北海道三大ラーメンは札幌の味噌、旭川の醤油、そして函館の塩と云われるのだが、鰹出汁の魚介系スープが定番の釧路ラーメンを加え北海道四大ラーメンと呼ばれることもある。
その釧路ラーメンを代表する行列店「まるひら」へ久しぶりに行くことにした。
昼時をかなり過ぎているのに次々と客が押し寄せている。
この店は鰹出汁の濃厚な香りが特徴的なアッサリ系で具材は単純。特にチャーシューはスカスカでイマイチなのだが、時々どうしても食べたくなる味だ。
食後真っ直ぐ帰るのも勿体ないので、ひと月程前に歩いた崖下の集落へ行ってみることにした。運が良ければキタキツネに会えるからだ。
狭い一本道を挟んで住居が並んでいるが、一軒だけあった商店は何年も前に店を閉じたようでシャッターは錆びついている。
入口が雑草で覆われた店のガラスに「理」の文字が見えるのは床屋だったのだろう。
残っている家々の軒先には花壇があり、鮮やかな花を咲かせているのは暗い気持ちを明るくしたいとの表れかも知れない。
初めてこの領域に足を踏み入れたルンバは興味津々。
津波発生時に崖上へ避難するための急坂を見て上がれる自信が無いと云うけれど、イザと云う時には火事場の馬鹿力が出て駆け上がれるかも知れないと自分を納得させていた。
廃線となった線路はさらに錆を浮かせていた。
その先に残る石炭列車の荷下ろし場を眺めて海へ出た。
、
晴れ渡った穏やかな海と潮風の匂いが心地良い。
さて戻ろうかと歩き出した所へキツネさんが登場。人馴れしているのか全く逃げる様子も無く私達とお散歩。
ここは案外、人間もキツネにも住み心地の良い場所なのかも知れない。