鈴鹿明神社では種々の御札・御守をお頒けしています。
御札においては 『神宮大麻(伊勢の神宮の御札。国の守護神)』 『鈴鹿大麻(鈴鹿明神社の御札。この地域の守護神)』 の2体の御札が中心的な存在ですが、中に一風変わった御札が一種類あります。 『荒神札』がそれです。
『荒神様(こうじんさま)』とは文字通り“荒ぶる” “荒れやすい”神様であるという意味で、台所や鍛冶場等で祀られる火の神様を指します。歴史的には最近まで薪を燃やした炎がどの家庭でも使われていたということで、制御できない火・火の神様の怒りを畏れる気持ちが強くあったのは想像に難くありません。
『火産霊神(ほむすひのかみ)』『奥津彦神(おくつひこのかみ)』『奥津姫神(おくつひめのかみ)』の火神の御神名がみえます
こちらも荒神札。三本の御幣が三柱の火の神様を表しています
この鈴鹿明神社でももうすぐ年越しの準備が始まりますが、『かまじめ』と呼ばれる新年の御札の一式の中には必ずこの荒神札を入れています。
今でも古い御屋敷では荒神様のための荒神棚を設けているのを目にすることがあります。殊に炊事・暖房には便利な世の中になりましたが、冬を前にしたこの季節、火に対する感謝、というものをもう一度考えてみてもいいかもしれません。