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日本を見つめる世界の目 -26日朝-

2011-06-26 06:08:43 | 日本を見つめる世界の目
今日も、日本を見つめる世界の目を紹介します。

【中国】
人民日報 http://j.peopledaily.com.cn/home.html

日本の海外市場開拓に色とりどりの戦いの秘訣
日本が開拓した海外市場は世界中に広がっている。特に東南アジア、西欧、中南米などでの成果が最も多彩だ。日本企業による海外市場開拓の数々の成果から、「孫子の兵法」にあるような色とりどりの戦いの秘訣を深く味わうことができる。中新網が伝えた。

 (1)自分を知り敵を知る

 ソニーや松下電器(現パナソニック)は米国市場進出に先立ち、設計者やエンジニアで構成された専門家チームを米国に派遣して調査を行い、米国の消費者の好みに合った製品を設計するにはどうすればよいかを検討した。松下は1951年から米国に専門家を常駐させ、事前に情報を収集した。日本企業はしばしばライバル社の製品を分解して研究する。このようなことは日本の企業家にとっては日常茶飯事で、ライバル社の製品は日本の製品を改良するためのインスピレーションを与えてくれ、日本で研究開発した製品を競争に負けないようにしてくれるものだ。

 (2)勢いに乗じて進出

 日本の自動車が初めて海外市場に進出した頃は、市場シェアを奪うことが主な目的だった。米国市場に進出した日本企業は、自社の自動車部品の供給システムとサービスネットワークの発展に努力し、米国の顧客が迅速で確かなサービスを受けられるようにした。トヨタは一連の製品を導入し、米国市場に浸透することに成功した。そのかなりの部分は製品を延伸したことの成果だといえる。今や米国は日本最大の海外市場であり、日本車は世界で覇権を唱えている。

 (3)攻めのポイントは価格

 ホンダが米国のオートバイ市場に進出した当時、大型の米国産バイクの価格は1千ドルから1500ドルで、ホンダのバイクはわずか250ドル足らずだった。日本はロボット工業の先駆者だが、世界市場進出の途上では、侵略的な価格設定戦略を採用し、価格の安さという重要な武器に過度に依存する傾向があった。

(4)戦いだけで勝利は得られない

 日本人は、低価格だけでは機械工具の順調な販売を確保することはできないとわかっていた。そこで製品の質に注意を移すようになった。瞬く間に、日本企業が生産する機械工具は進んだ技術水準によって米国の顧客に歓迎されるようになった。日本企業は故障修理の時間を極限まで短縮し、総合的で迅速なメンテナンスサービスを提供し、こうした極めて効率的なサービスステーションと応用部品ネットワークにより、米国の顧客の信頼を勝ち取ることに成功した。

 (5)あえて奇計も

 日本企業はすき間を狙ったり、高い所を避けて低い所へ走ったり、強いものを避けて弱いものを攻めたり、鋭いものを避けて衰えたものを撃ったり、相手が力つきるのを待って攻撃したり、先んじて相手を制圧したりと、さまざまな戦法を自在に操り、大きな成功を収めてきた。たとえばセイコーはかねてより世界の時計産業でトップに立ちたいと考えていたが、その時が来るまでは野望を押し隠し、実力あるスイスの時計産業との正面衝突を避けていた。十分な実力が備わると、精度の高い高品質のクオーツ時計やデジタル時計を国際市場に大々的にうち出し、1970年代後半にはスイスに代わって世界の時計産業の新しい流れを先導するようになった。

 (6)多彩な製品で勝負

 シャープとカシオはそれぞれ、スタイル、機能、特徴の異なる一連の計算機を擁し、一年の間に何度もモデルチェンジをするのが常だ。日本の時計メーカーは製品ラインナップの「繁殖」の極端な事例だ。セイコーは米国で400種類の製品を売り出した。世界で製造・販売する製品は2300種類を超え、このうちの多くの型番が徐々に米国市場に進出している。キャノンのデジタルカメラ成功の功績は、さまざまな種類を取りそろえた製品ラインナップの充実ぶりに帰すものであり、AE 135ミリメートル一眼レフカメラは特に大きな成功を収めた。

