
西岡力氏解説 「金与正談話」に惑わされるな
北朝鮮拉致問題の解決に向けた水面下の日朝交渉をめぐり、北朝鮮側からの揺さぶりが止まらない。
金与正・朝鮮労働党副部長からも談話が相次いでいて、北朝鮮の思惑や狙いを正確に見極める必要があろう。
モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所教授、西岡力氏が解説する。
聞き手は月刊「正論」編集委員、安藤慶太。
西岡力さんは公益財団法人モラロジー研究所歴史研究室長・教授。
また 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)会長です。
松原仁さんとは立場が違うのでまた違う考えをお持ちなのかもわかりません。
2010年から救う会の会長ですから西岡さんも拉致問題について長くかかわっておられます。
また韓国語、朝鮮語も熟知されているようです。
ですから岸田訪朝があれば同行するべきだとの声もあります。
動画でも話されていますが西岡さんは産経新聞に連載を持っています。以下は4月13日の記事です。
この中で北朝鮮の変節の理由を考察されています。⇩
岸田政権は北朝鮮と水面間で交渉しているのは間違いない様です。
しかし何らかの理由で北朝鮮は臍を曲げたというか、機嫌を損ね態度を変えている様です。
能登半島地震へのお見舞いメール。
今までの北朝鮮では考えられない様な岸田首相に「閣下」との敬称付け。
そもそも敵対視している日本の災害にお見舞いなど普通は考え辛いです。
北朝鮮も自然災害が多いですから、その時を見越しての反応かもわかりませんが。
ところがこんなに融和的だった北朝鮮が突如豹変したのです。
日本側の拉致問題についての姿勢、発言は変わらないのに。
では金与正は3月25日になって日本をあからさまに罵倒したのはなぜなのか。
やはり北朝鮮は日本からの援助が欲しいのです。
資金援助や食糧支援。
喉から手が出るほど欲しいのです。
そこは駆け引きでしょう。
駄々っ子を宥める如く、機嫌を取りつつ言うべき事を言う。。。
難しいですね。
突如、日本を罵倒し出した北朝鮮。
やはり北朝鮮の要望を受け入れられないと日本側は拒否した事が原因なのでしょう。
被害者を戻して欲しい一心で北朝鮮の要望に応じたらどうなるのか。。。
ここなのですね。
ストックホルム合意の頃、田中実さんと金田龍光さんを戻すと打診してきたと最近暴露されましたが、
安倍政権はそれに応じなかった。
それは二人の帰国で拉致問題を終わりにしてはいけないとの考えだったと。
この事について荒木和博さんは批判していますが、突破口にするのかこれで解決済みとされてしまうのか。。。
どちらが良いのか判断しにくいですが、全員帰国の趣旨から外れますし、
北朝鮮の事、騙してなんぼの国です、信用できないですしね。
北朝鮮という専制国家であり恐怖政治の国の難しさ。
人の命を虫けらの様に扱う国北朝鮮。
誘拐犯に身代金を渡して被害者を取り戻しても犯人逮捕できない事件。
いいえ、身代金を渡しても被害者を取り戻せなかったり殺害される場合もあります。
では北朝鮮という国家が他国の国民を拉致し続け、返して欲しいならカネ出せと。
それ相当の資金援助をしても取り戻せたのは数人では解決にはなりません。
やはりこうなる前にあらゆる圧力、制裁を加えておくべきなのです。
朝鮮総連、高麗航空、金正恩ファミリーの資産凍結等々、まだまだ日本が切れるカードはある筈。
それをしない日本政府。
有利に事を進める為には出来る限りのカードを持っておくべきなのです。
北朝鮮が拉致問題を解決しない事には困窮すると分からせなくてはなりません。
とはいえ、北朝鮮はこちらの常識は通用しないでしょう。
圧力を掛け過ぎて暴走する事もあり得ます。
簡単に北朝鮮の要求は飲まないで欲しい。
全員戻せば北朝鮮は豊かになると思わせるにはどうすれば良いのか。。。
駆け引きでしょう。
交渉術でしょう。
日本にそれらの条件を満たす有能な人材がいるのかどうなのか。
表向きは「条件を付けずに金正恩に遭いたい」と言っている岸田さん。
しかし水面下で接触しているらしいし、全員取り戻す従来の方針は変えていない様子に少し安堵します。
ただ被害者も被害者家族も高齢になっています。
帰国し日本の生活に慣れるにも時間がかかります。
そう考えると一刻も早く解決して欲しいですし、政府の力に頼るだけでなく、
世論の力を発揮する事も重要でしょう。
その為にはマスコミの力も必要です。
こんな時こそ、マスコミは最大限の力を発揮し世論を動かして欲しいです。
マスコミの責務を今一度考え、世論を動かして政府の力になって欲しいです。
また岸田さんには支持率の為にと焦って北朝鮮の言いなりにならないでもらいたいです。