知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

職員の仕事への意識

2010年05月30日 | Weblog
今回は職員の話を・・・


毎日、職員(支援員)には、多くの仕事が待っています。もちろん、主な仕事は利用者の支援なんですが、それに付随する様々な仕事があります。


直接的な支援以外では、会議の記録、公用車の管理、日用品や学用品の管理・補充、倉庫管理(廃棄物やごみ等)、用工具管理、視聴覚関係、消防・防火関係、その他営繕や広報誌の編集に至るまで、毎年各分野に数名ずつの職員が適材適所に動いています。


利用者に関わるものでも、医務的な業務、寝具(主にシーツ)の管理、娯楽用品の管理・購入等まで、行っています。



それぞれが、複数の人数で行っているため、お互いが連絡を取り合って、適時業務時間内で行えるよう配慮しながら、取り組んでいます。


ところが、一番利用者に関わる部分での、「宿直・夜勤」の仕事なんですが、あくまでも個々の行動が主になり、それぞれが互いの行動に多くは干渉することなく、業務として考えられることを各自考え行っています。

基本的には、年度当初に各利用者の方に合った援助方法もあり、結構細かい部分まで皆で検討して取り組みます。



ただ、夜間のことでもあり、それぞれの仕事内容を、管理職がいちいち点検するわけでもなく(それはうっとうしいかも?)、各自の判断に任される場合も多いですね。(もちろん、基本通りに行うのが本当ですが・・・)



翌日に、気がつく場面もあったり、お互いに注意する場面もあったりですが、気を抜くことなく、常に取り組んでいます。


ところが、人間ときどき気が抜けるというか、別のことで頭がいっぱいになったり、考え事をしていたり・・、また思い込みがあったり、判断ミスも含めて、失敗も必ず起こります。



特に、宿直・夜勤業務の中で、一番気を付けなければならないことは、利用者の方への服薬です。


まだ、一般の方のように、市販薬(頭痛薬や腹痛薬、また塗り薬等)のようなものならば、それほど大きな影響もありません。

しかし、こうした知的障害者の施設では、精神安定を図るために、様々な精神薬を服用しています。一般では、処方されないことが多く、専門の精神科のドクターからの処方になっています。


そのため、内容やその量は各対象の利用者により、大きく違いがあり、間違いがあっては絶対に駄目なものです。


特にこうした精神薬は、副作用が見られるものもあり、また複数服用している方になると、その相互作用にも気をつけなければなりません。


年度当初には、専属の看護師がその点を十分に注意して下さい・・・と念を押しています。



しかし・・・


人間、過ちはあるものなのか??服薬を間違えることがあるんです。

年度の中では、数回見られますが、なぜか今年度は始まってからまだ2ヶ月ほどなのに、すでに数件見られました。(同じ職員であることも多いですが・・)



これは、気持ちの持ちよう・・というか、仕事の真剣度?なのかな・・と思います。そう一番、真剣に取り組むべき場面ですね、服薬は・・・。



もちろん、間違った場合は正直に報告し、まず専属の看護師に状態を伝え、対応方法を指示してもらいます。また、こういった行為に対しては、厳粛に反省の意識を持って、報告書を書いてもらいます。



仕事は大変だね・・・と、よく人から言われますが、肝心の部分をしっかり守って取り組めば、それほど大変とも思いますせん。結局、それぞれの意識の違いなのでしょうか?



また、この件については、別の機会に報告したいと思います。
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今年度の支援計画をたてています。

2010年05月25日 | Weblog
毎年、この時期には、その年(年度)の利用者の方の支援計画をたてます。


今年は4月に部屋の編成も決まり、比較的早くから活動が始まりました。そのため、各部屋班の担当職員も、それぞれの受け持つ利用者の方の状況が見えるようになり、支援のための計画もたてやすくなっていると思います。



昨年度のまとめもあり、それを元に課題が残る方は、引き続き同じ目標や支援を行い、またある程度達成出来た方には、新たな目標設定を行います。


年齢を重ね、なかなかその目標では無理があるなあ・・・と思われた場合は、新たにその人にあった目標を立て直します。



この支援計画は、今月いっぱいが締め切りなんですが、あと少しなので、連日皆さん職員さんは、ノートパソコンに向かって、カチカチとキーを打っています。(一応全員、パソコンで作ります)


