竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

腹の虫起こさぬための懐手 たけし

2021-03-06 | 入選句



腹の虫起こさぬための懐手 たけし



2021年3月5日 朝日新聞 栃木俳壇にて石倉夏生先生の選を頂きました

いまは三寒四温の季節なのだが

掲句は投句がまだ冬の最中だったので季語がずれているのが目立つ



いまさらのように俳句は季節への挨拶が大切だと思う



掲句は懐手に意思のあることをデフォルメして詠んだ

寒いから、手持無沙汰だからではない



理性に反して起きだそうとする腹の虫を

懐手がしっかりと抑えている



実は坂本龍馬の懐手もそうだったのかもと思って利している



身と心の不均衡を読み取っていただければ幸いだ

もの言わぬガマは語り部八月来 たけし

2021-03-05 | 入選句



全国を冠した俳句大会は数多いが

この西東三鬼顕彰の俳句大会は

大賞賞金が50万円ということで特異な存在だ

今回はじめて投句したところ「佳作」に採られて作品集が送付されてきた

下記のような順序で掲載の作品集でなかなかの質量だ



ちなみに大賞句は

マスクしてしづかな国となりにけり 松だ桂子



拙句は

もの言わぬガマは語り部八月来 小林たけし



応募総数4228句

大賞1句

秀逸 10句

入選 30句

佳作 57句



考えようによれば膨大な総督数の中で42位タイともいえるのがから

喜んで好いのかもしれない

献体の戻らぬ遺骨霜の声 たけし

2021-02-27 | 入選句


献体の戻らぬ遺骨霜の声 たけし

2021年2月26日 朝日新聞 栃木俳壇
 石倉夏生先生の選をいただきました

投稿日が1月初めだったので
季語が冬になっています

原句は上5が<献体に>だったのところ
掲句の添削をいただきました
助詞の扱いは難しいとつくずく思います

句友のお母様の献体のお話を聞いての作です

人海の波打つ花の無人駅 たけし

2021-02-18 | 入選句



人海の波打つ花の無人駅 たけし

2015年3月15日 朝日新聞
栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただいたもの

渡良瀬渓谷鉄道の駅はほとんどが無人駅だが
桜と紅葉の時期は大変に賑わう

桜を求めて一人吟行をしたおりの作品だ
桜も見事で十分に楽しめたが
あまりにもたくさんの人手に驚愕した

春寒しシャッター通りに古本屋 たけし

2021-02-17 | 入選句


春寒しシャッター通りに古本屋 たけし

2016年3月8日
朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただいた

宇都宮のアロオン通りは
店のほとんどというほど廃業のようにシャッターを閉じている

そんななかで古本屋が店を開いていたのだが
なんとも春だというのに寒々しく感じられた

命日が二日増えてる古暦 たけし

2021-02-05 | 入選句


命日が二日増えてる古暦 たけし

2021年2月5日 朝日新聞 
栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

昨年末の投句です
年の終わりにカレンダーを取り換えますが
知人の何人かの忌日が記されています

ここ数年、その忌日を手帖に記録することが
習慣になっています

ふと自分自身の余日を思ったりします

殉死者の墓に寄りそい犬ふぐり たけし

2021-02-04 | 入選句


殉死者の墓に寄りそい犬ふぐり たけし


 朝日新聞 栃木俳壇
石倉夏生先生の選をいただきました

2015年3月17日 もう6年も前のものです 

日光にはたくさんの寺社があります
門外に組石が並んでいることがあります

殉死者の墓だと知りました
殉死はみとめられていなかったので寺社の門内にjは弔われなかったそうです

この季節
そっと犬ふぐりがよりそっているのを観ました

虎落笛期限の切れた置き薬 たけし

2021-01-29 | 入選句


虎落笛期限の切れた置き薬 たけし

2021年1月29日 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

昔といっても戦後しばらくのことの記憶だが
家々には富山の置き薬があった
その風習は現代にも残っていて
置き薬の会社がいくつかあるようだ
最近はドラッグストアが発展してきているので
家庭用の常備薬を各戸が選んで常備薬として保管していることが多い

富山の薬売りや置き薬会社は薬効期限の切れたものは回収するが
家庭の常備薬はうっかりすることが少なくない

掲句は常備薬を置き薬と捉えて
寒夜に発熱して薬箱を覗いても鱈期限切れの薬だった
おりから外は強い風、電線がうなり声をあげていた

青臭き本の背表紙夜の秋 たけし

2021-01-27 | 入選句


青臭き本の背表紙夜の秋 たけし



角川俳句2021年2月号 令和俳壇 五十嵐英彦先生の選をいただいた

書棚には棄てきれない書籍があふれている



学生時代に夢中になったもの

ビジネスのノウハウ書

己を高めるための啓蒙の書籍



いまから思えばどれもが青臭い

青臭さというのは目的、ターゲットを

睨むと匂うもののようだ

夢中になっていた頃を懐かしいと思うのだから

枯れつつある自分を諾首するほかはない



本句の季語は少々不満でいる いずれ納得の季語を俳号したい




もたれあう敗残兵のごと枯蓮 たけし

2021-01-22 | 入選句



もたれあう敗残兵のごと枯蓮 たけし

朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました
今年から新聞俳壇ぼ投句はこの俳壇だけにしました
全国紙の俳壇の選者の選を全員から一度ならず頂いたこともあって
掲載日に一喜一憂することから解放することにしました
此方の俳壇は選者とも親交があり
句会をともにする知人も多いので消息欄の様相もあるので継続している

掲句は枯れの蓮のたたずまいを詠んだもの
夕暮れ、逆光の中の黒い蓮の茎、破れた葉のうらぶれた様子が
敗残の兵に重なってみえた

鰭酒や寡黙な父のよく喋る たけし

2021-01-15 | 入選句
鰭酒や寡黙な父のよく喋る たけし





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今年はじめての朝日新聞栃木俳壇で掲句が入選しました

同時に昨年度の年間十傑の発表があり

<strong>再会にはねあがる語尾葛ざくた

 が選ばれていました

俳句を始めて今年で10年目になります



晩学に小さな応え冬いちご



こんな句も作りましたが

今日の気持ちの投影のようです

邪険にはできない呼名雪蛍 たけし

2020-12-25 | 入選句



邪険にはできない呼名雪蛍 たけし



朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生先生の選をいただきました

雪蛍は綿虫の別称ですが

この呼名の美しさに

ついつい振り払うことを躊躇してしまいます

そんな気分の作品でした



今年は栃木俳壇にたくさんお取り上げ頂いてありがとうございました

来年にむけての励みになりました


裂帛の少女の声や寒稽古 たけし

2020-12-23 | 入選句


裂帛の少女の声や寒稽古 たけし



2015年12月15日 毎日俳壇にて

いまはなき大峯あきら先生の選を頂きました

もう5年も以前のことになります

当時は五大紙の俳壇に投稿を始めた頃でした

選者を指定しての投句なので

自分なりに選者の傾向を考慮したつもりでしたが苦労したことを思い出します



掲句は孫娘が中学校の剣道部の朝稽古に

行く自転車を見送っていた時に上手んだ句でした



いつも小声の彼女の大きな声を聞いた思いでした


垂り雪ここより時のさかのぼり たけし

2020-12-22 | 入選句


strong>垂り雪ここより時のさかのぼり たけし



2014年4月2日 産経俳壇 宮坂静生先生の選をいただきました

初学のころの作品でそのまんまなのがかえって良い

下五は「さかのぼる」とすべきだろう



垂り雪 の季語にこだわったものだった

ぽたぽたと落ちる雪しずくに

時空がゆっくりと遡って過去が蘇る感じを詠んだつもり





霜降やなおざりの恩なほ深し たけし

2020-12-21 | 入選句



霜降やなおざりの恩なほ深し たけし



2013年12月4日 産経俳壇 宮坂静生先生の選をいただきました

俳句を始めてちょうど2年という時でした



選者は当時現代俳句協会の会長というぉともあって

嬉しさも格別

俳句をつづけるきっかけにもなりました



霜の夜

ふともう返しようのない幾多の

大切な方からのご恩を思った時のものです

「なおざりの恩」このフレーズで他に句を作りましたが

この句を超える作品はありません