(7)勢いに乗って発展

 ここ数年来、携帯電話のハードウエアで極めて先端の技術を擁する日本は、経済低迷により国内市場が縮小を続けている。一方、中国や欧州は第3世代(3G)の携帯電話が拡大普及しつつある。よって日本の主要メーカーは海外市場の勢いに乗じて、改めて海外市場を開拓することにした。NEC、カシオ、日立は傘下の携帯電話業務を合併し、日本の進んだ携帯メーカーを組織して、海外市場に打って出た。計画では、この連合体は2013年に日本国内最大の携帯サプライヤーとなり、国際市場で500万台を売り上げる予定だ。

 (8)人材は現地で

 日本企業はアジア市場の開拓において、孫子「地形篇」にあるようにその土地で軍の食糧を補充するという戦略を取り、各地の人材を幅広く採用した。日本の人材派遣会社は日本企業による現地ホワイトカラーの採用という商機をつかまえ、外国人のホワイトカラー層の募集業務を強化拡大した。パナソニックが2011年に採用したアジアなど世界各国の外国人は約1100人に上り、前年比50%増加した。従業員全体に占める外国人の割合は約80%に達する見込みだ。

 (9)困窮から復活へ

 東日本大震災の発生後、トヨタ、ホンダ、日産、三菱などの日系自動車メーカーは日本の工場の一部が生産停止に追い込まれた。これらの有名メーカーは、災害への対応力、生命力の回復する力、災害後の再建力がいずれも強く、能力をうちに秘め、しっかり休息を取り、充電して機会をうかがい、困窮状態に置かれても再び立ち上がった。中国市場を含む海外市場に対し、自動車のメンテナンスや生産に必要な部品を優先的に保証しただけでなく、力強い反転上昇ぶりを示し、今後は自動車の生産販売が急速発展期に入ることが予想される。(編集KS)



チャイナネット
http://japanese.china.org.cn/

リーダーシップ不在の日本 好機を掴みきれず
投資家や経済学者は、日本が3月11日の東日本大震災の苦難から再生し、以前より強くなろうとするなら、外国製品、労働力に大きく門戸を開放し、規制緩和、電力業界の再編、財政改革や家庭に有利な政策を採る必要があるという。

今度の震災は日本が第二次大戦以来直面した最大の危機だが、ある面から言えば20年間停滞する経済、揺れ動く政局からこの国が抜け出す好機到来とも言える。

ロイター社主催の日本再建に関するフォーラムで、会議の出席者の考えは絶え間なく提示されたが、会議の全体的な雰囲気は日本の政治家が目の前のチャンスを掴もうとしないことへのなんともいえない苛立ちだった。

現在日本は震災から3ヶ月あまりが経過し、政権党である民主党と野党が政策面において、深刻で、でたらめなこう着状態にある。野党は法案の通過を阻止し、菅おろしを迫る。菅首相は首相の地位にできるだけ長く居座ろうとして、法案通過しようとする。

モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 日本支社のパートナーであるケン・シーゲル氏は「私の見るところ、今回の危機は日本企業の基本的な優勢を突出させ、日本政府の核心的な弱点を洗い出すことになった。」

「全体観に立てば、日本企業はこの困難を乗り越えるだろうが、残念なことに政府は彼らの足を引っ張り、日本経済に対する信頼にも悪影響を与えるだろう。」

日本のコンビニチェーンLAWSONの新浪剛史CEOはロイターの取材に対し、「日本は開国すべきだ。(政府は)国民に門戸を開く重要性を説明しなければならない。」と応えた。また、対外開放とは、外国からの移民、資本、思想を受け入れ、日本と東南アジア、太平洋圏の貿易パートナーと自由貿易協定を結ぶことを意味する。このエリアの自由貿易協定は菅直人が震災前に注力して提唱していた政策で、現在は保留されている。



【韓国】
中央日報http://japanese.joins.com/

【コラム】北朝鮮、正直になるべき時期
韓国戦争(1950-53)開始から61年が過ぎた。すべての証拠が明白であるにもかかわらず、北朝鮮はまだこの戦争が韓国の北侵略で始まったと主張している。北朝鮮が主張する北侵略の証拠とは、当時の李承晩(イ・スンマン)大統領と閣僚が北侵略を主張した会議文書、そして開戦直後に国軍が海州(ヘジュ)を占領したと報道した新聞記事のようなものだ。しかし李承晩の根拠のない北侵略主張は米国によって強力に制止され、軍事支援まで中断されたのが事実であり、国軍の海州占領説はメディアの明白な誤報だったことが明らかになって久しい。