そして、各直接の上司(主任)にOKをもらってから、部長や施設長にも見てもらい、最終的には次回の帰宅の日に、保護者の方に直接説明をし、確認(印)をもらって、今年の支援計画の始動です(まあ、実際にはすでにOKの段階で始動していますが・・・。やはり保護者の確認は大切ですね。)


ほとんどの保護者の方は、これでよろしくお願いします・・・というのが多いのですが、中には「ん・・・ちょっとそれでは・・」とチェックされる方もおられます。

その際は、十分に話し合い、理解を得て、お互いの納得のいく支援目標に設定しなおします。(そのため、職員だけで通じるような専門用語や表現、また言い回し等は避け、分かりやすい言い方にして、理解を得るように書いています。)



実際に目標設定を行ってから、保護者に説明するまで3ヶ月ほどあるため、(ある程度目標について理解が出来る)利用者の方には、すでに説明を行っているため、大きな変更は出来ないですが・・・。



先日からお話ししている作業班についても、各利用者の方の支援目標をたてています。こちらは、作業班が始動したのが5月に入ってからだったため、目標の締め切りはもう少し先の6月中旬になります。


こうして各職員は、利用者の方の課題を踏まえて、様々な取り組みを行います。



さあ、いい支援目標ができたでしょうか?
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1週間がたちました。

2010年05月16日 | Weblog
作業の新しいグループでの活動も、ちょうど1週間がたち、その様子を・・・


各グループ共、メンバーに変化のあったのは半数の人数ですが、それぞれが新しい班に慣れようと頑張っています。また、担当職員も早く慣れてもらうように、いろいろな取り組みをしています。

まずは、作業開始時に集合場所へ来るのが、ようやく分かってきましたが、まだ元の集合場所へ行く人もいます。パターン化された状態が長かったので、余計に変化に対して対応が難しくなります。


混乱するなら、元のグループで・・・と思われる方もいるでしょうが、まだ若くてこれからもっと様々な経験を重ねて、また技術向上等身に付けていけることも、たくさんあります。これがもう60歳を超えた高齢者なら、のんびりすればいいと思いますが、新たな(より以前よりレベルの高い)グループで経験することは、重要と考えます。



中には、早く新しいグループにとけこんで、職員共一緒に取り組める方もいます。



まあ、今回は特に変化(異動)が大きかったこともありますが、通常は同じグループで取り組むことも多いです。(全然変化のなかったグループもあります)


職員のほうは、新人が来られたり、退職されたり・・と異動もよくありますが、利用者の方は、出来るだけ同じ状況で生活できるよう心がけていますが、あまり同じ状況ばかりでは、やはり馴れ合いもあり、新しい経験も少なくなります。



実際に状況が落ち着くのは1ヶ月ほどかかるとは思いますが、その頃には過去のことなんか忘れているかもしれません。



各グループ共、メンバーも新しくなり、取り組み内容にも変化が出てきました。何か新しい取り組みが始まりそうです。期待感、大です。
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新しい作業メンバーで・・・

2010年05月11日 | Weblog
施設では、日中はそれぞれの利用者の方のレベルや特性に応じた作業を取り組んでいます。


施設内外の様々な環境を活用して、畑の野菜作りや椎茸の栽培、またそれに準じた作業に取り組んでいます。さらには、屋内では企業の下請け的な仕事にも取り組みます。

また、雨天時やあまりに暑い日や逆に寒い日等、天候に合わせた内容もあり、日中活動を有意義な時間として過ごせるように考えています。


それに付随して、作業班単位で生活面の支援(歯磨きや衣類の着脱、また掃除等)も行っています。



今年度は、大幅なメンバーの改編がありました。

それは、体力的な部分や精神的な部分、また健康上特に支援が必要になった方が増え、今までの状況の中では対応が難しくなってきたこともあります。


まあ、具体的には体力面の衰え(歩行が困難・移動に職員の援助が必要等)や身体的な問題(身体のバランスが崩れており、屋外作業に危険が伴う方等)、健康上常に支援(観察)が必要な方(発作回数が頻繁であり、常時観察が必要な方・その他健康上、屋外での活動を制限されている方等)が出てきたこともあります。


今までは、各所属の作業班でなんとか個々の対応をしてきたり、屋内の作業に取り組んできましたが、人数も増え、新たにそういった面を重点的に見られる班を作りました。


そのため、特に重度の方のグループ(班)が数班ありましたが、一度解体して基本的な内容を考え、それぞれの特性にあったグループに編成し直しました。


それが今日10日からスタートしました。



残念ながら、初日は雨天で、すべてのグループが屋内での作業になりましたが、それでも先月まで一緒にやっていた人と違ったところへ行ったり、集合場所が変わったり、取り組む場所も変わったり・・・と、利用者の方にとっては大きな変化です。


