![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/35/ea07041e41518792b9d5dca30fabc498.jpg)
9月18日(日)、読売新聞朝刊の『地球を読む』(御厨貴 青山学院大学特任教授)は「ゴジラにどう立ち向かう」というコラム。今ヒット中の映画 『シン・ゴジラ』を題材に非常時の危機対応の在り方についての話でした。読まれた方もいらっしゃるかと思いますが、近代史のなかで日本を襲った「災後」。関東大震「災後」、東京大空襲戦「災後」、阪神・淡路大震「災後」、東日本大震「災後」、熊本震「災後」など、日本人は築き上げてきたものを一瞬で失う経験を何度もしてきています。『シン・ゴジラ』は(ゴジラ=災害)が起きたとき、その「非常時にどう立ち向かう」かの問いを漫然と暮らす日本人に投げかけているとしています。ゴジラの発するビーム乱射で国の指導者が乗ったヘリが破壊され、総理大臣以下の閣僚が一瞬で殺されてしまうというシーン。非現実的かと言えばそうでもなく、首相官邸屋上にドローンが着陸したのはつい最近の出来事です。映画の最後はゴジラが凍結、フリーズされた状態で終わりますが、『シン・ゴジラ』も御厨先生のコラムも、非常に興味深くみさせていただきました。
写真は強大化したゴジラの最初の上陸場所。由比ヶ浜~材木座海岸の遠景です。1923年に起きた関東大震災の時には、発生した地震と津波で鎌倉市内は壊滅的な被害を受けました。あれから93年。ゴジラの上陸地点が鎌倉とは、考えさせられますね。
さて、もう一つ。欧米人と比較した、日本人の「謙虚さ」「奥ゆかしさ」「集団のなかでの秩序だった行動」など、外国人が不思議に感ずる日本人特有のDNAの原点は何か。それは、日本人の記憶の中に「ゴジラ」がいると誰もが思っているからでしょう。どんなに地位、名誉、財産などがある人も、何もない人も、大災害の前では平等に無力です。ゴジラの通った後やビーム乱射は平等にすべてを破壊しつくします。そして日本人は廃墟の中から何度も復興してきた記憶もDNAとして残っています。「生きていれば、なんとかなる」という考え方。これが大昔から受け継がれた日本人のDNAの原点だと考えます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます