竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

切り張りのやさしさ光る白障子 流伴

2017-11-13 | 
切り張りのやさしさ光る白障子 



障子に切り張りの文様を貼って楽しむことがあるが
私の幼少少年期は
いたずらや不注意で破ったヶ所を修理するのが切り張りだった
そこを透かして届くひかりは
母のやさしさをも届けたものだった

原句2013/1/15 
白障子嘘のとおらぬ佇まい
ただの断定だけで
アアソウカで終わっている

冬日向つくり笑顔の長寿眉

2017-11-10 | 
冬日向つくり笑顔の長寿眉




所在無げなお年寄りが公園のベンチに
冬日を浴びながら
通りすがりの人を目で追っている

目が合ったりするとにこやかな笑顔をかえしてくれるが
これがどうにもぎこちない
腹からの笑顔でないからだ

はて私は老人側にしばらく前から組している


2015/12/24

原句 
冬日向 冬日向さびしがろやの一人好き

さびしがりやの一人好き
これは強がり

瘤に創素手でたしかむ松手入れ

2017-11-09 | 
瘤に創素手でたしかむ松手入れ




松の瘤は松節といって
松の樹自身が害虫などから身を守るために
樹皮が変化するものだという
漢方薬にもなっているそうだ

毎年松の木に上って手入れの真似事をするが
馴染みの瘤の手ざわりは格別だ

原句2012/12/1
瘤に創老いも興とす松手入れ

老いも興とす
は悪くなさそうだが言い過ぎだったようだ

熱燗に頑張れそうな気の起こる 流伴

2017-11-08 | 
熱燗や頑張れそうな気の起こる




気持ちが落ち込んで敗北感に苛まれる
なにをする気にもならない
自信喪失は生きる力の残量不足だ

熱燗を一杯
頑張れそうな気持になってくるから不思議



原句12/22/2016
熱燗や頑張れさうな気もしたり

熱燗や と切れがつよすぎた
気もしたり 悪くはないが曖昧過ぎたかも知れない

朝の日矢緋色極むる寒の鯉  流伴

2017-11-07 | 
朝の日矢緋色極むる寒の鯉





寒鯉は水底に沈んで動かない姿を思い浮かべるが
どうして活発に動くときもある
朝日を浴びて
寒気に見事な緋色をみせて翻る
そんな寒の鯉をみた


原句 2015/12/12
寒鯉の搾りきりたる緋色かな

これはそれなりに気に入っている句
掲句はこの句からの転回だ

古手紙残らず焼べて秋収む 流伴

2017-11-06 | 
古手紙残らず焼べて秋収む 



古希をこえてしばらくになる
身辺の不要なものを整理しないといけない
これが少しも進まない
昔の手紙を読み返すこともないのだが捨てられない
ごみと一緒にはしたくない
庭の焚火もままならない
どんど焼」にでも焼べてしまおうか

掲句は机上の句

堀炬燵来る人みんな家人顔  流伴

2017-11-05 | 

家人顔してみんな来る堀炬燵  




炬燵は部屋が片付かない
立ち上がるのが億劫になって困る
炬燵がなくとも部屋が寒くなくなった

いくつかの理由で我家から無くなって久しい
古い北国の温泉旅館などで炬燵が用意されていたりすると
懐かしく嬉しい気分にひたる

子供や孫、そして近所の人が庭先からあがりこんでの
談笑が蘇る


原句2014/12/1
冬座敷来る人たちまち家人顔

句意は同様だが
やはり炬燵がないと通じない

まっすぐに香煙二本冬座敷  流伴

2017-11-04 | 
まっすぐに香煙二本冬座敷



和室は1部屋でそこには仏壇がある
朝晩のご挨拶は欠かさないが
和室にゆっくりすることはほとんどない

立冬も近く木枯らしも吹く季節になった
いつもより丁寧に「般若心経」を唱える
線香の煙が2本まっすぐに立ち上る


原句
2013/12/1
ひとすじの線香ゆらぐ冬座敷

掲句と全く句意は同じだが
臨場感がうまれたようだ

凩に軽き装い修行僧  流伴

2017-11-03 | 

凩に軽き装い修行僧



街角で托鉢をする修行僧に会うことはなくなったが
鎌倉などでは見かけることができる
寺の境内での修行僧はみな軽装で作務をする
これからは木枯らしの季節
辛い修行の毎日がつづく


原句 2012/12/1
凩や装い軽き念仏僧
凩やで切らずに
凩を修行僧にぶつけて、念仏層を改めてみた

冬隣国の記憶に抑留記 流伴 

2017-11-02 | 
冬隣風国の記憶に抑留記



立冬も近い
書棚に読み止しの「シベリア抑留気」がある
何度も手に取るが最後までは読みし〆ることができない
戦争は戦後も終わってはいなかったのだ
決して記憶から置き去りにしてはならない
父の戦友も抑留されていたという

原句2015/11/15
日脚伸ぶ記憶遺産の抑留記

記憶遺産では他人事になってしまう

虎落笛野天風呂への長廊下

2017-11-01 | 
虎落笛野天風呂への長廊下




秘湯といっても最近はあまり苦にならない

道路も整備されたし旅館からの送迎もある
携帯電話もほとんどが通話可能だ

古い旅館の歴史深い温泉が良い
露天風呂までの長い廊下を
ミシミシと音立てながら
寒さに身を竦めて進
遠く近くに虎落笛があったりすれば
この旅はまた最高点にランクインだ

原句 2016/11/2
梟ぞ野天風呂への長廊下

季語を変えただけだが虎落笛で成功かと思う?