利用者の皆さんは、最初は非常にとまどいを見せながら、ここはどういうグループなんだろう?職員はちゃんとみてくれるんだろうか?等々・・・それぞれが様子観察状態で、かえって混乱して精神的に不安定になるのではなく、期待感で非常に静かな一日目を終えました。



普段から合同で行うこともあり、また全然知らないメンバーや職員というわけでもありません。皆さん、環境の変化にも徐々に対応が早くなってきたようで、職員側としても、非常に安心してみていられます。



さあ、これから数年間はこの新しいメンバーで取り組むことになるため、気分も新たにやっていきたいですね。また、その報告も入れていきます。」
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皆さん、お帰りなさい。

2010年05月10日 | Weblog
今日9日は、帰宅期間終了ということで、帰宅されていた方が帰寮される日でした。


ただ、今回の帰宅期間は通常より長めにとっていたので、すでに多くの方が帰寮されており、今日帰ってこられた方は、全部で15名程度と少なかったですね。


そのため、いつものようなざわざわした雰囲気もなく、通常の日曜日の感覚で過ごされていました。


帰寮された方は、保護者との(また次の帰宅までの期間)しばしの別れを悲しんだり、他の利用者と久々に出会えた喜びを表したり、様々でした。


面白い方では、毎回帰宅中にいろんなところへ行き、たくさんのパンフレットや資料を持ち帰られる方(今回は旅行社へ行かれたようで、数十の旅行のパンフレットを持っていました・・・次回の秋の旅行を勝手に?計画されていたようです)、衣類を多量に持ち帰り、その片付けに苦労されている方、新しい携帯電話(実際は使用できない中古のもの)を持ち帰り、ずっと楽しんでおられる方・・・等、それぞれの様子を見ていて、さぞ帰宅中は面白かったんだろうなあ・・と想像してしまいます。


いろいろ持ち帰られた方の部屋には、寮内で仲の良い方がさっそく集まられ、一緒に見たり話をしたりと、楽しそうでした。

また、保護者からの手紙を見せてくださる方もいて、保護者の気持ちが感じられる部分でした。



幸い、今回は長い帰宅期間にもかかわらず、大きな事件や事故もなく、無事終了したことで、ホッとしています。(帰宅中は転倒事故や、本人の精神的な不安定さで早々に帰寮される方もいて、落ち着かないことも多いです。)



明日からは、また通常の生活に戻ります。職員も久々に顔を合わせ、いつもの施設の雰囲気になることでしょう。
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帰宅日・・・保護者の方と・・・

2010年05月02日 | Weblog
前回の話の余談です。


29日に多くの保護者の方が、利用者のお迎えに来られました。この日は、朝10時半から、「保護者会」という保護者の連絡会が行われます。主にそれに出席される方も多く、年に3回の帰宅期間ということで、保護者の方どうしでの会話もはずむようです。



さて、職員の方はというと、ちょうど2週間前に部屋班の担当者の移動があり(主に男子)、新しい担当者と保護者の方との、初対面になります。

普段も、利用者の方に何かあれば(例えば、怪我があった・・とか、投薬の変更があった・・とか、その他の連絡等)電話連絡はしています。ただ、顔合わせはしていないので、保護者の方も、顔を見ると安心されますね。


帰宅の前に、担当者から各利用者の方の現在の様子を説明し、また帰宅中に記録を取ってもらうように記録用の日誌を渡したり、施設の事業計画書や広報誌や配布物を渡し、最後に利用者の方本人の薬や保険証・受診証・療育手帳等を保護者に預けます。

次回の帰寮の日時を確かめた後、玄関から見送ります。



この施設の場所は、少々JRの駅よりは離れているため、マイクロバスで送るようにしています。(自家用車やタクシーを利用して、来られる方が多いですが・・・)



こうして、一人二人と帰宅されます。施設は、だんだん残留者のみになって、静かにそしてちょっと寂しくなりますね。


まあ、帰宅日の様子はこんな感じです。



つぎに保護者の方と出会うのは、夏の帰宅期間ですね。

次回は、各利用者の方の支援目標の説明も待っているので大変ですが、それまでは安心してお任せ下さい(・・・と言いたいですね)。
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