先日、とある職人さんと懇親会で御一緒になった。ちょっと気難しそうな顔をしていて近寄り難い感じがした方だ。たまたま、近くの席になり杯を交える事になった。お互い名紙を交換して(日本人の変な癖、酒の席まで名紙を出すな!) 話しているうちにその人は工芸会の会員だそうだ。
「工芸会を知ってる?」と聞くから、
「はー、名前だけは」と答える
「人間国宝に一番近い人たちの集まりだヨ」
「へー、そうですか?」
「伝統工芸士なんて、誰でもなれるけど工芸会の正会員にはなれないんだヨ」
ますます、「へー、そうですか?(アホか!)」
「君も工芸会に出展しなさい」
「はー、ありがとうございます。(人それぞれじゃ!)」
「九州だったら、西部工芸展に知っている人がいるから話をしてやるヨ」
「ありがとうございます。(余計なお世話じゃ!)」
「まー、若いんだから頑張りたまえ」
「頑張ります。(人の作品も見ずに良く言うわ!)」
注;( )の中身は心の叫び、決して声を出してはいけない。
人がどんな方向に夢を持って生きていくか?は人それぞれ、地位や名声を求める人も居れば、お金を求める人も居る、納得できる行き方を探している人も居る。本当にそれぞれである。何を求めるか?はある意味宗教と同じで自分の信ずる道を進めば良いのであって、人に押し付けるものではない。若い時は遮二無に試行錯誤して もがいているもの。その中から自分に合った夢を見つけ目指していくのだから。
話を聞いていて、私も知らないうちに若い人に自分の価値観を押し付けていないか?と心配になった。