知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

帰宅期間が始まりました。

2012年04月30日 | Weblog
昨日、ゴールデンウィークの帰宅期間が始まりました。


朝から利用者の方は、自分の保護者が来られるのが待ち遠しくて、玄関で待っています。

すでに荷物も用意し、着替えも済ませている方も・・・。



午前中は、施設の保護者会があるため、帰宅されない保護者の方も来寮されます。利用者の方は、自分の保護者が来られた、イコール帰宅出来る・・・と思ってしまうのか(当然?)、帰宅出来なくても、自分で着替えたり荷物を準備したりされます。気持ちは分かりますね。


お昼ごはんを食べて一緒に帰られる方、保護者の方の中には忙しい中来ていただいたのか、すぐに一緒に帰宅される方も・・。


また、夕方に来られる方・・・、等様々です。



以前から何度も書いていますが、年々保護者の方も高齢化し、また保護者自身が親族的な関係が薄れており、叔母・叔父またはもっと離れた親族・・という感じですね・・・等になると、帰宅も出来ない状況が出てきます。


そう、無理は言えません。保護者の方にも本来の生活があるのですから・・・




帰れると思って着替えをしたり、荷物を準備したりする利用者の方を見ていて、非常に寂しい気持ちになるのは、私だけでしょうか?


しかたありませんが・・・



最近は徐々にその傾向が強くなり、期間中全部帰宅出来ていた方が、突然全く帰宅出来なくなったり(保護者の都合だそうです)、数年間帰宅出来なかった方が、久しぶりに帰宅出来たり・・・といろいろです。



昨日も保護者の方と対応しましたが、仕事が忙しくて・・とか、一人で住んでいるので、十分なケアが出来ないし・・とか言われます。


そこで、私は説明するのですが、利用者の方本人も保護者の方の実情は分かっていると思われますが、せっかく来寮されたのですから、一緒にお昼ご飯を食べに行くとか、少しの間ドライブに出るとか・・・、そういった方法もありますね、と話すと、非常に納得され、じゃあこれからドライブに・・・と行かれました。(利用者の方も、非常に喜んで一緒に行かれました。)


長い施設生活(もしかして一生かも?)です。


身内の方がおられたら、本人としてはぜひ会いたいですね。(もう全く身内・親族の方がいない人も数名おられます)



そこで、いつも私は対応するときに保護者の方に説明するのは、帰宅期間の考え方について・・です。


1.期間中、普通に帰宅する。
2.期間中、1泊でも帰宅する。
3.期間中に限らず、保護者の方の家庭の状況によって帰宅する。
4.定期的に面会にくる。
5.昼間に来寮して、一緒に出掛ける。
6.同様に数時間だけドライブに出る。
等々・・・


これだけでも、利用者の方にとっては随分変わりますね。

最近は、4~6を利用される方が徐々に増えてきました。全くなかった以前のことと比べれば、いい傾向ですね。



特に(利用者の方が)高齢者の方は、全く面会にも来ず、全く連絡もなく・・・という保護者の方もおられます。


入所契約の際に、「いつでも帰宅させますよ」とか「帰宅期間は絶対に迎えに来ます」とか言われていた保護者の方に限って、全く・・という状況もあります。利用者の方に変な期待感を与えるのもどうかと・・・


無理なら無理でいいので、上のほうに書いた方法もあります。良いことだけ言ってそれまで・・みたいな感じは、利用者にとっても施設職員にとっても、信頼感が感じられないので、マイナスですね。


今後、高齢者の方なら、病気や怪我等で入院等のことも起こります。そういった際に、ちゃんと対応してくれるのだろうか?という一抹の不安が感じられることも・・・。(実際にそういった場面が増えてきています)


施設とその保護者との関係・・・難しいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花見に行きました。

2012年04月18日 | Weblog
今日は大変いい天気で、当初より予定していた花見に出かけました。


毎年、この時期には花見という名目で、利用者の方々と一緒に花見に出かけます。各作業班単位で行くことが多いのですが、重度の利用者の方については、合同で行くほうが職員数も確保でき、また人数も多くなるのでマイクロバスで出かけることも出来、これも同様に毎年行っています。


今日も重度の方が中心の作業班が合同で出かけました。4つの班が一緒ということで、職員も含め40名以上の人数です。マイクロバスだけでなく、普通の公用車も3台出しました。


・・と言っても、もう4月も中旬を過ぎ、桜の花も満開の時期を過ぎようとしています。施設より、少し北へ向かうと、ちょうど満開の場所がありました。


天気もよく、桜の木の下にシートを敷いて、それぞれで準備した飲み物やおやつを食べました。またいっぱい写真も撮りました。


重度の利用者の方も、こういった取り組みは大好きで、花見はともかくおやつが食べられること、ドライブに出かけられることが嬉しいのか、皆さん非常にいい表情をされています。



毎年、この時期の花見写真は、施設の広報誌の発行の際の表紙になることが多く、こぞって(担当職員が意識して)面白い、楽しい写真を撮ろうとしています。少しやらせ・・?っぽい写真もありますが、結構皆さんいい表情をされることが多く、いい写真も多いので、表紙にする写真選びは迷うことがありますね。



