第8章 【勝利者たち】
ここからは歩道を走る。
すっかり薄暗くなり、マスク越しだと見えづらくなってきた。
道行く車もヘッドライトを点灯している。
路面の凹凸に気を付けながら走る。
沿道のお店の方が表に出て声援を送ってくれている。
ホテル角萬前の植え込みにあと1kmの看板があった。
もう少し。
時間は大丈夫だ。
パチンコ店の角を曲がる。あと500mだ!
走り終えたランナーや応援の方から声援を受ける。
突然、反対側の駐車場から「かるろす~お帰り~!」の声が。
どなたかは分からないが、ブログを読んで頂いている方だろう。ありがとう!
そして右折して会場内へと入る道へ。
雨せいか人があまりいない。
こんな状況じゃ、仕方ないな。
「カル友」の50km組の皆さんも待ってはいないだろう。
最後の角を曲がる時、MCの女性がナンバーと名前を呼んでくれた。
昨年、呼んでもらえずに寂しい思いをしたので、そのことをアンケートに書いたのだが
その意見を取り入れてもらったのか、今年は最後のランナーまで呼んでもらえるようだ。
感謝!
ゴールゲートが見えた。
その時、ゲート方から大きな声で「岡部さ~ん!」と叫んで手を振っている女性の姿が…。
ブンタちゃんだ!!
待っていてくれたんだ、嬉しい!
私も手を振りながらゴ~~~ル!!!
ボランティアの女子高生から完走メダルをもらう。
そこへブンタちゃんが駆け寄ってきた。
竹島さん始め、50km組コスプレ隊の皆さんもいる。
みんな、ありがと~♪
そこへ藤原さんも息子ちゃんを連れてやってきた。
さっきは、道路上でも写真を撮ってくれていた。
みんなで記念撮影。
今年は最高のゴールだった。
走り終わっても達成感のようなものは何もない。
ただ、もう走らなくて良いという思いだけだ。
手荷物を受け取りに行こうとしたら、選手宣誓をした女性ランナーと再び会った。
彼女も無事に完走できたそうだ。良かった。
お互いの健闘を讃え、しばしお話をしたが、
なんと、この方も私のブログ読者だった!
最後の最後まで驚きの大会となった。
完走パーティーに行き食事をしているとバナナパイさんが歩いているのを見つけ声を掛けた。
私の素顔を知らないので、訝しげだったが「かるろすです」と名乗ると「あー」と分かってくれた。
惜しくも制限時間には間に合わなかったそうだ。
しかし、完走は完走だ。
彼女もまた勝利者だ。
いや、彼女だけではない、途中で無念のリタイアをしたランナーも
更に言えば、「スタートラインに立ったものすべてが勝利者だ」というマラソン界の名言もある。
マラソンを始めたころ、この名言を聞いて
「なんかカッコつけてるな~」と思ったが、今では心からそう思う。
練習や準備、スタートに至るまでの様々な障害を乗り越えて皆参加しているのだ。
特にウルトラマラソンとなればその壁は更に高いものとなる。
フルマラソンを完走した者でさえ、エントリーするのを躊躇する。
そう、我々は皆、己に打ち勝ちスタートラインに立った勇者なのだ!
と、熱くなっていたところへkazuさんがやってきた。
暫しお話し、今夜のホテルへ行くためお別れして行こうとしたら
ブンタちゃんたちと会ったので、また暫しご歓談。
そして会場を後にし、今夜の宿泊地「かんぽの宿」に着いた。
さっそく、温泉に入ったが、体中に擦り傷が出来ていて、あちこちしみて痛い。
ここで初めて100km走ったことを実感した。
部屋に戻り、完走パーティー会場でもらった缶ビールで一人乾杯。
疲れのせいか、一気に酔いが回り、早々に布団にもぐりこんだ。
長い、とても長い一日がやっと終わりを迎えたのだ。
(次回、【エピローグ】へ つづく)
注:文中、私以外の方の氏名は仮名です。
ほぼ事実ですが、一部脚色、記憶のあいまいさから事実と違ったり、
場面が前後している場合があります。なので、つっこまないでねw
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ここからは歩道を走る。
すっかり薄暗くなり、マスク越しだと見えづらくなってきた。
道行く車もヘッドライトを点灯している。
路面の凹凸に気を付けながら走る。
沿道のお店の方が表に出て声援を送ってくれている。
ホテル角萬前の植え込みにあと1kmの看板があった。
もう少し。
時間は大丈夫だ。
パチンコ店の角を曲がる。あと500mだ!
