揚礼伝を読んでいる途中で、この本を読了。
Amazon.co.jp: 誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書): ドナルド・A. ノーマン, D.A. ノーマン, 野島 久雄: 本
「…私は引いて開けるドアを押してしまったり、押して開けるドアを引いてしまったり、横に滑って開くドアに正面から突っ込んでいってしまったりする…」
これは、本書の冒頭で語られる著者の失敗のひとつである。こうした失敗を、普通の人間なら単なる自分の「ついうっかり」として見逃してしまうところなのだが、著者は見逃さなかった。それは彼が認知科学者として数多くの産業事故の研究を行い、多くの事故が人間による操作ミスの一言でくくられてしまうことに疑問を持っていたからである。
著者ドナルド・A・ノーマンは、認知心理学者であり、ヒューマンインタフェース研究の草分け的存在だ。そして本書は、電話機、パソコン、蛇口、コンロなど、私たちの身の周りにある道具と人間の関係を真剣に考える、道具の心理学の本である。
私はだいぶ前からインターフェースに興味があり、下のサイトにかかれているような蛇口のひねり方や電気のスイッチが思うように点かなくて、いらっとすることがよくあった。その度にこの蛇口やスイッチの設計はどうなっているんだ、全く人間がどう使うか、どうエラーをするかがわからないで作られているなあと思っていた。それらをこの本はうまく分析というか語っている。内容については下のサイトに上手に整理されている。
マーケターのメモ帳: 人間中心のデザインの原則 -『誰のためのデザイン?』を読んで-
皆さんは下記のような経験はありませんか?
ドアを開けたいんだけど、パッと見て押したらいいのか引いたらいいのか、はたまた横に滑るのかがわからない
蛇口をどっちに倒したり捻れば水が出るのか、温水/冷水の切り替えはどうすればいいのかわからない
オフィスの入り口にある電源スイッチのどれを押せばどこの電気が点灯するのかわからない
リモコンでプロジェクターに投影されているスライドの進行をしたいのだけど、間違ってバックしたり変なメニューが表示されたりする
これは全てそのような誤りをしたユーザが悪いのではありません。デザインが悪いのです。受け売りですが。。
この本を読んでの私なりのまとめは、上のサイトにもかかれているが以下の通りだ。
・デザインはどうあるべきか
1.ユーザが何をしたらよいかわかるようにしておくこと
2.何が起きているのかをユーザにわかるようにしておくこと
・そしてデザイナーは以下に取り組むということだ。
1.外界にある知識と頭の中にある知識の両者を利用する
2.作業の構造を単純化する
3.対象を目に見えるようにして、実行のへだたりと評価のへだたりに橋をかける
4.対応づけを正しくする
5.自然の制約や人工的な制約などの制約の力を活用する
6.エラーに備えたデザインをする
7.以上のすべてがうまくいかないときには標準化をする
このようなインターフェースの基本が欠落している商品が以下に多いか!。
この本の中にもいろいろと惑うデザインの例を挙げているけど私の周りにあった、あった!。
ガスコンロのスイッチが3つ口があるけどスイッチは4つ、ひとつは魚のグリルで、よく私も間違える。
よくある部屋の電気のスイッチ。今ONだかOFFだかスイッチでは明示されていない。
下は、30年くらい前の家だけどこちらの美しくないデザインの方がON-OFFは明示されている。上の新しいスイッチは少し美しいかもしれないけど機能的には改悪。
IKEAの家具。扉のどちらを開けたらいいのかわからない。これも美しいんだけどね。肝心の機能を損ねてしまうようでは。。。。惜しい!、もう一工夫が欲しい。
こうしてみるとおかしなインターフェースはいっぱいありそうなので、これから折りに触れて注目して面白いものは紹介していきたい。
最後に多くの方がブログで取り上げているので紹介しておきます。
誰のためのデザイン?が許されるのは20世紀まで? | ぷらすぶろぐ
「誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論」1990年の本。基本的にネットで絶賛されてるので今さら感あるけど読む。
「誰のためのデザイン」を読んだ - さよならインターネット
会社の給湯室の蛇口、下に下げると止まって、上に上げると出てくるつくりで
これ感覚的に逆だなーって思ってて、会社のIRCで、これ感覚的に
逆じゃないですか?って聞いたら、直感とかでキメるのイケてないって言われて
みんな詳しいなーと思って、デザインの基礎っぽい本読みたくて読んだ。
誰のためのデザイン? 誰のための貼り紙? | nozy at Work | nojima
「押す」いう紙が貼られたドア、「切符は重ねて入れないでください」というシールが貼られた自動改札機、「開閉方向逆」というラベルのあるお湯の水栓。
ドナルド・A・ノーマンが「誰のためのデザイン」の中で強く主張したことを思い出してみよう。デザイナーがやるべきことはこのようなラベルがなくてもユーザが迷わないですむデザインをしようということだったはずだ。
【読了】誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 - Lazuli
「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」を読んだ。どこだったかのブログでアフォーダンスという概念についてこの本を挙げつつ言及していて、なにそれーわからんってところから購入。
まあ、良い本でした。インターフェースについて語りたい人は、ヒューメインインターフェースとともに必読書かな。