以下は26日に発売された月刊誌WiLLに、LGBT活動 背後霊はマルクス&毛沢東、と題して掲載された、中国系米人保守派活動家シー・ヴァン・フリートさんと聞き手早川俊行、からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
LGBTイデオロギーで日本に文化大革命を起こす布石に
一般の主婦に過ぎなかった中国出身のシー・ヴァンーフリートさんが、全米の注目を集めることになったのは2021年6月のことだ。
南部バージニア州ラウドン郡の教育委員会が開いた公聴会で、急速に左傾化する米国の現状を毛沢東が文化犬革命を起こした時代の中国と重ね合わせ、米国では今、「中国文化大革命の米国版」が進行中だと訴えたのだ。
そう熱弁するシーさんの動画は、全米に拡散し、FOXニュースにも出演した。
以来、シーさんは、ツイッターなどで米国社会を蝕む文化マルクス主義の危険性について警鐘を鵈らし続けており、今年10月には著書も出版される予定だ。
実際に共産主義社会を生き抜いたシーさんの指摘には説得力があり特に米国の将来を憂える保守派から共感を集めている。
名もなき主婦の立場から、一躍保守派の論客となったシーさんにオンラインでインタビューし、米国で起きている文化大革命とはのようなものか、そして米国はなぜ日本にLGBT(性的少数者)イデオロギーを押し付けるのか、などについて語ってもらった。
暗黒時代がやって来る
私は1959年に生まれ、小学1年生だった66年に文化大革命が始まりました。
毛沢東が亡くなる76年まで約10年間続きました。
文化大革命の頃はほとんどの大学が閉鎖されていたため、高校卒業後は農村部に送られ、3年間、農民による再教育を受けました。
鄧小平が実権を握った78年に大学が再開され、大学で英語を学びました。
86年に米国の大学院に留学することができ、以来、米国で生活しています。
米国人と結婚し、米国籍も取得しました。
2012年に私か住む郡の教育委員会の会合で、米国で起きていることは、中国文化大革命の再来だと訴えました。
しかし、いろいろな人と話すうちに、ほとんどの米国人は共産主義について何も知らないことが分かりました。
中国文化大革命となると、知っている人はほとんどいない。
歴史的な知識がないため、米国人は今、何か起きているのかを認識することができないのです。
私は長年、米国が少しずつ間違った方向に進んでいることに気付いていましたが、見て見ぬふりをしていました。
中国で自分の命を守るには政治的な問題に口を挟んではならないと学んだからです。
しかし、ターニングポイントとなったのは2020年です。
マルクス主義者たちによる文化大革命が、単なる兆候ではなく、全面的に現れてきたのを見て、もはや黙っていてはいけない、そう決断しました。
それで教育委員会でこのような発言をしたのです。
ただ、その動画が全米に拡散するとは思いもよりませんでした。
FOXニュースから出演依頼を受けた時は、自分を世の中にさらすことに恐怖を感じました。
それでも出演したのは、これは自分のことではなく、世界の未来にかかわることだと考えたからです。
万一、米国が倒れれば、自山叶一界も倒れ、権威主義が当たり前の暗黒時代がやって来ることになるからです。
白人対非白人
まず、中国文化大革命について説明させてください。
毛沢東が1958年に始めた「大躍進」政策は、大飢饉を招き、最大5000万人を餓死させる大惨事となりました。
毛沢東自身もその失敗を認め、劉少奇と鄧小平が権力を強めて経済再建に取り組みます。
しかし、独裁者である毛沢東は、自分が脇に追いやられた事実が許せませんでした。
自分の党である中国共産党から権力を取り戻すために始めたのが文化大革命です。
つまり権力闘争でした。
毛沢東にはもう一つ目標がありました。
それは中国文明の残滓をすべて破壊し、毛沢東主義に置き換えることでした。
オバマ元米大統領はかつて、「米国を根本的に変革する」と主張しましたが、毛沢東は「中国を根本的に変革した」のです。
では、毛沢東はそれをどのように実行したのでしょうか。
軍隊を使うこともできましたが、それではクーデターを起こしたように見えてしまう。
そこで利用したのが若者です。
中学から大学までの洗脳された若者たちを総動員したのです。
彼らは「紅衛兵」となって毛沢東が望んだことを実行し、中国のすべてを破壊しました。
権力者を排除するために暴力を行使し、その過程で最大2000万人が亡くなりました。
文化大革命の特徴は「分断」です。
革命を起こすには、マルクス主義の戦術で国民を分断し、敵をつくる必要があります。
これが毛沢東のやったことです。
しかし、実は米国でも起きていることなのです。
毛沢東が国民を分断するために利用したのが、「階級」でした。
地主や富農には「黒」の階級のレッテルを貼って悪者扱いする一方、革命の同志や農民は「紅」の階級と呼び、「黒対紅」の対立をつくりました。
しかし、米国のような先進国では、階級で国民を分断することはできません。