でも、桜の時期も短いですね。また来年・・・






さて、前回言ってましたが、居室班担当の交代について・・・


今回は男子のみでしたが、(女子は昨年暮れに一度行っています) 利用者の方の移動は少な目で(一部です)、担当者は全員交代しました。
基本的に、2年に一度行っていますが、以前は3年おきだったのを2年にしたのは、3年間になると、利用者と担当職員の間に、変な馴れ合いが生じてしまい、職員のほうにも意識の停滞が起き、新たな取り組みや改善を面倒になってしまう傾向が見られました。


そこで、職員側にも新たな意欲と意識を持ってもらうこと、また利用者の方にも様々な職員とのかかわりを持つ意味も考慮し、2年おきという交代時期を設定しました。



それが先日(約10日前)行った部屋替えでしたが、非常に気持ちも新たに取り組めています。



それぞれの職員にも個性があり、自分なりの考えもありで、利用者の方に対するかかわり方も変わってきます。もちろん、昨年度まで取り組んできたよいことは継続し、問題点は検討し、新たな取り組みで始めていきます。


職員自身も面白く仕事出来ているようです。


次の職員に引き継ぐ際にも、しっかりした説明も求められ、手を抜くことが出来ないような意識が出来ますね。



まだ10日・・ということで、まだまだ様子観察の時期ですが、今後が楽しみです。


※利用者の方にも、今まで担当をしてもらっていない職員を、出来るだけ配置しているので、新鮮なイメージもあるようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

工事関係者の方と利用者の方・・・

2012年04月13日 | Weblog
新年度になりました。


昨年度の総括・・・ということで、各職員は連日まとめで遅くまで残って、パソコンと向かい合っています。



各居室班の利用者の1年間の支援計画のまとめに始まり、各作業班での個々のまとめ、業務関係や行事のまとめ・・・等々、ほんと大変な時期です。


今年は早くから、居室班の担当者の入れ替えも行いました。(また、この件は後日・・)




今日は、タイトルにもあるように、現在施設の改修工事が行われておりまして、もう5か月目に入りますが、思うように進まず、予定を2か月以上オーバーしてという状態です。最近では、ようやく女子の浴室の改修工事(相当広くなりました)が終わり、いよいよ来週から男子の浴室工事が始まります。その工事関係者と利用者の関係が意外な状態に・・・



日曜日はほとんど工事はないのですが、平日は連日、工事関係者の方が来られて、施設内のいろいろなところで作業をされています。そのため、最初は利用者の方もとまどいやよそよそしさも見られましたが、最近では職員を介さずとも親しくお話をされています。(これもある意味交流なのかな・・と思いますね)


おそらく、当初は工事関係者の方も、知的障害者施設なんて、ほとんど知らなかったと思います。ましてや中で生活されている方が、どんな方でどんな状況なのか・・・なんて想像出来なかったでしょう。


毎日会って、見ているうちに、特にそんな特別変わった雰囲気でもなく、却って面白いなあ・・・感覚が出てきたのか?工事関係者の方から積極的に話しかけておられる姿を見ます。


特に、最初「工事の方が来られたり」「大きな音が嫌」だったため、大きな声で拒否反応を示していた利用者の方も、(まだ少し反応はされていますが・・)逆に工事の方の中では有名になり、人気者になっています。一番最初に名前を覚えていただいたようで、「○○くん、元気か?」「○○くん、今日は静かだね!?」「○○くんなら、あっちにいるよ・・」なんて、注目の的に・・・。



面白いものですね。



先日など、たまたまその有名な利用者の方が、ラジカセでカラオケをされていたときに、反対側の窓から工事関係者の方が(作業の手を止めて)みんな興味深くのぞいておられて、すごい人気もんなんだなあ・・・と感心しました。


また、先ほどあったように、居室の班担当者(職員)の変更を掲示板に貼ってあるのですが、それを見て、「どこの班になった?」とか「担当の先生は・・?」とか、利用者の方と話されている姿も見ます。



意外に、毎回一般の方に知的障害者のことや、施設のことを理解してもらうのに、様々な方法を模索して取り組んでいますが、こういうパターンの理解の仕方もあるんだなあ・・・と思いました。


つまり、百聞は一見にしかず・・とも言いますが、実際に会って接することで理解するのが一番なんだな・・・と。



そういえば、年間通して交流を行っている地元小学校(小学生)などは、その学校の教師以上に接し方が自然ですね。(いつも私は年度初めに言っているのですが、まず教師の方が施設を見学されて、ある程度理解されてから・・・と思うのですが、まあお忙しいようで、なかなかですね。今年は意欲的に見学の話がでていましたね。よい傾向です。)



世間でも、なんか知的障害者のことを理解しているような発言をされる、様々な業界の方もいますが、実際にどれだけ接して理解されているのか、非常に疑問に思います。保護者の方ならともかく、1,2回出会って、接触して、施設見学をして、理解したようなことを書いておられる業界のかたもいますが、よほど今、工事で施設に来られている方々のほうが理解があるのでは・・・と感じます。



工事は、おそらく6月の中旬まで続くと思いますが、逆にこういう機会も大切にしていきたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする