日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・再々中断していた「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開します。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。必要に応じて、なるべく、同記事内容も再録いたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●熟語の読み・一字訓読(その305)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<馮:ヒョウ、フウ、よ(る)、たの(む)、かちわた(る)、いか(る)、つ(く)> *フウ音はほとんど人名に使われている。 *「いか(る)」以外は、類:憑。
・よ(る)、つ(く):
馮依、馮軾(ヒョウショク)=軾によりかかること=敬礼の一様式=馮式(ヒョウショク)、馮几(ヒョウキ)
・たの(む):馮頼=たよりたのむ、馮翼(注1)、馮恃=たのむ、たのみとする=憑恃、馮天=天命をたのみとする=憑天
・かちわた(る):
馮河
・いか(る):馮気(注2)、馮怒(注3)
・その他
*「馮陵(ヒョウリョウ)」:しのぎおかす、勢いをたのんで迫りしのぐ=憑陵(大漢和・大字源)攻め寄せて侵す。 *「馮」に“しのぐ、おかす、あなどる”意(大漢和)向こう見ずにむつかっていく意(漢字源)あり。
*「馮馮(ヒョウヒョウ)」:
漢字源:①ぶつかる時の音の形容 ②物事がさかんなさま ②多いさま ④渾沌として形の定まらないさま ⑤馬が向こう見ずに駆けるさま
大漢和:①堅い声のさま ②盛満のさま ③衆いさま ④無形、混沌のさま ⑤馬行の疾いさま
大字源:①硬い物をたたく音のさま ②充満して多いさま ③混沌として定まらないさま
(注1)「馮翼」:(大漢和)①たよってたすけとする ②氤氤(インイン)浮動のさま (漢字源)ぶつかりあいつつ漂う、天地の間にあって万物のもととなる気が浮遊しているさま
*「憑」に代替できる熟語多。(下記参照)
(注2)「馮気」:(大漢和)憤懣の気 (漢字源)がむしゃらに向かっていく気持ち。盛んな志気。一説に、憤懣の気。
(注3)「馮怒」:(大漢和・大字源)大いに怒る、激怒、赫怒、震怒、(漢字源):向こう見ずに怒る、激怒。 =“憑怒”←実は「憑」にも(現行訓にはないが)怒る意あり。大漢和・大字源には「憑怒」の熟語あり(漢字源には、いかる意ナシ、「憑怒」もナシ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考>・・・まだ、未掲載だったかも知れない・・・
<憑:ヒョウ、よ(る)、たの(む)、つ(く)、かか(る)、かちわた(る)>
(注)「憑」には「いか(る)」の“現行”訓なし。「かか(る)」訓は「憑」にのみあり。
・よ(る):憑虚=虚による、虚空にのぼる、憑几=凭几、憑拠=よりどころにする、憑肩= 肩をよせる 証憑
・たの(む):憑天=天にたのむ、天佑をたのむ 憑恃(ヒョウジ)=たのみとする 信憑・信憑性・・・
・つ(く):憑物=人にのりうつって祟りをする精 憑依=のりうつる、霊がよりつく、たのむ、よる、よりかかる。憑噫(ヒョウイ)=胸ふさがる:「心、憑噫して舒びず、邪気壮んにして中(こころ)を攻めん・・・」・・・「もだえる」意かも・・・。
・かか(る):憑肩=肩によりかかる、憑妖=あやしいことにかこつけていう・かこつけてあやしいことをいう 憑欄(ヒョウラン)=てすりによりかかる
・かちわた(る):憑河=河を徒渉する
*その他:(現行訓にはないが、「いかる」意あり)憑怒(ヒョウド)
*その他、「大いに」等の意もあり。憑憑:盛んなさま
*四字熟語 「憑空臆造(ヒョウクウオクゾウ)」:根拠なく自分の考えで推量すること。(「憑空」:事実のないこと(空に“よる”意か・・・))
👍👍👍 🐒 👍👍👍