以下は26日に発売された月刊誌WiLLに掲載されている「オールドメディア散策」と題して初登場したコラムからである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
朝日の熟議ってこんなもの 難波夕陽
熟議、熟議、熟議―。新聞にこの文字がぎょうさん踊っとるわ。
一月に通常国会が開幕すると、どの新聞も「熟議の国会」の一点張りやった。
言いだしっぺは、朝日やで。
昨秋、臨時国会が開かれると、「熟議を通じ立法府の復権を」(2024年11月28日付社説)、年末には「熟議への歩みを進めよ」(12月25日付社説)と、さかんに熟議を唱えておった。
国会召集の翌日に「与野党で熟議の成果を」と朝日が叫べば、地方紙も右へ、いや左へ倣え。
「熟議へ石破首相の正念場だ」(京都新聞)、
「熟議による国づくりを取り戻せ」(愛媛新聞)、
「『熟議』の政治根付かせよ」(山陽新聞=いずれも25年1月25日付社説)と、熟議の大合唱や。
それで思い出したわ。
熟議は「悪夢の民主党政権」、 菅直人氏の十八番(おはこ)だったことを。
「議論を深める『熟議の国会』にしていくよう努めます」(2010年10月の臨時国会所信表明演説)。
「今度こそ熟議の国会となるよう、国会議員の皆様に呼びかけ、私の施政方針演説といたします」(11年1月の通常国会施政方針演説)。
このときの熟議の仕掛け人も朝日やった(当時の初出は10年8月1日付社説「熟議って 政治を人任せにしない道」)。
石破茂首相も「熟議」を強調しておったが、これって怖い話やで。
菅直人政権が熟議に酔っとるとき、何があったか。
尖閣諸島で中国漁船が我が国の巡視船に体当たりしよった(10年9月)。
おまけに中国の脅しに屈して船長を釈放し、弱い日本を世界にさらした。
その熟議国会最中の11年3月、あの3・11東日本大震災、そして原発事故を巡る官邸大暴走や。
だから熟議は国難を呼び込む呪文のように聞こえてならん。
その亡霊が再びー、「悪夢の石破政権」。おお怖(こわ)。
朝日の政治部長といえば曽我豪(そがたけし)氏が思い浮かぶ。
安倍晋三政権時に「権力監視こそ新聞社の使命」と反権力の拳(こぶし)を挙げていた御仁や。
その後、編集委員を務めていたが、本年1月末をもって退職したんやて。
1月7日付から9日付まで3回連載の「2025 政治の行方は」と題する記者座談会にそう書いてあった。
この手の記者座談会が3日も続くって、聞いたことないわ。
はっきり言って中身のない”お別れ放談会”。
退職の餞かもしらんが、社内に「紙面を私物化するな」の声がなかったのか不思議や。
まあ、どうでもええけど。
どうでもよくないのは、曽我氏が昨秋の総選挙結果を「官邸主導の『1強体制』ではなく、国会主導の権力分散状況を民意が選んだのかもしれない」と、盛んに「民意」を持ち上げていたことや。
民意を言うなら、安倍政権のときになぜ、黙っとったんや。
国政選挙で6連勝やで。
「一強」は正真正銘、民意やった。
が、朝日は安倍氏の首相辞任表明の際、「(首相在任7年8ヵ月の)この間、深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない」と言ってのけよった(20年8月29日付社説)。
民意の全面否定や。
二枚舌もええ加減にせんかえ。
選択的夫婦別姓を巡る各紙・通信社の全国世論調査の結果が1月に出そろった。
この調査は「賛否」の2択で聞いたら絶対にアカン。
通称使用派が「選択的」に誘導されて別姓派にカウントされるからや。
その点、読売は丁寧に3択で質問していた。
結果は「同姓維持」24%、「同姓維持十通称使用拡大」48%、「選択的夫婦別姓」26%やった(27日付)。
だいだいこんなもんや。
同姓維持が6割以上、別姓は2割台。
産経(21日付)、時事通信(16日配信)もほぼ同じ傾向やった。
ところが、賛否2択を続けてきたのが朝日と毎日、共同通信の左前のメディアや。
インチキ調査で「別姓は国民多数派」などと言いふらしてきよった。
さすがに今回、毎日は通称使用を質問項目に加えた(20日付)。
そしたら「通称使用」賛成62%、反対10%。勝負あり、やね。
が、共同は懲りずに2択を続けている。
この配信モノで紙面を埋める地方紙は、「選択的別姓『賛成59%』(27日付)などと平然とニセ情報を載せておる。
共同は昨年、生稲晃子外務政務官の靖國神社参拝を巡る「誤報事件」をやらかしたが、こっちは確信犯的な世論誘導や。
これまた、おお怖。
で、朝日はどうだって?
