かるろす工房

趣味の「作り物」関係を中心に(?)いろいろ書いてます。昔から運動が苦手でしたが、何故かマラソンにはまり走ってます。

カルデランレッドの風~第24回阿蘇カルデラスーパーマラソン走行記~【8】

2014-06-24 20:29:14 | マラソン走行記
第7章 【オサビシ峠とマダカ道】


関門を過ぎてすぐ、手を振っている人がいる。

トライアスロンをやっている畑中さんだ!

去年もこの辺りでラン友達の応援をしていた。

「去年より、早いよ~」と声援をもらった。

知り合いに応援してもらうと、嬉しくて力が出てくる。

が、さすがにここまで来るとそのパワーも長持ちしない。

脚にもかなり痛みが出てきている。

ヘロヘロになりながら走っていると後ろから

「イチゴちゃんにやっと追いついた」と声が…。

第4関門で気分が悪くなり、ちょっと休むと言っていた福留さんだった。

何とか回復し、驚異的な頑張りでここまで来たようだ。

まだ気分は悪そうだが、足取りはしっかりしている。

走り去る後姿を見ながら、そういえば他のラン友達はどうなったのか気になった。

私はほぼ最後尾を走っている。

すぐ後ろに来ていればいいのだが…。

しかし、後ろを振り返る余裕はない。

私もギリギリなのだ。

狭いコンクリート道をひたすら走った。


やがて、最後の難関、象ヶ鼻に来た。

景色は最高だ。

残念ながら、曇っていてイマイチだが、その代り緑の色がより鮮やかに映える。



ここまで、ほとんど写真は撮らずに来たが、少しだけシャッターを切った。



87.5kmのエイドに着いたが、なぜか撤収作業をしていた。

水がなくなったのだろうか?

幸い、のどの渇きは無いが、ちょっとガッカリした。

90kmのエイドまで我慢だ。

ここからは一気に下る。




既に脚はボロボロに近い。

着地するたびに膝と足首付近に激痛が走る。

声には出さないが、苦痛に顔がゆがむ。

傾斜の強いところは歩くがそれでも脚が悲鳴を上げる。

しかし、時間が無い。

歩みを止めるわけにはいかないのだ。

どうにか、激坂を抜け、少しゆるやかになったので

再び、走り始めた。


90kmのエイドが見えてきた。

さっきの分まで給水。

ずいぶん冷え込んできているが、脚と首へのかけ水もする。


エイドを出たがここはまだ90km地点ではない、去年の経験で知っているから気を緩めずに走る。


昼なお暗い林の中を走る。

オサビシ峠だ。

曇っているので暗さが一層増している。

夜は不気味だろうなぁ~と思いながら走っていると

前方に白っぽいウエアを着た女性ランナーの姿が見えてきた。

暗がりにボウッと浮かぶその姿は白百合のようでもあるが、ちょっと怖い感じもする。

もっとも、むこうも巨大なイチゴが付いてくるのに恐怖を覚えているかもだが。


ナンバーに見覚えがある。

開会式で選手宣誓をしたご夫婦の奥さんだ。


このご夫婦とはレース中、大体同じペースで常に前後しながら走っていた。

御主人がサポート役に徹しているようで、エイドのフードを袋に入れて奥さんに手渡したりして

なんとも微笑ましい姿を何度も見かけた。

素晴らしい夫婦愛だ!

羨ましい…。


しかし、ご主人の姿は見当たらない。

今、ここを走ってるということは関門ギリギリ。

おそらく、一緒にいると二人とも関門リタイアの危険があるので、ご主人だけでも完走できるように

奥さんが先に行くように言ったのだろう。

ご主人は最後までサポートする気持ちだったが、奥さんの想いを受けて後ろ髪引かれる思いで

先へと行ったに違いない。

これも夫婦愛だ!素晴らしい!!


などと、妄想を広げている場合ではない。

このままのペースでも関門には間に合うが、ギリギリなので少しも時間を稼ぎたい。


白百合さんを追い抜く。

黙って抜くのも何なので、「ギリギリ間に合いそうですね」と一声かけた。

「はい」と笑顔で応えてくれたので、ちょっと安心。


つづら折りの坂をドンドン下る。

下からはスピーカーの音が響いてくる。

ランナーを応援しているようだ。


やがて前方が明るくなった。

県道213号だ。

係員が手を大きく振っている。

「関門、間に合うよ~」

私も手を振り応える。


そして最後の関門通過!




