以下は月刊誌WiLL2月号の特集、押し寄せる中国の危険〈チャイナリスク〉に、習近平の夢は日本屈服、と題して掲載されている、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之と世界有数の東洋史学者である宮脇淳子の対談特集からである。
習近平の夢は日本屈伏
フビライ、スターリンも果たせなかった偉業を達成したい野心に満ちている
中韓の贖罪戦法
宮脇
江沢民の実父・江世俊は、日本の傀儡政権であった汪兆銘率いる南京政府のスパイ機関に勤務していたことが周知の事実です。
つまり、親日派だった。
高山
江沢民が国家主席になれた理由も実はそこにあるように思う。
中国は天安門事件で国際的信用を失った中、誑（たら）し込めるのは日本だけ。
そこで日本語を使い、南京中央大学で日本語の授業を受けていた江沢民に白羽の矢が立った。
江沢民は酔っぱらうと「炭坑節」をよく歌い踊ったそうです。
宮脇
駐日中国大使を三年間務めた後、今はもうちょっと出世し、外交部長になった王毅だって日本通だとか、親日派だとか日本側は初め期待したけど、その人脈を使って日本をコントロールしようとしたでしょう。
高山
江沢民は1990年、副首相の呉学謙を日本に派遣した。
それ以前に、教科書検定で朝日新聞が「侵略を進出に書き換えさせた」というフェイクニュースを流し、呉学謙はそれに便乗して日本を脅しにやってきた男だった。
どう日本人を操縦するか知っていた。
彼はまず外務省の谷野作太郎を抱き込み、朝日新聞が宣撫工作を担当したと言われた。
谷野は中国語研修を受けた典型的なチャイナ・スクール外交官で、彼の内部操作で天皇・皇后両陛下の訪中を決めた。
すべて内密工作だった。
宮脇
江沢民は日本を利用して国際的信用を回復すると、次の一手として反日教育を推進しました。
高山
旧統一教会の教祖、文鮮明のやり方を研究したのではないか。
日本に贖罪意識を背負わせれば、いくらでもカネが引き出せるのを実演していた。
1991年、文鮮明は金日成と手を組み、反日に転じた。
36年にわたる日帝支配を非難し、日本のことを「悪魔」と言い、その服罪をすべきだという手法だった。
日本人はころりと騙され、女性の中には朝日新聞の慰安婦の悲劇を知らされ、自ら韓国人の性奴隷になるべく、合同結婚式に出ていった者もいた。
朝日は文鮮明とどこかで示し合わせていたようにタイミングよく植村隆に元売春婦の金学順を狂言回しにして記事を書かせ、従軍慰安婦問題を沸騰させた。
吉田清治が済州島を舞台にして捏造した慰安婦拉致が、ソウルでもあったというスピンオフものだ。
追いかけるように中大の吉見義明の「従軍慰安婦に軍が関与」を１面トップでやった。
後に「朝鮮人女性20万人が性奴隷に」というストーリーがっくられ、日本政府の対韓謝罪外交が始まった。
相当のカネが韓国に流れている。
宮脇
その後の河野談話、村山談話で、政府も慰安婦問題を認めた格好になっています。
高山
その二本の談話をつくったのが谷野作太郎。
ホントに日本にとっての大罪人ですよ。
そういう日本政府やメディアの慰安婦問題に対する扱いを見て、これは使えると江沢民なら思うでしょう。
南京問題や靖國神社参拝を持ち出し、日本からカネをせびるようになった。
そこから「江沢民文選」にあるように「日本軍は残忍で満洲事変以来、中国大陸で3500万人を殺した。それを忘れないように日本には歴史を常に語り続けなければならない」という贖罪戦法を取り、ＯＤＡ（政府開発援助）と称して約３兆6600億円も拠出させている。
1997年、江沢民はクリントン大統領と会談するとき、わざわざハワイに立ち寄った。
真珠湾で献花をし、「日本は米中共通の敵」と宣言もしている。
宮脇
江沢民の反日的な戦略に対して、当の日本人はなんら抵抗を示していません。
むしろ江沢民と組んだほうが利すると判断したように思います。
この稿続く。