北朝鮮の強引な主張は韓国戦争に関するものだけではない。ラングーン事件、大韓航空機爆破事件、そして最近の天安(チョンアン)艦事件まで、自国に不利な事件はすべて自国とは関係がないと否認してきた。北朝鮮は今からでも正直になるべきだ。韓国に対する武力挑発だけでなく、北朝鮮内部でも自ら正直になる必要がある。北朝鮮は最近、強盛大国を叫びながら、2012年から飛躍的な経済発展を遂げると豪語している。しかし経済発展の原動力は自由と民主主義だ。居住移転と旅行の自由、商取引の自由、情報疎通の自由がない限り、強盛大国の夢ははるかに遠い。

北朝鮮政権はこうした自由が開かれれば、北朝鮮の相対的貧困が明らかになり、独裁体制に対する怒りが爆発するのではないかと恐れているようだ。しかし中国やベトナムのケースで見られるように、自国が貧しいからといって祖国を離れたり暴動を起こしたりするわけではない。正直に自らの過ちを認め、一日も早く情報を開放し、北朝鮮住民に免疫を生じさせるのが、北朝鮮政権の生きる道だということを早く悟る必要がある。

北朝鮮は言葉で統一を叫ぶのではなく、実質的に統一に向けて自らを肥らせ、住民の支持を受ける国を作らなければならない。それは歴史と現実の前でもっと正直になることから始まることだ。



朝鮮日報http://www.chosunonline.com/

東日本巨大地震:イ・ビョンホン、歌声で被災者癒す
チャリティーソングが1位に

「収益金は復興資金に」



 韓流スターのイ・ビョンホンが東日本巨大地震で被災した日本人ファンのために歌った歌『上を向いて歩こう』が、大手インターネット通販サイト「アマゾン・ジャパン」(www.amazon.co.jp)のMP3ダウンロードで1位になっている。所属事務所BHエンターテインメントは「17日の配信開始以来、8日間1位をキープしている。この曲の収益金は被災者に寄付金として提供される」と話している。


 『上を向いて歩こう』は日本の人気歌手・坂本九が歌い大ヒット、1963年には米ビルボード誌のシングルチャートで3週間1位になり、世界でレコードが1000万枚以上売れたというヒット曲だ。イ・ビョンホンが歌った『上を向いて歩こう』は今後、「OnGen」「Mora」「iTunes Store」「music.jp」「dwango.jp」など日本の音楽配信サイトで順次配信が開始される予定。イ・ビョンホンは被災地復旧のため、すでに大韓赤十字社を通じ5000万円を寄付している。



【米国】
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/

【オピニオン】オバマ大統領の敗北が濃厚な4つの理由
オバマ大統領は2012年の大統領選で負ける可能性が高い。理由は、彼が抱える4つの深刻な問題だ。まず、景気は極めて弱く、投票日までに力強い回復は期待できそうもない。カギを握る有権者の支持基盤は、彼に幻滅した。大統領は不人気な政策を擁護している。そして彼は戦略的にまずい決定をした。


 景気の話から始めよう。失業率は9.1%で、約1400万人のアメリカ人が失業状態にある。この失業者の半分近くが、半年以上職に就いていない。以前オバマ大統領は、2009年2月の景気刺激策により、失業率は同じ年の夏の終わりまでに8%で頭打ちとなり、今頃には6.8%程度に下がると、もっと明るい展望を約束していた。

 2010年6月には、オバマ大統領は「我々の経済は…急速に拡大している」と自信を示していたが、先週、「(大規模な景気対策をもじって)‘プロジェクト着工’は期待通りの‘プロジェクト着工’とはいかなかった」と笑い交じりにコメントした。このジョークはほとんど理解されないだろう。22日のブルームバーグの世論調査によると、オバマ大統領就任時と比べ暮らし向きが悪化したと答えたのは44%。良くなったとの回答は34%だった。

