高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

梅田 1

2007年05月23日 22時21分47秒 | 出張

大阪のデパートは夜中に飾り付けをしたり、朝早く飾り付けをさせられる所が多い。大阪人らしく、1時間でも多く、一人でも多く、何でもちょっと多く‥‥。今日も朝5時から飾り付け、今回初めて催事に出てきた「月足さん」 20070523193148 昨年「竹の学校」を卒業、もう1年、工芸試験場の研修生を経験、今年の春から工房に入って来た、ピカピカの一年生である。「現場を知らないと良い作品は作れない!」そんな思いで連れて来た。

最初の手初めに「この篭を30個作ってもらいます」と言われた時はびっくりしたそうだ。「竹の学校」や研修生の時は同じものを何十個も作る事は無い、職人としては同じものを同じ寸法で早く作らなければならない。当たり前のことであるが、この基礎技術の積み重ねで少しずつ高度な作品へと上達していくのだ。今は職人としての技術があることはもちろん、並行してお客様作り、自分の作品をどうやって価値あるかたちで世間に広めていくか?そんな販売力も必要だ。作る事と販売する事が両輪になって回っていかなければ生き残っていけない時代である。

彼女も将来独立していく時の為にも、売る現場は生きた教材、ヒントが一杯あるのだ。「お金を払って物を買う」大変エネルギーの要ることである。しかし、その財布の口を開いてもらうには何か訴えるものがなければならない、そんな事を知って貰いたくて売り場に連れてくるのだ。お客様の中にはいやみを言う人も居る。しかし、本当に喜んで「ありがとうございます、ありがとうございます」と反対にお礼を言いながら買っていって下さる方も居る。そんな現場に出会うと物作りがいっそう楽しくなるのである。


竹工房オンセ

コメント (1)
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