閉鎖2分前だった。

今年も危なかった。

ゴールまで残すところ8km。



しかし、ここにきて雲行きが怪しくなってきた。

空を真っ黒な雲が覆い、ポツポツと雨が落ちてきた。

去年に引き続き、雨のラストランになってしまった。


地元の魚屋さんだろうか?トラックのスピーカーから音楽を流し

移動しながら大音量で声援を送ってくれている。


ここから先は平坦だが、脚は完全に逝っているのでスピードは出ない。

時間的には間に合うはずだが油断はならない。

この先に阿蘇カルデラ最後の落とし穴が待っているのを私は知っている。


95kmのエイドに着いた。

ここにも色々と珍しいフードがあった。

もう食べる必要はないのだが、エイドのスタッフに勧められチョコバナナを頂いた。

う~ん、美味い!

かき氷もあったが、雨も降って寒くなってきたし、ここでまたお腹が痛くなると困るので

それは遠慮してエイドをでた。


さあ、あと5kmと誰しも思うのだが、実はここはまだ95kmではない。

まだかなり手前なのだ。


エイドの人はあと5kmと言うが信じてはならない。

もちろんエイドの人がわざとウソを言っているわけではない。

彼らは95kmのエイドだからそう言っているだけだ。

悪気があるわけではないが、ランナーにとっては大きな問題だ。

特に私のようなギリギリで走っているランナーは数百mの違いでも影響を受ける。

去年、経験しているので私は大丈夫だが、初めて走るランナーはこのあと衝撃を覚えることだろう。


しかし、そんな私でさえもこの先の道はとても長く感じる。

この先、残り距離の看板が1kmごとに表示されるが、全然進まない感じがする。

本当にこの距離表示は合っているのだろうかと疑問を抱きながら走り続けることになる。

心の中で「まだか、まだか」とつぶやきながら走る。


辺りはすっかり薄暗くなり、雨もひどくなってきた。

水たまりがあろうとお構いなしに進む。



前方を黒っぽいウエアの女性ランナーが走っている。

去年、園児のコスプレで走っていたバナナパイさんだ。

途中何度かお会いしたが、ペースがだいぶ落ちてきているようだ。

この雨と寒さにやられたのだろうか?

「かなりギリギリですね」と声を掛けた。

きつそうだ。

私も限界に近い。


やっと内牧の温泉街が見えてきた。

国道212号線に出たところで信号ストップ。

ここにきて、このロスタイムは痛いが仕方がない。

ガードレールに手を付きストレッチをしながら信号が変わるのを待った。


信号変わり再スタート。

残りはあと1kmちょっと。

もうすぐゴールだ!




(次回、第8章【勝利者たち】へ つづく)



注:文中、私以外の方の氏名は仮名です。

  ほぼ事実ですが、一部脚色、記憶のあいまいさから事実と違ったり、
  場面が前後している場合があります。なので、つっこまないでねw




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おはようございます(6/24)

2014-06-24 06:51:01 | Weblog
晴れの熊本です。

そういえば、朝の水シャワーを始めてから1年ぐらいになりました。

ほぼ毎日、真冬も乗り越えました。

浴びてる時間は10秒もないくらいですが、シャキッとしますね

皆さんもいかがですか?

始めるには良い季節となりましたよ

では、今日も一日元気にヨロシク~
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カルデランレッドの風~第24回阿蘇カルデラスーパーマラソン走行記~【7】

