海賊とよばれた男 日本のVFXを変えた男 20161229
昨日他の番組を流していて偶然この番組がスタートして、思わずじっと見てしまった。三丁目の夕日はは私はそんなに興味がないので、他のことしながら番組が垂れ流されている状態だったけど、だんだんひきこまれていった。
NHK 番組表 | 日本のVFXを変えた男 ヒットメーカー 山崎貴の挑戦 | 「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」などヒットを連発する山崎貴監督。岡田准一主演の「海賊とよばれた男」制作現場に1年以上密着。映像マジックの秘密が明らかに!映像クリエイター集団「白組」を率い、VFX(視覚効果)を駆使して話題作を生んできた山崎貴。最新作では、敗戦から復興する日本の風景や巨大な石油タンカーの航海、90代の主人公の風貌など、困難な課題に挑む。試行錯誤の末に見えてきた「山崎マジック」の秘密とは?デビュー作以来の盟友・吉岡秀隆さんとの対談では「三丁目」の秘話や今だから話せるホンネも!貴重な映像でつづるヒットメーカーの仕事術!語り:薬師丸ひろ子
下の雑然感がないというのは、日頃の仕事でふれる3Dデータのツルッとした表面を見るとなんだか本物とは違うなあと思うので、なるほどと思った。実は雑然感ぬきでは本当ではないなあ、たぶん大事だよなあ。
日本のVFXを変えた男 ヒットメーカー 山崎貴の挑戦 - チャンスはピンチだ。「CGで作るとどうしても相当手を加えないとナチュラルな雑然感が出てこないんですけど、ミニチュアだと割と早い段階で雑然感が出るというか、それを使ってあの当時の造船所の生々しい雰囲気が出せるのではないかなと思った」
そして、中晩の海賊と呼ばれた男の90代の男性の顔を実際の俳優のメーキャップでいくのかSFXでいくのかを悩んで試行錯誤する場面及び3Dデータの作製の場面で感心した。上の動画でも出てくるけど、いくら3Dデータを忠実に作成しても、どうしてもプラスティックのような質感になってしまうとのことだった。人間の顔の一番上は薄い皮で、内側の血管の赤色が反映されるような表現をしないといけないとのことだった。すごいな。
私は仕事でエンジン部品の3Dデータなんて話題は日常に出てくるけど、掘り下げ方がこれとくらべるとまだまだだなと思った。エンジン部品などの3Dデータを使ってエンジンの強度や空気や燃料の流れをシミュレーションするのだが、いつも思うのはホントかな?っていうこと。実際、可視化したり実験で100%検証したりするのは難しいので、これ幸いにシミュレーションの結果がこうですって感じで強引に皆納得して推し進めている感じ。これをみると、エンジンの3Dシミュレーションにおける3Dデータ作製は、まだまだ甘いなあということ、SFXの映像のレベルには到達していないなということ。そんなことを考えさせてくれる番組でした。まだまだ、やることがあるなあ。
NHKドキュメンタリー - 日本のVFXを変えた男 ヒットメーカー 山崎貴の挑戦【番組の見どころは?】
なんと言っても、主人公を演じる岡田准一さんが、VFXで90代の老人に変貌する過程です!
これまで若い人が老人を演じる場合、特殊メイクが使われてきましたが、それだと老人特有の頬のこけなどを表現できません。山崎監督はそれをVFXで表現することに挑みました。日本の実写映画において主人公をCGで表現するというのは、恐らく初めて。岡田准一さんが、50台ものスチールカメラに囲まれる光景は「一体何が始まるんだ??」という感じで圧巻でした。そんな現場に立ち会えるワクワク感はディレクター冥利に尽きるものでした。
動画中に出てくるSubsurface Scattering のyoutube説明も貼っておきます。
Separable Subsurface Scattering | Two Minute Papers