ケンのブログ

日々の雑感や日記

M神宮のお茶会に行った

2018年04月08日 | 日記
今日はM神宮のお茶会に行った。
三月の末日頃に桜を見に行って以来やく十日ぶりのM神宮。
神宮での催し物の札を見ると四月二十九日昭和天皇祭となっている。
神宮だなと思うとともに昭和も遠くなったなと思う。
十日前はまだ葉が出始めだったもみじも今日はもう葉が完成形になっている。
この時期の植物の生育は本当に早いなと思う。
完成ほやほやの新緑のもみじを見られてよかったと思う。
境内の垂れ桜もまだほんの少し花が残っている。
ソメイヨシノの花はもうほとんど終わってしまっているので
垂れ桜は少しタイミングが遅いのかもしれない。
このお宮の手水の屋根の内側にはM天皇の御製が鏡のよこに書いてある。
このお宮はM天皇の御製があることをとくに宣伝していないので
そこに御製があることを知る人はほとんどいないと思う。
僕も発見した時は驚いた。
宮司さんにあれは何て書いてあるんですかと聞くと
そんなこと聞いてくるかたほとんどいませんので
なんなら一緒に行ってみましょかとおっしゃって
手水のしたまで行って紙にマジックでその御製を書き出してくださった。
僕にとってはそれがいい記念になった。
御製を写真に撮ろうとしても屋根の内側なので
逆光線になって写真が真っ黒になってしまう。
鏡の横なのでフラッシュをたくとたぶん光って文字が見えない
写真になるような気がする。
ちょっと不思議なことだなと思う。
手水の前に名水100選に指定されている水があり
そこには行列ができていてみんな水をポリエチレンの容器に
汲んでいる。この名水は宣伝しているので知っている人は結構いらっしゃる。
すぐそばに天皇の御製があるのに気づく人は誰もいない。
僕も長らく気づかなかったのでまあ気づかないのが当たり前なのだけれど。
お参りするたびに手水のところでその御製を読んでいるので
今はもう暗記してしまった。
ありがたいことだと思う。
お参りを済ませてお堂にあがり受付を済ませると
今日は目録を読む間もなく茶室への案内となった。
ご亭主が寒いですなあとかそんな挨拶をしておられた。
ちょっと今日も寒の戻りというか寒い気がする。
お茶を飲んだとき隣の女性の手を見ると真っ赤だった
「手が真っ赤ですね。お茶碗が熱いんですか」と僕は行った。
「すぐにね、真っ赤になるんですよ。暖かいとね」と女性は言った。
見ると顔も真っ赤になっている。
「ほんま、顔も赤いですね。いいですね健康そうで」と僕は言った。
茶席が引けてから床の軸を見ていると女性が
「なんて書いてあるんですか」と言った。
「花 ほにゃらら 春を装うです。ご亭主がそうおっしゃってました」と僕は言った。
「ほにゃららですか」と女性は言った。
「ほにゃららのところはなんておっしゃったか忘れました
それに、これだけ字が崩して書いてあると読めません」と僕は言った。
「私は全然読めません」と女性が言った。
「まあ、花ともうひとつなにかが春を装うということでしょう
あとで目録で確認します」と僕は言った。
「そうですね」と女性は言った。
待ち合い室にもどってきて目録を見ると
花と鳥が春を装うと漢字四文字で書いてあった。
隣にさきほどの女性がいらしたのでそれを言うと
「そうですね。私も今見てました」と女性は言った。
女性が去ったあと僕のよこにはおばあさんというかおばさんがいらした。
おばさんは僕に小声で
「お茶室の床のぼたん、水が上がってませんでしたね」とおっしゃった。
そういえばお茶室のぼたんなんだかしなびたような感じだった。
「そうですね。水上がってませんでしたね。
なんかしなびたような感じで小さいぼたんでしたものね。
でもそのしなびたところが風流と思ってわざとそうしたかも知れませんね」と僕は言った。
「そんなもんですか」とおばさんは言った。
「まあ、そんなもんだと思います」と僕は言った。
しかし、ふだんから水揚げに配慮しながら切り花や
生け花を扱っていらっしゃるかたからみれば
確かに水が上がってないと思われるだろうなとも感じた。
待ち合いのお軸はつくしのえが書いてあった。
タイミングが少しずれているような気がするけれど
つきに一回のお茶会ではピタリとタイミングをあわせることは
偶然に頼るより他に道がない。
いつも待ち合いに呉服の生地の展示にきていらっしゃる方に
帯も見せていただいた。
かきつばた、菊、おしどり、山、川、雲、いろんなものが描いてある
いい感じの帯。眺めるだけでとても買うことはできそもない。
その帯はごく簡単に言うとワンタッチで装着できるようになっている。
「そうするとこの部分が背中に来るんですか」と僕が言うと
横で帯を見ていらした女性が
「ここが背中ってよう見てはるんですね」と言った。
「この人お宮に来てもお花とかいろいろ見てはるんですよ」と呉服屋の
方がフォローしてくださった。
お茶会は女性が大半だから男というだけでいろいろと
もちあげてもらえる。
それでいい気になるとあとがこわいような気もするけれど。
だんだんいろいろとよくなっていきますように。