2014-06-23 19:53:54 | マラソン走行記
第6章 【草原に吹く風】



波野を出たのは11時20分頃だったろうか。

この時点で貯金は25分ほど。

去年の経験から完走するためには波野を出る時点で最低20分の貯金が必要だ。

なんとかクリアしているが、それほど余裕があるわけではない。

沿道の方とハイタッチをしながらも気持ちは焦る。


歩いている男性ランナーから「イチゴちゃん」と声を掛けられた。

「カル友」メンバーの福留さんだった。

歩いているがキツイわけではなく余裕の様子。

過去9回完走してる実力者なのでレースを楽しんでいるようだった。


52.5kmのスペシャルエイドに到着。

ここは波野に劣らないほどフードの種類が多い。

でも、まだ2kmぐらいしか走っていいないのでお腹は一杯。

冷やしトマト1個だけ頂いて行こうとしたら

エイドのおじさんが「これ美味しいよ」と黄粉餅みたいなものをくれたので食べたら

今度は蒸かしジャガイモを差し出されたのでこれも頂いた。

我ながら意地汚いなと思いつつエイドを後にした。


国道57号線を横断。

ここからしばらくは下り基調。

貯金を減らさないように出来る限り飛ばしていく。


もう少しで第4関門の産山村役場に着くところで福留さんが追いついてきた。

何か表情が冴えない。

「脚は大丈夫なんだけど…。」と気分が悪いようだ。

「エイドで少し横になります。」とテントの方に消えていった。

ベテランでも何が起こる変わらない、阿蘇カルデラの怖さを見たような気がした。



産山村のスペシャルエイドではスープを頂いた。

午後になり曇ってきて少し気温も下がっているようなので、ありがたかった。

この時点で貯金はまだ25分残っていた。

頑張って走ったおかげで減らさずに済んだようだ。

ここからが正念場。

後半で最初の難関、第5関門の坂を目指しスタートした。


登り基調の道が続く。

少しずつ貯金も減り始めている。

そして、関門のある激坂に差し掛かった。


阿蘇カルデラ100kmは前半の黒岩峠の激坂に目を奪われるが

あそこは完全に歩くので実はそれほど問題にはならない。

しかし、この第5関門の坂は時間余裕がなくなっているので

ゆっくり歩いて登るわけにはいかないのだ。

もちろん走っているつもりでも、実際の速度は歩くのと大して変わりはしないのだけど

歩いてしまうと、気持ちが折れるのでスタイルだけでも走る格好で登るのだ。

懸命に登り、やっと第5関門の看板が見えた。



ここまでで貯金を8分ほど使ってしまった。



だが、これで終わったわけではない、このさきにまた激坂が控えている。

貯金は足りるだろうか?


後半に入り体のあちこちに痛みが発生し、疲れもピークに達しようとしているが

意外なことに前半よりも登り坂がきつく感じなくなる。

だからと言って速く走れるわけではないが、体が慣れたのか比較的楽に登れる。

逆に下りは足を着くたびに膝や足首へ痛みが発生し、まともに走れなくなる。

不思議なことだ。


場所がどこだったか覚えていないのだが、後半に2つ、ビックリする出来事が…。

1つ目はダラダラとした登り坂を走っていると、どこかのクラブの応援団が見えてきた。

女性が多いようだ。

クラブのメンバーだけでなく通り過ぎるランナーみんなに声援を送っている。

私も声援を受け、挨拶しながら途中まで来たとき一人の女性から名前を呼ばれた。

な、なんと以前スキューバダイビングをしていた時にご一緒していた方だった。

お互いやめてしまったので、その後会うこともなく、年賀状のやり取りだけが続いていたのだが

まさかここでお会いするとは。

ちょこっとお話して分かれたが、元気をもらい嬉しかった。


2つ目はカーブしている坂を下っていたら、下の方から郵便配達のバイクが登ってきて

すれ違いざまに「かるろすさん、ブログ見てますよ!」と声を掛けられた。

突然のことで、「ありがとう!」と返事はしたけどビックリ。

今回もブログを読んで声を掛けてくれるランナーは結構いたけど

まさか、通りすがりの郵便配達の方から声を掛けられるとは。

すごいタイミングだ。

並走するランナーから「人気者ですなぁ~」と冷やかされ、ちょっと恥ずかしかった。


そんな、嬉しいハプニングに力をもらいながら走り続けた。


相変わらず時間との闘いの中、エイドからエイドへ走る感覚で進む。

77.8kmのエイドだったか、給水とパンか何かを食べて直ぐに行こうとしたら

「うどんがあるよ~」と声を掛けられた・

「何っ!うどん!?」

うどんは私の大好物だ。

一瞬迷ったが、誘惑には勝てず、いちごマスクを脱いで、うどんコーナーの椅子に座った。

婦人会のボランティアさんからミニカップに入ったうどんを頂く。

乾麺ではあるが、美味い!

