚えてもらっています。(覚えることがいっぱいです)


また、入浴援助についても、まずは職員の動きを見てもらって、把握してもらうことです。


今まで、まったく別の業種におられた方だと、ここは非常に難しい場面と思います。特に男子は、洗い場には一応裸になって一緒に入り援助することが多いからです。(常にそうではありませんが・・)


これには若干抵抗がある方もいるかも・・・  (確かに過去の新人職員には、ちょっと躊躇した方もいました)



もちろん、いきなり入っても、まだ利用者さんの名前もしっかり覚えていないので(特性も分からない)、援助の仕様が分かりませんね。でも、今のところ非常に関心を持って取り組んでおられるので、ある意味期待が持てます。



早く仕事内容や利用者さんの名前を覚えて、期待にこたえていただきたいですね。楽しみです。
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猿害2

2011年04月05日 | Weblog
以前に施設の裏山の「猿害」について書かせていただきましたが・・・・ 今回はもっとひどい状況に・・・



施設の裏山は広く、直接利用者の方の作業の場面として使っています。

施設開設当初は、栗の木がたくさんあって、栗の収穫や選別、出荷等様々な仕事が出来ました。重度の方もよく分かるほど、簡単に栗の実が拾えたくらいです。


また、木もたくさん茂っており、椎茸の栽培にはもってこいの場所もありました(これは今も使っている場所もあります)。



ところが、なかなか栗の木を中心に、世話が出来ずに、徐々に木も枯れ、今はほとんど大きな木もなく、椎茸の木を運ぶ場所になってきました(それはそれで、作業場面として役にたっていますが・・)。



せっかくの裏山を将来的に何かの役に立てようと、椎茸の原木になるクヌギや、様々な用途に使えそうな苗木を植えていこうということで、数年前から植林を行ってきました(千本以上です)。



もちろん、山ということで、様々な動物がいます。



そういった動物が、その苗木の根や本体を食べてしまったりもしました。(その度に電気の柵や、ネットを張ったりして防護策はとってきました) こうした動物は、基本的に自分自身の餌の確保(時季が決まっています)のためなので、まあある意味納得が出来ます。


主に鹿やイノシシですね。(畑も相当の被害にあいましたが・・・)




しかし、頭のいい「猿」は、餌のためだけではなく、遊び的な感覚で、その植えた苗を引っこ抜いてしまうのです。


おまけに、抜いた苗が、二度と使えないように、根っこを引き裂いてしまうのです。



3月の終わり頃に、職員総出(女子も含め)で植林をしました。



一抹の不安も感じながら・・・・


ところが予想は当たっていたようです。ほとんどの植林した苗は抜かれ、散々な結果に・・・


後で聞きましたが、この際一般道路沿いの野菜類も、相当被害があったらしいです。




この猿の集団は、当然地元も大きな被害を受けています。この周辺数キロをテリトリーにしているらしいです。当然、ハンター等も動いておられます。・・・が、効果はほとんど・・・



山に餌が全くないわけではなく、特にこの冬にひどい状況が見られたということでもありません。



つまり、猿は”遊べる”ほど贅沢になってきている感じですね。



怖いのは、施設の周辺ではなく、実際に利用者の方の居室のすぐそば数メートルまで来ることです。今のところ、利用者の方に直接的な被害はありませんが、今後それも分かりません。


そんな猿ですから、お菓子を食べていたら、盗られた・・・とか、引っ掻かれた・・・なんて事件も考えられます。


今、どうすればいいのか検討中ですが、作物にしろ山の利用にしろ、将来的には利用者の方が活用出来る状況作りなので、何もせずほっておくわけにはいきません。




猿は、人に近い姿をしているので、どうしても見かけで「かわいそう」とか判断される方もいるでしょうが、実際に生活の場を荒らしていかれると、そうも言ってられません。(以前は全くなかったんですから・・・)


猿の集団のほうが、いい餌場ということで、後に移り住んできたわけです。共存を・・・なんてきれいごとでは納得できないことでもあります。




なにかいい手立てはないものでしょうか?
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新年度が始まりました。

2011年04月03日 | Weblog
この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申しあげます。被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。


新年度になりました。



年末は、世の中でもまた施設内でもいろいろなことがありました。


職員どうしでも、今回の震災については考えることがいっぱいあります。

もしも、施設のある場所で、大震災があればどうなるのか?地震以外にも、水害もあります(この場所は、こちらの方が高い可能性があります)。特に、裏山の地質が柔らかい土壌なので、崩れる可能性は高いです。

実際に数年前に、土砂が施設のすぐ裏まで流れ込み、半分ほどの利用者に避難してもらったこともありました。(直接は台風による風雨が原因でしたが・・)


また、近くを流れる川が増水し、すぐそばに建つケアホームの方が避難したこともありました。



毎年、火災による避難訓練は定期的に行っていますが、地震の場合はどうするのか?という質問が職員から出てきました。

確かに、こちらのほうも備えること、いざというときのために準備しておくことが大切です。


どこへ逃げるのが最善か?まずしなければならないことは・・・?等々



前回の阪神大震災のときの教訓で、厨房関係では、最低限の期間の緊急食料は確保しています。また、職員の連絡網も確立しています。


火災の場合は、ある程度出火場所が確定できれば、そこから避難するという方法が取れますが、地震の場合はどういう状況で起こるか未知数です。これが一番怖いことで、全体が崩れる場合は、判断が難しいことになります。



利用者の中にも、今回の震災についていろいろな反応がありました。結構、TVを観ている方も多く、何が起こったんだ?という感じで驚いていました。

ただ、実際に自分たちのこととは別物感覚ではあるため、よくTV等で呼びかけられているような「節約」的な気持ちはなかなか起きないようです。



飲料水を中心に、水がない・・・ということが言われていても、その横で水道水をジャージャーと流しっぱなしにしたり、トイレットペーパーがない・・・と言われても、簡単に丸ごと流してしまったり・・・・  節電と言われても、TVや電気を点けっぱなしにしたり・・・・

こういう日常の状況は、変わらない訳です。



一般の方が見れば、なんて無駄なことを・・・と怒られそうです。



でも、さすがにある程度理解のある利用者の方は、「水がもったいないね」とか「電気点けっぱなしだね」というと、意識してくれるようになりました。



まだ、状況は落ち着きを取り戻していないため、ボランティア的な活動も先になると思いますが、職員の中にも何か行動出来ることがないか?と言っている人もいます。


いろいろなことを考えながら、変わらない日常を送っています。



でも、変わらないのが、今は一番なのかな?とも思います。



先日、震災地の施設の被害状況が資料として送られてきました。

特に、震災の被害に遭われた施設には、ぜひ頑張っていただきたいと願います。
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