今夜、吹雪の予報が出ている。
玄関前に置いてある車を車庫に入れた方が良いんじゃないかとルンバは云う。
それもそうだと車庫へ入れる為に着替えた。
それを見て一緒に着替えるルンバ。
「ついでに買物へ行こう」と云う。ヤツの狙いはコレだ。
TRIALへ行って店内をウロウロしている。行ったり来たりの無駄な動きが多いのは、買いたいものをメモしていないからだ。
カートを押すルンバの後ろを両手にキッチンペーパーとテイッシュを持ってヨタヨタと歩く。
いつもとは違う食品コーナーではなく下着の並んでいる場所で停まった。
品定めしているのは色気の全くない「婆パンツ」。
ここ数年下着姿を見ていないがルンバは既に「婆パンツ」を愛用しているのだろうか。
それを想像しただけで……さらに縮んだ。
私が後ろにいるのを見て先に会計して車で待っていてと云う。
下着を選んでいるのを見られたくないのだろう。
私は両手に持っている分だけ会計し、先に車へ戻った。
運転席に座ってしばらく待っていたら荷物を持って遠くを歩いているルンバを見つけた。
多分、車を停めた場所を勘違いしているのだ。
私は車から出て迎えに行こうと思ったのだが体が動かない。
「婆パンツ」の姿を想像したら縮んだまま腰が動かないのだ。
私は運転席から迷っているルンバをただ眺め続けた。