FREAKY 13 DEAKY

酔いどれの誇りと踊る熊へ

ささやかな光と消えそうな希望と共に

2019-04-10 15:21:27 | 創作詩
もうやり尽くしたのかなと思い、つまらなく退屈になりそうな気持ちになった時。

実はやり尽くしていないのかもしれない。


砂場で遊んでいた時代。暗くなっても地下トンネル作っている自分に

痺れを切らした母親からいい加減帰って来いと怒鳴られて途中でやめても

後ろ髪を引かれる思いはしなかった。もう気の済むまでやり尽くしていた。

お風呂で泥だらけの体を洗っているときには砂場なんて忘れている。

さっぱりしてご飯を食べて宿題サボって漫画を読みながら寝てしまえば完璧だ。


また砂場も広場もブランコも全てが揃っている。

自転車だって持っている。遠くへ行ける。300円持っていたら完璧。


隣りのまた隣の町へ遠征し、駄菓子屋でミリンダを飲みカニパンを齧って帰還する。


誰の土地だかわからないし知りたいとも思わない不明な場所を見つけたくて


探検する。秘密基地を探す。



誰も知らない場所に行きたくなる。それはその時に生まれた感覚。


消極的でも積極的でもない精神状態。


ただ自分が心底そうしたいだけ。


その気持ちは手放さない。他のみんなはどこかへ置いてきてしまったのに。

新しいものを手に入れるために。

その気持ちは忘れない。忘れられない。


思い出に囚われている。


囚われていよう。


三十代までは捨てようと思っていたこともあった。


もういいなと思う。これでこそと思える。

形だけの心配や忠告も遥か彼方。

人々の嘲笑はもう聞こえない。聞かない。


人生に正解は無いという。こうあるべきたともいう。

砂場に居た頃の少年は、こうあるべきだなんて一つも思わなかったはずだ。

ただしたいこと今できることやっていた。

そして一日が終わった。


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