 失業率が7.2%超で再選された直近の大統領はフランクリン・ルーズベルト(1936年再選)だ。ロナルド・レーガン大統領は、7.2%の失業率を克服した。1983-84年の景気急拡大を背景に、10%を超えていた失業率が劇的に改善しつつあったからだ。一方、現在は、米連邦準備理事会(FRB)は、経済成長率について、今年が3%弱、来年を3.8%弱と予想。失業率については、大統領選の投票日頃には7.8-8.2%になると予想している。

 大統領は、有権者の支持基盤にも問題を抱えている。たとえば、ユダヤ人有権者は彼のイスラエル政策に動揺している。ブログやウェブサイトなどインターネットを通じて政治活動を行うNetRootsの先週の会合では、オバマ大統領が左派の理想社会を作れなかったことに左派のブロガーの怒りが噴出した。ユダヤ人の支持が少なければ、フロリダなどの州で大統領が猛追される可能性があるし、左派の不満が高まれば、08年のオバマ大勝利に批判的なボランティアの離反を招くかもしれない。

 オバマ大統領の支持率は、有権者の主要な層で低下した。ギャラップの世論調査によると、大統領の支持率は21日時点で45%と、就任時の67%を大きく下回っている。09年以来、平均を上回る低下を示している集団は以下の通りとなっている。白人(-25ポイント)、高齢者(-24)、無党派層、大学卒業者(いずれも-23)、最終学歴が高校以下の有権者、男性、南部地方の有権者(いずれも-22)、女性(-21)、既婚カップル、月収2000-4000ドルの有権者(いずれも-20)。こういった数字は、コロラドをはじめ、インディアナ、オハイオ、ペンシルベニア、ネバダ州などの郊外・中規模都市における深刻な問題を意味する。

 また、若年層の支持率も22ポイント下落、ラテン系米国人は20ポイント下落している。アフリカ系米国人の間でさえ、オバマ大統領に対する人気は以前ほど高くないし、必要な水準を下回っている。仮に、08年にオバマ氏が制したノースカロライナ州でアフリカ系有権者の投票率が1ポイント下がるだけで、当時同州で獲得した票差は吹き飛んでしまう。

 多くの有権者は、依然としてオバマ氏が好きではあるものの、彼の政策には強く反対している。オバマ氏も、有権者が最も重要視する問題について弱い傾向がある。6月13日のNBCとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の共同世論調査によると、オバマ大統領の経済政策を支持しないとの回答は56%。6月14日のエコノミストとユーガブの共同調査では、大統領の財政赤字への対応を支持しないとの回答は59%にのぼった。

 唯一の大きな社会的立法で、可決後に不人気が増したという意味では、オバマケア(医療保険制度改革)はユニークな存在だと言わねばならない。Pollster.comの最近の調査によると、オバマケアを支持するとの回答は38%、法案が可決された昨年3月の41%を下回っている。

 最後になるが、オバマ大統領は、戦略上の失敗をした。大統領にとって選挙の資金集めや組織作りも必要だが、大統領は今年、大統領であることよりも候補者であることを選んだ。来春まで党利党略から距離を置くことができるにもかかわらず、彼は現職のメリットのひとつをわざわざ放棄したのだ。チームオバマは、共和党の大統領選出馬候補を攻撃し、共和党の提案を容赦なく中傷した。これは、希望と変革の星であったオバマ大統領に国民が求めていることではない。

 政治の世界の1年5カ月はとてつもなく長い。政治の運は浮き沈みが激しい。弱い現職がさらに弱い挑戦者を打ち負かすことだってある。

 また、景気停滞や決定のまずさといった客観情勢は、問題であるというだけでなく、ほぼ決定的と言えるまでになっている。オバマ氏は今や、彼自身が始めた政策に翻弄されている。とりわけ経済について、彼が説明責任を回避することは不可能だ。彼はまだ終わっていないが、支持率の回復は難しいだろう。詳しくは、今後、また書くことにする。


CNN
http://www.cnn.co.jp/

36%がオバマ氏以外の候補に投票などと回答 世論調査
来年の米大統領選で、米国民の36%がオバマ大統領でない候補に確実に投票し、27%が同氏以外の候補を検討すると考えていることが最新世論調査で25日までに分かった。

