遅ればせながらであるけど、悩む力-姜尚中を読了。
まあ、面白かった。
以下の2つ言葉が印象に残った。
”医者は手段を尽くして患者の病気を治し、生命を維持することのみに努力を続ける。たとえその患者が苦痛からの解放を望んでいても、患者の家族もそれを望んでいても、患者が治療代を払えない貧しい人であっても関係ない。すなわち、科学はその行為の究極的、本来的な意味について何も答えない。”
”社会の中での人間同士のつながりは、深い友情関係や恋人関係、家族関係などとは違った面があります。もちろん、社会の中でのつながりも「相互承認」の関係には違いないのですが、この場合は、私は、「アテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)というような表現がいちばん近いのではないかと思います。”
夏目漱石の小説をずいぶん引用しているので、久しぶりに漱石を読んでみたくなった。
でも、漱石って、我が輩は猫である以外読んでいないかも?
この本で言う通り、最近皆な悩まなくなっているような気がする。
また、いろいろなことを深く考えずにルールやコンプライアンスや過去の例に習うことだけを優先して結論出す傾向があるように思う。
手間を惜しまず、無駄を恐れず、皆もっと悩もうよ!。
Amazon.co.jp: 悩む力 (集英社新書 444C): 姜 尚中: 本
情報ネットワークや市場経済圏の拡大にともなう猛烈な変化に対して、多くの人々がストレスを感じている。格差は広がり、自殺者も増加の一途を辿る中、自己肯定もできず、楽観的にもなれず、スピリチュアルな世界にも逃げ込めない人たちは、どう生きれば良いのだろうか?本書では、こうした苦しみを百年前に直視した夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒントに、最後まで「悩み」を手放すことなく真の強さを掴み取る生き方を提唱する。現代を代表する政治学者の学識と経験が生んだ珠玉の一冊。生まじめで不器用な心に宿る無限の可能性とは。