食べている間、いちごマスクに興味を示す婦人会の方々としばし手芸談義。

「白いツブツブは何でくっつけてるの?」

「ホットボンドですよ。」

「やっぱり!?」

「材料は殆ど100均です。」

「へーすごい!」

とても、ウルトラマラソンでの会話とは思えない。

隣に座った男性ランナーも話しかけてきた。

「イチゴさん速いね~重くて大変でしょ?」

「いや、軽いですよ」

いちごマスクを手渡す。

「いや~、でも大変だよね」

和やかな会話に心も癒されたが、まだレースは終わったわけではない。

お礼を言ってエイドを出発した。


相変わらず登り基調。

カーブして狭い道へ入ったところ目の前に急な坂が現れた。

その瞬間、並走していた男性ランナーが「はぁ~~~っ」と

何とも悲哀のこもった溜息をついた。

「初めてですか?」と聞いたら、もう何回も走っているとか。

何度走っても心折れそうになるのが阿蘇カルデラなのだ。


いよいよ激坂の始まり。

外輪山の上を目指し走る、いや、歩く。

薄曇りだが暑い。

みな、またゾンビのようになっている。

周りの風景は阿蘇特有の草原地帯へと変わってきた。

緑が目にまぶしい。

風も吹いている。

観光なら最高の景色だ。

そういえば、「カル友」メンバーの岩上さんが

サロマ湖100kmが「サロマンブルー」なら阿蘇カルデラ100kmは「カルデランレッド」だと言っていた。

赤は熊本、特に阿蘇のイメージカラー。

良いネーミングだと思った。

この雄大な景色、決してサロマ湖にも負けていない。




やっと登り上がった。

草原の一本道を風に吹かれながら黙々と走る。

あともう少しで84kmの第6関門だ。

かなり貯金を食いつぶしている。

遠くの方で手を振る人がいる。

ラン友の黒松さんだ。



事前にこの場所で応援している事を連絡してもらっていたのだが

いつ来るかも分からないのに待っているのも大変だ。

本当にありがたい。

ゆっくりお話ししたいところだったが、関門までの時間が気になるので

お礼もそこそこにお別れした。


カーブを曲がると関門が見えた。



残り時間3分前ほどで通過!

去年よりも2分早いが今年もギリギリだった。

そして最後の難関へと向かうのだった。




(次回、第7章【オサビシ峠とマダカ道】へ つづく)



注:文中、私以外の方の氏名は仮名です。

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おはようございます(6/23)

2014-06-23 06:45:02 | Weblog
曇りの熊本です。

ダル重な朝です

でも、昨日200km達成したので気は楽に

梅雨時期は練習もままならない日々が多くなりがちなので

出来る時にやっとかないとね。

ま、雨が降っても走ればいいんですけど…

では、今日も一日元気にヨロシク~
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今月も200km達成!

2014-06-22 21:09:26 | マラソン日記
今日は朝から雨だったので走らないつもりだったけど

午後になり止んだので走ってきました~



久しぶりにベアフットシューズで走ったので距離は短いけど

かなり脚に来ました



疲れ具合からするとフルマラソン走ったぐらいかな。




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天草マラソンシリーズ

2014-06-22 09:45:09 | マラソン日記
大会パンフが届きました~



この中で参加予定は天草マラソンだけですが

こういう風に地域の大会をまとめてあると便利ですね。

大会側もそれぞれが単独でやるよりも経費面とかのメリットがあるでしょうし。

マラソン大会が増えていく中、こういった取り組みで地域連携をとり、

更に内容に関しても色々とアイデアを出していかないといけない時期に来ているのかもです。

ランナーが参加したいと思うような大会にしていかないと、ですね。

もちろん、ランナー側も走らせて頂くことに感謝するのは大事ですが。



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おはようございます(6/22)

2014-06-22 07:04:35 | Weblog
の熊本です。

日曜日、家にいるのは久しぶり。

LSDやろうかと思ってたけど、この雨じゃね…。

来月の霧島エクストリームの下調べでもしようかな

では、今日も一日元気にヨロシク~
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筑後川マラソンの2次募集

2014-06-21 19:21:11 | マラソン日記
明日、6/22(日)10:00から筑後川マラソンのフル2次募集があるみたいです。

『ネットエントリーセンター』

先着500名だとか。

震災地支援金付なので1000円高くなりますけど。

逃した方はお早めに~



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カルデランレッドの風~第24回阿蘇カルデラスーパーマラソン走行記~【6】

2014-06-21 13:59:18 | マラソン走行記
第5章【出会いと別れ】

相変わらず晴天で暑い。

前半のこの辺りは木陰もあるが、後半は全くと言っていいほどないので

このままだと、かなりバテることになる。

周りのランナーは皆キツそうに走っている。完走率も悪くなりそうだ。


しばらく、走っていると下り坂で森下さんに追いついた。

若い女性ランナーと楽しそうに話しながら走ってる。

う~ん、うらやましい…。

後から蹴りを入れたくなる気持ちを抑え、抜きがてら

「相変わらず、下り坂に弱いですね」と声を掛けた。

森下さんは登りは大好きで強いのだが下りは苦手としている。

なので次の登り坂でまた追いつかれて抜かれた。

ここで若い女性ランナーと一緒に写真を撮ってもらった。



ちょっと、嬉しい。


次の下りで二人を抜き返す。下り基調が続くので私にとっては良い感じだ。

下りでガンガン飛ばし、登りでペースダウンの繰り返し。

平均すれば可もなく不可もなくといったペースだ。


ここで、内堀さんと一緒になった。

去年は後半のところでアドバイスを頂き、完走出来た恩人だ。

先日から足を痛めていているそうで、時々立ち止まって足をさすったりストレッチをしている。

でも、走りはまだパワフルで中々追いつけない。

その姿を見て「私も頑張らなければ」と思わされた。

今年も元気を貰った。


関門時間が気になる。

今のペースだとギリギリのようだ。

緩やかな登りが続くが関門に間に合わないわけにはいかない。

苦しいがペースを上げる。

やがて、内堀さんに追いついた。

「結構、ギリギリですね」と声を掛けた。

かなりきつそうだ。


関門に間に合わないかも、とう精神的なプレッシャーを走力に変えて走る。

そして、なんとか第2関門通過!