それが一月の世論調査では何と質問項目から外してしまいよった(20日付)。
これって一種の隠蔽と違うのか。
朝日の世論調査部は白旗を掲げたのも同然や。
そのくせ社説は「与野党で熟議の成果を」と唱え「長年の宿題となっている選択的夫婦別姓の法制化」を迫っとる(25日付)。
ありやまあ、これまた民意の大否定。
朝日の熟議って所詮、こんなものや。
熟議を言うなら、社内で熟議してからモノ言わんかい。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
朝日の熟議ってこんなもの 難波夕陽
熟議、熟議、熟議―。新聞にこの文字がぎょうさん踊っとるわ。
一月に通常国会が開幕すると、どの新聞も「熟議の国会」の一点張りやった。
言いだしっぺは、朝日やで。
昨秋、臨時国会が開かれると、「熟議を通じ立法府の復権を」(2024年11月28日付社説)、年末には「熟議への歩みを進めよ」(12月25日付社説)と、さかんに熟議を唱えておった。
国会召集の翌日に「与野党で熟議の成果を」と朝日が叫べば、地方紙も右へ、いや左へ倣え。
「熟議へ石破首相の正念場だ」(京都新聞)、
「熟議による国づくりを取り戻せ」(愛媛新聞)、
「『熟議』の政治根付かせよ」(山陽新聞=いずれも25年1月25日付社説)と、熟議の大合唱や。
それで思い出したわ。
熟議は「悪夢の民主党政権」、 菅直人氏の十八番(おはこ)だったことを。
「議論を深める『熟議の国会』にしていくよう努めます」(2010年10月の臨時国会所信表明演説)。
「今度こそ熟議の国会となるよう、国会議員の皆様に呼びかけ、私の施政方針演説といたします」(11年1月の通常国会施政方針演説)。
このときの熟議の仕掛け人も朝日やった(当時の初出は10年8月1日付社説「熟議って 政治を人任せにしない道」)。
石破茂首相も「熟議」を強調しておったが、これって怖い話やで。
菅直人政権が熟議に酔っとるとき、何があったか。
尖閣諸島で中国漁船が我が国の巡視船に体当たりしよった(10年9月)。
おまけに中国の脅しに屈して船長を釈放し、弱い日本を世界にさらした。
その熟議国会最中の11年3月、あの3・11東日本大震災、そして原発事故を巡る官邸大暴走や。
だから熟議は国難を呼び込む呪文のように聞こえてならん。
その亡霊が再びー、「悪夢の石破政権」。おお怖(こわ)。
朝日の政治部長といえば曽我豪(そがたけし)氏が思い浮かぶ。
安倍晋三政権時に「権力監視こそ新聞社の使命」と反権力の拳(こぶし)を挙げていた御仁や。
その後、編集委員を務めていたが、本年1月末をもって退職したんやて。
1月7日付から9日付まで3回連載の「2025 政治の行方は」と題する記者座談会にそう書いてあった。
この手の記者座談会が3日も続くって、聞いたことないわ。
はっきり言って中身のない”お別れ放談会”。
退職の餞かもしらんが、社内に「紙面を私物化するな」の声がなかったのか不思議や。
まあ、どうでもええけど。
どうでもよくないのは、曽我氏が昨秋の総選挙結果を「官邸主導の『1強体制』ではなく、国会主導の権力分散状況を民意が選んだのかもしれない」と、盛んに「民意」を持ち上げていたことや。
民意を言うなら、安倍政権のときになぜ、黙っとったんや。
国政選挙で6連勝やで。
「一強」は正真正銘、民意やった。
が、朝日は安倍氏の首相辞任表明の際、「(首相在任7年8ヵ月の)この間、深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない」と言ってのけよった(20年8月29日付社説)。
民意の全面否定や。
二枚舌もええ加減にせんかえ。
選択的夫婦別姓を巡る各紙・通信社の全国世論調査の結果が1月に出そろった。
この調査は「賛否」の2択で聞いたら絶対にアカン。
通称使用派が「選択的」に誘導されて別姓派にカウントされるからや。
その点、読売は丁寧に3択で質問していた。
結果は「同姓維持」24%、「同姓維持十通称使用拡大」48%、「選択的夫婦別姓」26%やった(27日付)。
だいだいこんなもんや。
同姓維持が6割以上、別姓は2割台。
産経(21日付)、時事通信(16日配信)もほぼ同じ傾向やった。
ところが、賛否2択を続けてきたのが朝日と毎日、共同通信の左前のメディアや。
インチキ調査で「別姓は国民多数派」などと言いふらしてきよった。
さすがに今回、毎日は通称使用を質問項目に加えた(20日付)。
そしたら「通称使用」賛成62%、反対10%。勝負あり、やね。
が、共同は懲りずに2択を続けている。
この配信モノで紙面を埋める地方紙は、「選択的別姓『賛成59%』(27日付)などと平然とニセ情報を載せておる。
共同は昨年、生稲晃子外務政務官の靖國神社参拝を巡る「誤報事件」をやらかしたが、こっちは確信犯的な世論誘導や。
これまた、おお怖。
で、朝日はどうだって?
それが一月の世論調査では何と質問項目から外してしまいよった(20日付)。
これって一種の隠蔽と違うのか。
朝日の世論調査部は白旗を掲げたのも同然や。
そのくせ社説は「与野党で熟議の成果を」と唱え「長年の宿題となっている選択的夫婦別姓の法制化」を迫っとる(25日付)。
ありやまあ、これまた民意の大否定。
朝日の熟議って所詮、こんなものや。
熟議を言うなら、社内で熟議してからモノ言わんかい。