心外革命
支那人(漢人)が満洲民族の清朝を倒した辛亥革命について支那研究家の宮崎正弘は「心外革命と表記すべきだ」と言う。
あれは確かに変な革命だった。
だいたい革命指導者と称する孫文は日本人にカネと女をたかって遊び歩き、米国には「日本を牽制しろ」と指嗾した。
むしろ紅幇青幇とか犯罪集団の方が「滅満興漢」を真正面から訴えていた。
なぜ支那人は満洲人の清朝を嫌うのか。
清朝は支那人を支配したほか、モンゴルもウイグルもチベットも制圧した。
ただ支那人以外の国とは対等に接し、彼らの文化を尊重し、熱河には彼らを接遇する離宮も建てた。
そこにはチベットのポタラ宮そっくりの宮殿も建て、またモンゴル首脳とは一緒に狩を楽しむ木蘭(ムーラン)猟場まで用意した。
支那人だけはその埒外で、清朝は彼らを蔑視し、漢字も認めず、公文書の類は満洲文字で書かせた。
清朝は支那に咲いた文化は外来民族がもたらしたもので、支那には纒足とか宦官とか碌な文化がないことを知っていた。
清朝はまた外来王朝の奴隷にされてきた支那人の性格が歪み切っていることも知っていた。
それで支那人をその他民族と峻別し、支配階級の満洲人との通婚も禁じた。
清朝の後宮にも支那の女は入れなかった。
建国時の米国は黒人を人とも認めず、婚姻はおろか性交すら犯罪として処断してきたが、清朝の支那人への対応はそれに似ていた。
因みに外来民族と支那人が同居した五胡十六国時代、悪さをすると「まるで漢人みたい」という意味で「悪漢、痴漢、無頼漢などの言葉が生まれた」(須山卓・長崎大名誉教授)という。
しかし支那人には自省する能力もない。
逆に自分の’国で外来民族に奴隷扱いされることにひたすら不満を募らせていた。 辛亥革命前夜はそんな空気が漲り、武漢の治安部隊を率いる黎元洪(れいげんこう)は滅満興漢を唱える者を捕まえては次々処刑していた。
その晩も何人かを処刑したあと、武昌の火薬庫で大爆発が起きた。
宮崎説では兵士が火薬の樽を落とした偶発的な爆発だったそうだが、いい加減な支那人はそれを革命派の蜂起と思った。
清朝側の黎元洪もそう思った。
ただ彼は鎮圧に乗り出さず、我が身が危ないと身を隠してしまった。
軍が出てこなければ革命派は増長する。
武漢の満洲人の邸宅が襲われ、略奪と強姦が始まった。
英王立国際問題研のビル・ヘイトンは「その夜だけで満人500人が殺された」(『中国という捏造』)という。
夜が明けると満洲大殺戮は各都市に飛び火した。
「西安では1万人の満洲大が殺された」「纒足をしない女は満洲女と見做されて犯され、殺された」(同)
その他、福州、杭州、南京などでも万単位で満洲人が虐殺された。
そんな中、隠れていた黎元洪が捕まった。
革命同志を処刑しまくった男だ。
革命の血祭りにあげるかと思ったら違った。
彼を革命派の総統に祀り上げたのだ。
孫文は不在だし、名の知られた支那人は黎元洪しかいなかったからだ。
「心外革命」たるゆえんだ。
かくて清朝は斃れ、ずっと奴隷だった支那人が政権の座に就いた。
そして彼ららしい大ペテンが始まる。
孫文が持ち出した「満洲王朝の版図(満蒙回蔵)は我々支那人が引き継ぐ」とする五族共和論だ。
その理由が凄い。
「文明化された知識ある漢民族には、より劣った満蒙回蔵を未開から文明に導く崇高な義務がある」というのだ。
ダーウィンの進化論をもじった作り話だが、世界は支那人が文明人でもなく、ひたすら残忍な存在であることを進行中の革命騒ぎで知ったばかりだ。
しかし国際事情がその嘘を許した。
支那市場を欲しがる米国が語らせたスティムソン・ドクトリンだ。
そして今の満蒙回蔵の悲劇を生み出した。
過ちを改め、支那を長城の内側に閉じ込めることが今、文明人に求められる。
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