私はここで時間を勘違いしていたことに気付いた。

関門時刻は10:10なのだが、ずーっと9:55と思い込んでいた。

なので間に合わないかも知れないという恐怖で必死にここまで走って来たのだ。

「なんだ、頑張らなくても間に合ったじゃん」とつぶやいたが

「いやいや、これでも貯金をかなり食いつぶしてるんだから余裕こいて走ってたら大変なことになってたぞ」

と思い直した。


ここから波野までは下り基調。今の貯金は約17分

貯金に励まないと完走は無理。

夏の貯金キャンペーンを実施しなければ!

思いを新たにスタートした。


幸い、お腹の方もその後痛くならず、力も少し入ってきた。

42.159kmの看板を通り過ぎる。



フルマラソン以上の距離を走ったことない人にとって、ここから先は未知の領域だ。


下りに入り私のペースも徐々に上がり、先行する人を抜いていく。

脚はまだまだ大丈夫。

後半を考えると飛ばしすぎないほうが良いのだが、貯金できなければタイムオーバーでリタイアだ。

走れなくなったとしても、その時は自分の非力を認め諦めるだけ。

今は1分1秒でも良いので貯金に励む時だ!


先の方に見覚えのあるランナーが見えてきた。

頭に巻いたタオルの色は違うが、松田さんだ。

暑さにやられたのかきつそうだ。

一声かけて追い抜いた。


波野まであと少し。

だが、50km組のスタートには間に合いそうにない。

残念だが、記念撮影は諦めざるを得ない。

少し気落ちしながらも、目標を完走に集中させ気持ちを切り替えた。


50km地点を通過。

タイムは6時間8分10秒

去年は5時間59分19秒だったのに、これで完走に黄信号が点灯したようなもんだ。

気は焦るが、どうにもならない。

とにかく、頑張って走るのみだ。


途中、一家総出で応援してくれている方々がいた。去年も応援してくれてた家族だ。

苦しい中、心が和む。

「ありがとうございます!」と応えて通り過ぎた。


さあ、波野まであと少しだ!




予定を大幅に超過して波野に到着。

当然ながら、50km組はスタートした後。

休憩時間もあまり取るわけにいかない。

まずは補給だ。

スポドリを飲み、パン、そしてスイカを食べる。

おにぎりを2個貰い、辺りを見回すと救護所に折りたたみ椅子があったのでそこに座って食べる。

少しでも脚を休ませる。

次にそばを頂く。

食べるというより口の中に押し込む感じだ。

食べ終わり、休憩ついでにトイレに行こうとしたら数人並んでいた。

まだ大丈夫なので、ここはパスすることに。

あまり時間が無い、早くここを出なければ。


もう少し食べたかったのでパンを2個手に取り、行こうとしたら男性ランナーに声を掛けられた。

「カル友」メンバーの大舟さんだった。

大会前から痛めていた足が良くないのでリタイアするらしい。

う~ん、悔しいだろうが、仕方ない。これも阿蘇カルデラだ。

その決断に拍手を贈りたい。


大舟さんに見送られ、いちごマスクを被りながら波野レストステーションからコースへと出た。

さあ、後半戦!

いちごマスクの緒を締めて、パンをかじりつつ走り出した。



(次回、第6章【草原に吹く風】へ つづく)



注:文中、私以外の方の氏名は仮名です。

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おはようございます(6/21)

2014-06-21 06:59:32 | Weblog
の熊本です。

昨日のアクセス数が多くてビックリ

検索キーワードを見たら「福岡マラソン 抽選結果」で

このブログに来られた方が多かったようです。

なるほど!でした


オイラのラン友の当落を見ると当選倍率5倍にほぼ近い状況のようです。

5人に1人。

なかなか当たりそうで当たらないですね~。

Facebookでは当選した方が恐縮したような投稿をしていて可笑しかった。

当選したみなさん、堂々としていて良いんですよ!(爆)


来シーズンの大会エントリーがこれから目白押しになってきます。

見逃さないようにしないと、ね。


では、今日も一日元気にヨロシク~
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