カトリック教徒にいい印象を持たないと書きましたが、アフガンで灌漑事業に献身した中村哲氏はクリスチャン。多分カトリック教徒。真摯に生きた人生だと思うが宗教には偽善者が自身のありようを神を隠れ蓑にして利用している場合が多い。第三者はだいたいそれを見抜くけれどね。
家に内村鑑三に関する本が数冊あるのでそれを読んでいる。私の母方の祖父はクリスチャンで内村鑑三を尊敬していたと母から聞いている。
内村は「無教会主義」を唱えた。つまりアメリカの教会関係の影響から独立し、教会内に上下関係を持ち込まない。「神の前の平等」だ。これに感銘を受け、そのような生き方を実践した人々を『内村鑑三の末裔たち』と題して稲垣真美氏がまとめた。1976年出版の朝日選書だ。末裔たちの一番の苦闘は戦時中の在り方だった。非戦・反戦を貫いた人々の軌跡が語られる。
神を語る宗教者にとって一番の試金石は戦争への向き合い方だと思う。「聖戦」を唱える者は一番の偽善者だと肝に銘じたい。
しかし子供達を洗脳すれば「聖戦」は可能になる。日本だけではない。ドイツでもまた少年・少女達はナチス党の煽動に熱狂した。
だから人々を支配する側は教育に目を付ける。相対的な目を養うことは永遠の課題だ。