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なぜなに教育基本法 -5-

2010-03-18 06:19:43 | 教育関連情報
☆★☆ なぜなに教育基本法 -5- ☆★☆
2年半前の校長日記を転載しています。

前文がやっと終わりました。さらに条文を比較しましょう。

第2条では、これまでの教育の方針に替わって、教育の目標が登場しました。
この5つは、今後の教育の基本目標になりうるものです。
前文の変更点をしっかり押さえています。

第3条が「生涯学習の理念」として今回新たに付け加わったものです。

今回の教育基本法の改正は、いわば戦後教育の総決算と言えるものです。教育界の大きな動きが全て盛り込まれています。
その最たるものがこの3条でしょう。

生涯学習は、ラングランが1965年のユネスコ成人教育推進国際委員会で提唱して以来、世界的に注目されるようになりました。
日本では、71年、81年の中教審答申で提唱され、90年には生涯学習振興法が制定され、生涯学習環境の整備が法制化されました。

簡単に言えば、教育全体を生涯学習という枠組みで考えるようになり、「小中学校は生涯学習のための基礎づくり」という位置づけになったのです。

これは、学校教育界でも大きな発想の転換でした。

「千匹の魚を与えるよりも、一匹の魚の採り方を与えよ。」という考え方は、高度経済成長期の日本の詰め込み教育の欠陥を突いた、見事な指摘だったのです。
それが、生活科や総合的な学習の時間の誕生へとつながったのです。

そうですよね。
学ぶ意欲を育て、学び方を教えれば、その人はほかっておいてもどんどん成長し続けるでしょう。
その力を、「自己教育力」、「生きる力」と呼ぶのです。
日本はそういう人を育てようと方向を変えたのです。
「変化の激しい社会に対応できる人」は、マニュアル通り動ける人ではなく、場に応じて自分を高め続けられる人なのです。

それでは、教育内容はどう変わるのでしょうか。
次号に続きます。

教育基本法

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