文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

再投稿!そんなことはないと信じるが、もし、日本が本当に「下り坂」を向かうことになったとすれば、

2024年11月07日 17時47分07秒 | 全般

2019/10/29
以下は前章の続きである。
どちらが「知的に不誠実」か 
朝日はまた、第一次安倍晋三内閣当時の平成19年3月にも、河野氏の言葉を引用して「従軍慰安婦『おわび』見直す声」「河野議長『知的に不誠実』」という見出しの記事を掲載している。 
記事は、河野氏がアジア女性基金(理事長・村山元首相)のインタビューに対し、慰安婦の募集に政府が直接関与した資料が確認されていないことを踏まえたうえで「だから従軍慰安婦自体がなかったと言わんばかりの議論をするのは知的に誠実ではない」と語っていたと報じたものである。 
当時、これを読んで心底呆れたのを思い出す。
まず、「従軍慰安婦」という言葉は戦後の造語でそういう名称はなかったという人はいても、「慰安婦」自体がいなかったなどという議論がどこにあったというのか。 
それを「我が意を得たり」とばかりに報じる朝日は、どういうつもりなのか。
「慰安婦は強制連行ではないという主張」を、「慰安婦の存在自体を否定する妄言」へとすり替えて、貶めようという意図があらわだった。 
この記事は、河野氏が河野談話の前提となった元慰安婦16人の聞き取り調査について、こう振り返ったとも書いている。
「明らかに厳しい目にあった人でなければできないような状況説明が次から次へと出てくる」 
さて、「知的に誠実」ではなく「史実に正確」でもないのは河野氏の方か、官憲による慰安婦強制連行は史実ではないと主張する陣営の方か。
それは明らかに河野氏の方であり、河野氏と一体化し、河野氏は無謬であるかのような報道を続ける朝日の方である。
河野氏の言葉は、天に唾する類のものである。 
ともあれ、前述の吉田清治氏の虚偽証言について、河野氏と親しかった朝日の若宮氏は著書で、誰とは名指しばしない形でこう記している。 
「朝日新聞もこれ(慰安婦問題)を熱心に報じた時期があった。中には力ずくの『慰安婦狩り』を実際に行ったという日本の元軍人の話を信じて、確認のとれぬまま記事にするような勇み足もあった」 
実は、この文章も知的に誠実ではない。
そもそも吉田氏は軍人ではなく、若宮氏は初歩的・基本的なところから間違っている。
また、勇み足とは「やりすぎの失敗」を意味するが、朝日の慰安婦報道が引き起こした事態は、そんな軽い言葉で言い表せるものではないのではないか。 
河野氏は3月5日付の朝日のインタビュー記事で、日本の次の時代を一言で表すよう求められ、こう答えている。
「『坂道』でしょうか。無責任な言い方をすれば、次の時代は『下り坂』かも知れないけど、それでは身もふたもないから坂道。石ころだらけの厳しい上り坂を、足元を確かめながら上っていけるのかどうか」 
宣房長官や外相、自民党総裁に衆院議長まで務め、政治の中枢で日本の進路を左右してきた政治家として、本人も認める通り無責任極まりない。 
そんなことはないと信じるが、もし、日本が本当に「下り坂」を向かうことになったとすれば、その責任の一端は日本を毀損し続けた河野氏や朝日にあるはずである。
彼らが、どれだけ事実を突きっけられて厳しい批判を受けようと、決して自分が悪いとは思わず非も認めず、人ごとのように受け流していることが悲しく残念である。


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