走り終えたランナーや応援の方から声援を受ける。
突然、反対側の駐車場から「かるろす~お帰り~!」の声が。
どなたかは分からないが、ブログを読んで頂いている方だろう。ありがとう!
そして右折して会場内へと入る道へ。
雨せいか人があまりいない。
こんな状況じゃ、仕方ないな。
「カル友」の50km組の皆さんも待ってはいないだろう。
最後の角を曲がる時、MCの女性がナンバーと名前を呼んでくれた。
昨年、呼んでもらえずに寂しい思いをしたので、そのことをアンケートに書いたのだが
その意見を取り入れてもらったのか、今年は最後のランナーまで呼んでもらえるようだ。
感謝!
ゴールゲートが見えた。
その時、ゲート方から大きな声で「岡部さ~ん!」と叫んで手を振っている女性の姿が…。
ブンタちゃんだ!!
待っていてくれたんだ、嬉しい!
私も手を振りながらゴ~~~ル!!!
ボランティアの女子高生から完走メダルをもらう。
そこへブンタちゃんが駆け寄ってきた。
竹島さん始め、50km組コスプレ隊の皆さんもいる。
みんな、ありがと~♪
そこへ藤原さんも息子ちゃんを連れてやってきた。
さっきは、道路上でも写真を撮ってくれていた。
みんなで記念撮影。
今年は最高のゴールだった。
走り終わっても達成感のようなものは何もない。
ただ、もう走らなくて良いという思いだけだ。
手荷物を受け取りに行こうとしたら、選手宣誓をした女性ランナーと再び会った。
彼女も無事に完走できたそうだ。良かった。
お互いの健闘を讃え、しばしお話をしたが、
なんと、この方も私のブログ読者だった!
最後の最後まで驚きの大会となった。
完走パーティーに行き食事をしているとバナナパイさんが歩いているのを見つけ声を掛けた。
私の素顔を知らないので、訝しげだったが「かるろすです」と名乗ると「あー」と分かってくれた。
惜しくも制限時間には間に合わなかったそうだ。
しかし、完走は完走だ。
彼女もまた勝利者だ。
いや、彼女だけではない、途中で無念のリタイアをしたランナーも
更に言えば、「スタートラインに立ったものすべてが勝利者だ」というマラソン界の名言もある。
マラソンを始めたころ、この名言を聞いて
「なんかカッコつけてるな~」と思ったが、今では心からそう思う。
練習や準備、スタートに至るまでの様々な障害を乗り越えて皆参加しているのだ。
特にウルトラマラソンとなればその壁は更に高いものとなる。
フルマラソンを完走した者でさえ、エントリーするのを躊躇する。
そう、我々は皆、己に打ち勝ちスタートラインに立った勇者なのだ!
と、熱くなっていたところへkazuさんがやってきた。
暫しお話し、今夜のホテルへ行くためお別れして行こうとしたら
ブンタちゃんたちと会ったので、また暫しご歓談。
そして会場を後にし、今夜の宿泊地「かんぽの宿」に着いた。
さっそく、温泉に入ったが、体中に擦り傷が出来ていて、あちこちしみて痛い。
ここで初めて100km走ったことを実感した。
部屋に戻り、完走パーティー会場でもらった缶ビールで一人乾杯。
疲れのせいか、一気に酔いが回り、早々に布団にもぐりこんだ。
長い、とても長い一日がやっと終わりを迎えたのだ。
(次回、【エピローグ】へ つづく)
注:文中、私以外の方の氏名は仮名です。
ほぼ事実ですが、一部脚色、記憶のあいまいさから事実と違ったり、
場面が前後している場合があります。なので、つっこまないでねw
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