先日ここで例大祭ポスターの完成のお話をしましたが、その表紙を飾っているようにこの例大祭はやはり御神輿の渡御があってこそ、という感がします。
御神輿も所によって厳かなもの、華やかなもの、賑やかなものと様々ありますが、鈴鹿明神社の御神輿はとりわけ賑やかで勇壮なものと言えるでしょう。季節柄、通り雨に見舞われることもありますが、毎年夜の還御に至るまで熱気が冷める事はありません。
昨年の例大祭、出御祭の一場面
御神輿とは神様の乗り物で、お祭りの際神様に氏子地域へお出ましいただくことで、福徳をいただけることを祈願するものです。
実は御神輿の起源ははっきりとは分からないのですが、奈良時代の大仏建立の際、宇佐八幡宮の神様を京にお迎えする時に紫の御神輿が使われたというのが古い記録としてあるようです。
そして平安時代以降、天災や疫病などの災いを祟りによるものとし、それを鎮めるためにお祭りを行う『御霊信仰(代表的なものは牛頭天王や天神様)』が全国に広まるにつれて御神輿をかつぐ事も行われるようになったと言われています。
ちなみに御神輿によく似たものとして山車(だし)がありますが、こちらは平安時代の大嘗祭というお祭りで引かれた『標山(しるしのやま)』というものが原型だという事です。担ぎ方の違いだけと思っていましたが、元々別々のものだったようですね。