天智天皇10年(671年)1月2日、天智天皇は大友皇子を太政大臣に任命し、左大臣、右大臣と御史大夫を付けた。
太政大臣は国政を総覧する官職で、その職務は大海人皇子が果たしてきた仕事と重なる。
『日本書紀』にはこの直後に東宮太皇弟が冠位・法度のことを施行させたと記すが、「或本に云わく」として大友皇子がしたとも注記する。また、『懐風藻』によれば大友皇子が太政大臣になったのは5年前になる[18]。
多くの歴史学者は書紀の或本のほうを採るか、この記事を天智天皇3年(664年)2月9日の冠位26階制の重出と見る[19]。
しかし、大海人皇子は朝廷から疎外されていたともいわれ[20]、その理由は、天智天皇に大友皇子をして皇位を継がせる意図があったためと言われる[21]。
…続く。
2012/5/27、三井寺にて。(C)芥川賢治
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