ブルームバーグ通信が23日に発表した世論調査結果で、オバマ氏に確実に一票を投じるとしたのは30%だった。オバマ氏以外の候補に投票もしくは支持を検討するとした比率のうち、28%は出馬を表明した候補者の顔ぶれに概ね満足していると回答。58%は新たな候補者が名乗り出ることを期待するとしていた。

既に立候補を表明もしくは出馬が予想される候補者の好感度調査では、ロムニー前マサチューセッツ州知事が37%で首位。ペイリン前アラスカ州知事が31%、ポーレンティー前ミネソタ州知事が28%、バックマン下院議員が26%、ギングリッチ元下院議長が25%、クリスティー・ニュージャージー州知事が24%、ピザチェーン店のケイン前最高経営責任者(CEO)が18%で続き、最下位は最近出馬を表明したハンツマン前ユタ州知事だった。

オバマ氏に好感を抱くとしたのは54%で、逆の回答は42%。好感をほとんどあるいはとても持てない共和党の候補者ではペイリン氏の58%が最高。ギングリッチ氏の51%、ロムニー氏の31%などが続いた。

世論調査によると、75%が不誠実な結婚生活の過去がある候補者は魅力度が減るとし、67%が財政の赤字幅の上限引き上げを支持する候補者への関心も下がると回答。60%は増税や個人負担の医療保険制度を支持する候補者にもあまり引き付けられないとした。調査は6月17日から同20日まで全米の成人1000人を対象に電話で実施した。


【英国】
ロイター
http://jp.reuters.com

復興財源は基幹税中心に臨時増税検討を=政府の復興構想会議
政府の東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)は25日、復興財源は基幹税を中心に臨時増税を検討すべきだとする提言をまとめた。
 資金繰りのために復興債を発行する場合は、国債市場の信認を維持するため、増税による財源確保が特に重要だとしている。

 提言では復興策について、必要な施策を積み上げて速やかに実施する必要があるとした上で、その財源も「明確な考えを示すのが責任ある態度」だと表明。政府に対して既存歳出の見直しと同時に、国や地方で「復興需要が高まる間」は消費税や法人税、所得税の「基幹税を中心に」臨時増税を実施することを速やかに検討し、具体的な措置を講じるべきだと求めた。増税に先立って発生する復興需要を補うため「復興債」を発行する場合は、市場の信認を維持するために増税による財源確保が「特に重要」だと指摘した。

 ただ、どの税を採用するかは「他の改革も進んでおり、個別の税目を出すべきでないとの結論に至った。具体的な税目は政府に任せたい」(検討部会長の飯尾潤政策研究大学院大学教授)として、記載を見送った。

 また、今回の震災では被災地に財政力の弱い地方自治体が多いことも合わせて指摘。国費の支援があっても、地方に負担が生じることが見込まれるとして、基幹税の臨時増税による税収を地方の復興財源に充てる必要性を併記したほか、地方交付税も増額して「確実に財源の手当てを行うべき」だとしている。

 <自由貿易体制の推進で復興へ>

 提言には、復興に向けた日本経済の課題も盛り込んだ。日本企業の海外移転による空洞化や、海外企業の日本離れなどを防ぐためには、電力の安定供給確保に「優先度の高い問題として取り組まなくてはならない」として、エネルギー戦略の見直しを提唱。事業者が再生エネルギーで発電した電気を電力会社がすべて買い取る「全量買い取り制度の早期成立・実施が不可欠」とした。また、海外の活力を取り込むことが必要だとして「自由貿易体制の推進」も必要だとしている。

 被災地復興に関しては、予想を超える大規模な自然災害による被害を最小化する「減災」の必要性に言及。土地利用手続きの一本化や災害対応制度の創設、特区による特例措置の導入などを挙げた。

 <政府は誠実に速やかに実行を>
 提言の最後の「結び」には「政府がこの提言を真摯(しんし)に受け止め、誠実に、速やかに実行することを強く求める」と記した。提言の原案を作成した御厨貴議長代理(東京大学教授)は「政府に逃げるな、と相当な思いを込めた」と話している。

 議長の五百旗頭氏も、今回の提言は年末の最終提言取りまとめに向けた「第1次提言」ではなく、「現時点で出せるものは全部出した」ものだと説明。最終提言は「事態が進展する中で考えたい」とした。


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