資本主義では、すべての人が努力や才能によって富を生み出す機会が与えられているからです。
では、米国で国民を分断するには、どうすればいいか。
最も簡単な方法は「人種」を利用することです。
黒人と白人を対立させるのです。
しかし、黒人は米人口の13%に過ぎません。
黒人だけでは不十分なので、広げる必要があります。
最近、新しく出てきたのが「BIPOC」という言葉です。
これはBlack(黒人)、Indigenous(先住民)、People of Color(有色人種)の略で、白人以外のすべての人種を指します。
米国の人種対立は、もはや白人対黒人ではありません。
白人対非白人なのです。
利用されるアイデンティティ
それでも、まだ米国を分断するには不十分です。
このため利用されているのが「アイデンティティ」です。
男性対女性、異性愛者対同性愛者、さらに最近では、肥満の人は健康な人に、障害者は健常者に虐げられているという対立まで生み出されています。
際限なく広がるアイデンティティの中でも、最も新しいものが「トランス」です。
これは異なる性別を自認する「トランスジェンダー」だけではありません。
異なる人種や年齢を自認する「トランスレイシヤル」や「トランスエイジ」まであります。
白人が自分を黒人と言ったり、大人が自分の年齢を6歳と言ったりするのです。
つまり、「トランス」は、アイデンティティで抑圧される人々を無限に増やす最新ツールなのです。
マルクス主義用語でプロレタリアートは被抑圧者のことですが、ネズミのように新たなアイデンティティを生み、プロレタリアートをつくり出しています。
では、ブルジョワジーは誰なのか。
それは中流階級でキリスト教徒、異性愛者の白人男性です。
彼らが現代のブルジョワジーであり、敵なのです。
そうやって分断がっくり出されています。
革命を起こすには、毛沢東のように国民同士を戦わせ、国の基盤を覆す必要があるからです。
永久的な権力を求めている
毛沢東は、古い思想、古い文化、古い風俗、古い習慣を打ち壊すという「破四旧」をスローガンに掲げ、アジア的なもの、伝統的なものをすべて消し去ろうとしました。
米国でも「キャンセル・カルチャー(消去文化)」によって、アメリカ的なもの、伝統的なものをすべて消し去り、建国の理念をマルクス主義イデオロギーに置き換えようとする動きが強まっています。
紅衛兵は寺院の仏像を破壊し、カトリック教会の聖母マリア像も引き倒しました。
チベットでは、ラサの最も神聖な寺院を襲撃し、多くの貴重な宗教的芸術品を破壊しました。
米国でも同じようなことが起きています。
2020年にミネソタ州でジョージ・フロイドという黒人男性が白人警官の暴行を受けて死亡した事件をきっかけに、全米各地で暴動や略奪が発生しました。
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切、BLM)」や極左集団「アンテイファ」の過激な活動家たちは、各地でジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンら米国の歴史的偉人の銅像を破壊しました。
白人だけでなく黒人の奴隷制廃止論者フレデリック・ダグラスの銅像までも破壊の対象になりました。
あらゆるものを破壊するのは、まさしく文化大革命です。
過激な活動家たちは最近も、連邦最高裁が女性の中絶権を認めたロー対ウェイト判決を覆したことに対し、暴力的な抗議活動を繰り広げました。
最高裁判事の自宅にまで押し寄せて脅したのです。
彼らはなぜ、そのような破壊行為を続けることができるのでしょうか。
それは民主党政治組織が背後にいるからです。
民主党が検察や裁判所を支配しているため、彼らは逮捕されても罰を受けずにすぐに釈放されるのです。
これは紅衛兵が人を殺しても、毛沢東が背後にいるために誰もとめられなかったのと同じ構図です。
BLMの活動家たちは、警察を敵視して「警察予算をなくせ」運動を繰り広げましたが、紅衛兵が真っ先に行ったのも、自分たちを取り締まる警察を解体することでした。
ホワイトハウスの裏にある通りは、「ブラック・ライブズ・マター・プラザ」という名称に変更されましたが、通りや施設の名称を変えることも紅衛兵がやったことでした。
私が住んでいた四川省成都の最も賑やかな商店街は「反帝路(反帝国主義通り)」に改称されました。
当時の中国では、毛沢東の同志であることを示すため、自分の名前さえも変えることがファッションになっていました。
私の名前は漢字で「西」と書くのですが、これは西洋の帝国主義を意味しました。
そのため、私は子供の頃、中国を意味する「東」に名前を変えたかった。
しかし、両親は、私か生まれた西安から取ったものだから変えてはならないと言ってくれました。
私の周りでは、紅衛兵や革命家を意味する名前に変える人がたくさんいました。
これらを総合すれば、米国で今、起きていることは中国文化大革命の再来だと断言できます。
では、革命の目的は何でしょうか。
