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この本、日曜日のTV王様のブランチで知った。読んでみるとなかなかのもの。数時間で読了ですね。これは当然図書館。予約してから数ヶ月でゲット。
下にあるアマゾンの書評通り。なかなか面白い、一気に読んでしまった。
私である出版社に務める娘が、疑問に思ったことを中野の実家のお父さんに相談というか雑談しに行くと、お父さんはこともなげに疑問を説いてくれるという趣向。これがなかなかユニーク。
楽しめました。
中野のお父さん | 北村 薫 | 本 | Amazon.co.jp
円熟の文学ミステリ集。北村ファンには堪りません。
投稿者 紅孔雀 投稿日 2015/9/28
「退職刑事」ならぬ「退職前教師」が名探偵役の、アームチェア・デテクティブもの。集中これ1篇となれば「闇の吉原」。鈴木清順、榎本其角、横溝正史、泡坂妻夫、幸田露伴、斎藤茂吉、三遊亭円生、半藤一利など、有名どころががぞろぞろ出て来て圧巻です。ミステリとしてこれ1篇となれば「茶の痕跡」か。愛書家の心理を抉って、身につまされた。本の中身と本そのものに纏わる、贅沢な文学ミステリ集である。まさに円熟の一冊。
文芸編集者の父が「名探偵」!? 都築道夫とかブロンクスのママの系譜だろう。日常に起こる謎を娘が実家に持ち帰り、父に解いて貰うのだ。彼女の職業が「編集者」だから、自然に謎は「文学」の話になる。ただ、「夢の風車」「幻の追伸」などは、そのままミステリのトリックとしても使えそうだし、「茶の痕跡」などは、ミステリそのものではないか、と思う。
物知りお父さんは、謎を入れれば答えが出てくる 文系ミステリ 北村薫「中野のお父さん」 - あざなえるなわのごとし
物知りな父親というと都筑道夫の「退職刑事」を連想する。
現職の刑事である息子が家に帰りかつてやり手だった父に自分が抱える難事件を相談する。
すると父親は息子の話から大胆な推理をして真相を言い当てる。
『中野のお父さん』北村 薫 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
□「応募してませんよ、わたしは」
新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車)
□「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」
ある大物作家に宛てた女性作家の手紙には愛の告白が?(幻の追伸)
□「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」
読書録「中野のお父さん」 - 鈴麻呂日記
主人公は「体育会系な文芸編集者」。
謎解きをするのはその父で「定年間際の高校国語教師」。
ん?
北村薫って、教師だったんじゃなかったけ?
とすると、このモデルは自分?
...なんて仕掛けくらいはやりますよね、北村薫ならw。
どこら辺までモデルが入ってるのかは知りませんが、話が面白ければ、僕はどうでもいいです。
その「期待」は十分に満たされましたよ。
雨降りだからミステリでも読もう・・・: 「中野のお父さん」北村薫
出版社につとめる娘が持ち込んできた話を、あっという間に解決してしまう(作者が創った謎を作者が解くのだから当たり前)のは良いとしても、その話が発端となって、思いもかけない広がりを見せてくれるというのは、読んでいて大変楽しくなります。
特に、「闇の吉原」には、感心してしまいました。
「闇の夜は吉原ばかり月夜哉」と言う俳句の、切る場所で意味が違ったり、接続詞が変われば大きく意味が変わったりするという話は、興味を引くものでした。
この話は、泡坂妻夫さんの短編集「煙の殺意」に収録されている「椛山訪雪図」(未読です)でも扱われていると言うことなので、この際に読んでみたくなりました。
こんなのもありました。
【紹介】中野のお父さん (北村 薫)