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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
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●熟語の読み・一字訓読(その288)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<鋺:エン、はかりざら、かなまり、まり> *漢検2「はかりざら」訓ナシ(意味②にあり)
・はかりざら:秤鋺(ヒョウエン)=はかりのさら *「秤」:現行音に“ヒョウ”ない(ビン、ショウ、はかり)が、「秤量(ヒョウリョう)」あり・・・慣用音か?
・かなまり、まり:(邦語。金属製の椀のこと。)
<錮:コ、ふさ(ぐ)、とじこ(める)、かた(い)、ながわずら(い)>
*漢検2「とじこ(める)」訓ナシ(ただし、意味②に“とじこめる、「禁錮」”掲載あり)
*錮:2級:中学…コ 1級…ふさ(ぐ)、とじこ(める)、かた(い)、ながわずら(い)
(既掲載記事の再録)
①錮(いかけ:当て字)― 錮(ふさ)ぐ
②禁錮(キンコ)- 錮(とじこ)める
③錮陋(コロウ)― 錮(かた)い
④錮疾(コシツ)― 錮(ながわずら)い
(参考)
①錮(いかけ):「錮(こ)」の字は、「溶かした金属を流しこんで、すき間をふさぐ。いかける。」というのが、もともとの意(漢字源)。=鋳掛。(錮(いかけ)=鋳掛:はんだなどで金属製器具を修繕することー三省堂・難読漢字辞典ー) ⇒後記<周辺知識①>参照。
②禁錮:もともとは仕官の道を「ふさぐ」意。ここでは通説的に「とじこめる」意としています。他に、「廃錮(はいこ):官吏の身分をとりあげて、家で謹慎させること ・・・漢書ほか出典多・・・「松陰全集の中にも、「・・・信頼する杉蔵へはこの他にもいくつかの大切な書簡が残されています。 安政5年7月11 日 ・・・吾れ幽囚廃錮、為すある能はずと雖も、近ごろ恩旨を蒙り、建言諱(い)まざるを 允(ゆる)さるるを得たれば、其れ徐(おもむ)ろに具して之れを奉らん。・・・」とあります。他に、「党錮」⇒後記<周辺知識②参照。
③錮陋:=頑迷固陋の「固陋」に同じ。「固」のほうが一般的。頑固。
④錮疾:これも「痼疾」のほうが一般的。なかなか治らない病気。
<周辺知識①>
錮(いかけ)の語源:①穴があいた鉄や銅の鍋・釜を修繕することを“鋳掛(いかけ)”といい、これを職業とする人を“鋳掛師(いかけし)”といった。江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には、「白鑞(しろめ)を鎔(わ)かして鍋・釜の漏(もり)をふさぐのを鋳懸(いかけ)という。錮の字を用いる。」とある。錮は“ふさぐ”と訓読みし、刑罰の禁錮(禁固)も、もともとは仕官の道をふさぐことを意味しました。
②江戸の文政時代、滝沢馬琴などと親交のあった山崎美成編の「海録」と云う辞典で見ると、当時は. 鋳掛けを普通は骨路(コツロ)と呼んでいたと ある。ふさぐことを意味する錮(コク)が訛ってできた用語かと思われる・・・。 ①、②ともにネット上からの借用。
<周辺知識②>
党錮:「党」は党人のこと、「錮」は禁錮の意。中国、後漢末、政界の中枢を握っていた宦官が儒学の徒である官僚層(党人)を禁錮に処して、その批判を封じたこと⇒「党錮の禁(とうこのきん)」:後漢末期に起きた弾圧事件。宦官勢力に批判的な清流派士大夫(党人)らを宦官が弾圧したもので、その多くが禁錮刑(現代的な禁錮刑とは異なり、官職追放・出仕禁止をさす)に処された事からこの名で呼ばれる。大要、ネット上から借用。
<錚:ソウ、かね、どら>
・かね:(=鉦のこと)錚鐸(ソウタク)
・どら:(大漢和・字通には熟語ナシ)
*錚錚=①金属、金鉄の音、②凡人の中で少し優れた者 ・・・
*錚然=金属の音
<錣:テツ、しころ>・しころ:(邦語)
*「錣」に、算木・かずとりの意のほか、①はり ②むちさきの鉄片 ③むち の意あり。
(漢検2にも、意味②「馬のむちの先につけた針」とある)
*錣鈞(テツキン)=多寡をはかる器。かずとり。算籌。
*錣針(“テイ”シン)=つづり針(漢字源:音に、テイ(漢音)、タイ(呉音)あり)
*その他(字通に掲載の熟語):策錣、引錣、錯錣、利錣・・・
<鍠:コウ、まさかり、おの>
・まさかり:(熟語見当たらず)
・おの:儀鍠=明(ミン)のときの、木を刻してつくった斧)
*鍠鍠=鐘鼓の音。一説に、音の和すること(和らぎ楽しむ意)。
*「鍠」:秦の時代に鉄鉞を改めて“鍠”としたとある。また、唐では剣に似た兵器のこと。
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