それは権力です。
毛沢東が絶対的な権力を求めて文化大革命を起こしたように、米国の左翼も同じように永久的な権力を求めているのです。
この稿続く。
革命の駒として利用
米国を侵食する文化マルクス主義とは何かー。
1949年に中国で毛沢東が政権を取った時に起きたことは、暴力で政府を転覆させるという古典的なボルシェビキ革命でした。
しかし、労働者階級が抑圧に耐えられず、蜂起して革命を起こすということは、高度に工業化された国では起こりません。
資本主義によって出現した中産階級は、マルクス主義革命には興味がなく、政府を転覆させようとはしないからです。
「階級」を武器に革命を起こすことができないのであれば、どうすればいいか。
「文化」を通じてそれを実現できると主張したのが、イタリアの共産主義者、アントニオ・グラムシです。
ムッソリーニによって投獄されたグラムシは、獄中で自分の考えや理論を記し、後に『獄中ノート』として出版されました。
その中で彼は、社会や文明の支配的な文化・常識のことを「ヘゲモニー」と呼び、資本主義を打破するには、これを破壊すればいいと主張しました。
グラムシを信奉するドイツのユダヤ人知識人グループは、ヒトラーの迫害から逃れるために米国に亡命しました。
それが「フランクフルト学派」です。
彼らは米国の知的世界の中心であるコロンビア大学に拠点を築きました。
彼らは文化を変えることで、米国を覆すことができるという考えを広めました。
実は中国で1960年代に文化大革命が起きていたのと同じ時期に、米国でも「カウンター・カルチャー」という革命文化が広がっていたのです。
日本人もその一翼を担いました。
ジョン・レノンの妻オノ・ヨーコです。
彼女は古い伝統の制約から解放されたカウンター・カルチャーの象徴でした。
ベトナム戦争が終わると、カウンター・カルチャーは沈静化すると思われました。
しかし、革命家たちがいなくなるわけではありません。
彼らは大学の教授になり、米国の学術界を少しずつ支配するようになりました。
そして、今では、あらゆる文化や制度に影響を及ぼすようになっています。
米国では、軍隊を含めあらゆる機関がマルクス主義者に取り込まれていると言っていいでしょう。
米国は今や、文化マルクス主義を各国に押し付ける主要輸出国となっています。
その輸出先のターゲットには当然、日本も含まれています。
米国がなぜ日本にLGBTイデオロギーを押し付けるのかと言えば、米国で推進されている「批判的人種理論(CRT)」や「多様性・公平性・包括性(DEI)」プログラムを、ほぼ均質な社会である日本に適用させることは難しいからです。
そのため、LGBTイデオロギーを日本で文化大革命を起こす布石にしようとしているのです。
その目的は同じです。
日本の伝統文化を破壊して分断を生み、その他のマルクス主義アジェンダを引き込むことです。
つまり、LGBTイデオロギーは始まりにすぎません。
男が女になれるとか、男でも女でもないノンバイナリーであるとか、LGBTイデオロギーは馬鹿げた概念です。
でも、これを否定すれば、「トランスフォビア」(トランスジェンダーに対する差別や不寛容、否定的な態度、言動、嫌悪)などと言われるので、嘘であっても受け入れを強制させる。
こうして人々の心を支配し、言葉を支配し、自由を奪っていくのです。
*岸田は、「気持ちが悪い」と至極当然なことを言った補佐官を、即刻クビにした。つまりまんまと彼らに絡めとられたのである、実に愚劣な態様だったのだ*
共産主義の恐ろしさ
革命が成功すれば、LGBTの人々は捨てられるでしょう。
左翼の目標は権力を手に入れることであり、彼らの権利には興味がないのです。
文化大革命で権力を取り戻した毛沢東が、紅衛兵を農村部に送って処分したように、革命の駒として利用されているのです。
インドも危険な状況です。
米国のアイビーリーグに留学したエリートたちがCRTを学び、インドに持ち帰って広めています。
多民族国家のインドは、国民を互いに争わせるのに最適な場所です。
世界各地で米国発の文化マルクス主義革命が同時発生していると言っても過言ではない状況です。
日本の皆さんに伝えたいのは、共産主義の歴史やその恐ろしさを学んでほしい、ということです。
韓国人は隣に存在する最悪の共産主義政権について何も知らないし、知ろうともしない。
これは韓国の教育システムの失敗です。
日本はそれを繰り返してはいけません。
我々は今、共産主義の侵略を受けていることを認識する必要があります。
これは中国からだけではなく、西側から文化共産主義の形でやって来ているのです。
文化共産主義も資本主義を打倒し、自由を奪い、全体主義を実現するという目標は同じです。
米国は多くの国々に圧力を掛けて文化マルクス主義を押し付けることに成功しました。
欧州ではこれが完全に定着してしまいましたが、唯一、抵抗しているのがハンガリーです。
日本には中国が破壊した東洋の伝統が残っています。
日本人もハンガリーのように抵抗し、押し返してほしい、そう願っています。