文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

この情熱と素晴らしい人柄が日本を今の地位に引き上げる原動力であったと思う。

2022年08月21日 17時08分44秒 | 全般

以下は8/20産経新聞の連載コラム、喪失課題、安倍元首相と日本、に掲載された御手洗富士夫・キャノン会長兼社長CEOへのインタビュー記事からである。
*見出し以外の黒字強調と*以下の注は私。
日本浮上の原動力が失われた
安倍晋三元首相は憲法を改正し、日本を自ら国を守ることができる国に、そして国民が自信と誇りを持てる国にするという大きな夢をお持ちだった。
私もその考えに賛同するところが多く、また、日本の将来について幾度となく意見を交換してきただけに、突然の悲報に目の前が真っ暗になるような気持ちになった。
私が経団連会長に就任した平成18年5月当時、日本経済は長期間のデフレにより停滞していた。
そこで経団連として政策をまとめて「希望の国、日本」という長期計画を立てた。
9月に首相に就任された安倍さんも「美しい国、日本」をスローガンに掲げられたが、そこに描かれた日本の将来像に共感し、感動したことを覚えている。
特に第1次内閣の終わりから第2次内閣が始まるまでの約5年間は、ゴルフをはじめ公私にわたり数多くお会いしてきたが、安倍さんはその間に経済政策、国内外の政治情勢や歴史などについて大変勉強されているようであった。
それらをベースに第2次内閣以降、着々と政策を実行されていった。
経済界からみた大きな業績の一つは、異次元の金融緩和などにより、それまでの経済停滞を見事に断ち切った「アべノミクス」と呼ばれた経済政策であろう。
1万円を割ることもあった日経平均株価は2万円を超え、1㌦=七十数円を記録した異常ともいえる円高が修正された。
完全失業率(年平均)が平成30年には2.4%と26年ぶりの低水準となり、有効求人倍率も28年に初めて全都道府県で1倍を上回るなど日本経済は立ち直った。
安倍政権には賛否両論あるだろうが、消費税を2回上げながらも国政選挙で政権奪取時も含め6連勝と支持を得続けたのは、国民の絶対的な信頼があった何よりの証拠ではないか。
国際政治の場で日本のプレゼンスを引き上げたことも素晴らしい業績である。
日本の戦後外交は米国との関係に軸足が置かれてきたが、安倍さんは「地球儀を俯瞰する外交」を標榜され、国の大小にかかわらず交流を重ねてこられた。
それでいて、トランプ前米大統領の“相談役”となるほどの信頼を得て、日米関係もより強固なものとした。

いうなれば「異次元の外交」で世界のリーダーの一人になった。 
中東諸国、アジア諸国などの歴訪に際して経団連として同行したが、安倍さんが「各国とともに発展しよう」という思いを情熱を込めて語り、歓迎される様子を目の当たりにした。
外交の場では想定外のことがしばしば起こるが、どのような時でもにこやかに悠々と構えておられた。
この情熱と素晴らしい人柄が日本を今の地位に引き上げる原動力であったと思う。

*御手洗氏の安倍晋三像が正鵠を射ている事は歴然たる事実である。
にも拘らず、NHKの報道部を支配している氏素性が怪しいだけではなく、日本を貶める以外の思想は持っていないと言っても過言ではない人間達が、安倍さんの在任期間中、彼らが頻繁に行った世論調査の最初の項目に「首相の人柄が信用できない」等と言う噴飯物の項目を立てて、世論を反安倍に誘導し続けた事は歴然たる事実である。
この、これ以上ない卑劣な行為を安倍さんの在任中、ずっと続けたNHKの報道番組を山上徹也は無数に視聴していたはずである。
つまり、NHKこそが、朝日新聞等と並ぶ、安倍さん暗殺事件の真犯人なのだと言い続けている私の論説は正鵠を射ているのである。*

日本は憲法改正、経済再活性化のための先端技術投資、行政のデジタル化など課題は多い。
ロシアのウクライナ侵攻などもあって政治・経済はいずれも混迷を極め、世界は不確実性を増しており、このような時に世界のリーダーである安倍さんが亡くなったことは国家的な損失である。    
(聞き手 高久清史)



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