幻の東京オリンピックの次は、「新国立競技場」と同様に新しく建設された『有明アリーナ』。2020年東京オリンピックのバレーボール競技とパラリンピックの車いすバスケットボール決勝戦が行われます 。
建物は、鉄筋コンクリート(RC)造、一部鉄骨(S)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の地上5階建てで、延べ面積は約4万7200平米、大会時の席数は仮設を含めて約1万5000席です。
基本設計を久米設計が手掛け、実施設計と施工は竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JVが担当しました。整備費は約370億円。
『有明アリーナ』の建設にあたって数々の困難を抱えていました。最大の難問は工事現場の立地。タワーマンションに囲まれた住居密集地帯で、かつて、巨大建造物をこれほどの住居密集地で建設した例はありません。
まず問題となったのは“光”。一般的なアリーナと同じようにドーム型の屋根にすると、周囲のマンションに太陽の光が一日じゅう反射してしまうのです。
これを解決したのが、屋根の中央をへこませた“反り屋根”です。内側に反射する太陽光の習性を利用し、周囲への影響を抑えることができました。
次の課題が、工期。東京都から設計の見直しを迫られた影響で、着工は2か月遅れ。通常の工事方法では完成予定日に間に合いません。そこで、屋根と建物本体とを同時並行で作るというアイデアが飛び出しました。
屋根を9分割して作り、屋根部分に敷いたレールの上で端からスライドさせて設置していく方法です。「トラベリング工法」と呼ばれるこの特殊な工法は、世界でもほとんど行われていません。
完成した9分割の1つをレールに乗せ、端までスライドしていくのに6時間、1mずつ移動させ、本体部分の工事に必要な足場や手すりにぶつからないかを確認しながら、慎重に進めていきました。
続いて近所にある日本テニスの殿堂と言われた『有明コロシアム』、老朽化設備の更新、バリアフリー改修、屋根の改修、観客席付きの屋外テニスコート(ショーコート)の新設、クラブハウスの改築などが行われております。
そして東京都江東区の辰巳の森海浜公園に建設された『東京アクアティクスセンター』。
整備費567億円(19年1月時点)をかけた同センターは地下1階、地上4階建て。プールはメイン、サブともに50メートルで10レーンがとれて、深さは最大3メートル。飛び込み台は1メートル、3メートル、5メートル、7・5メートル、10メートルの5種類が設置されています。
収容人員は1万5000席(五輪開催時)で、天井から大型ビジョン2台を設置しており、「日本水泳の中心となる世界最高水準の水泳場」をレガシーに掲げています。
同センターは長水路の50メートルプールと短水路の25メートルプールの両面で利用が可能。50メートルプールは一方が可動式の壁となっており、壁が中央に移動することで25メートルプールを2面とることもできる。プールの底も可動式の床で、五輪開催時は最も深い3メートルで使用されるが、ジュニア選手の大会などでは浅くすることもできる。
実は、この工法こそ、予算を大幅に削減するため、始めに低い位置に屋根を作り、それをワイヤーで一気に34mの高さまで吊り上げる「リフトアップ工法」と呼ばれる技術が採用されました。マグネチュード9の地震や台風に耐える設計です。
巨大な屋根でリフトアップ工法を用いるには大きな課題がありました。屋根を吊り上げる際、7000トンもの重みで屋根の中央部分がたわんでしまうことです。そこで、すべての鉄骨のたわみを計算し、逆お椀型で屋根を作り、たわんだ時にちょうど直線となるように鉄骨が組まれました。
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建物は、鉄筋コンクリート(RC)造、一部鉄骨(S)造・鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の地上5階建てで、延べ面積は約4万7200平米、大会時の席数は仮設を含めて約1万5000席です。
基本設計を久米設計が手掛け、実施設計と施工は竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JVが担当しました。整備費は約370億円。
『有明アリーナ』の建設にあたって数々の困難を抱えていました。最大の難問は工事現場の立地。タワーマンションに囲まれた住居密集地帯で、かつて、巨大建造物をこれほどの住居密集地で建設した例はありません。
まず問題となったのは“光”。一般的なアリーナと同じようにドーム型の屋根にすると、周囲のマンションに太陽の光が一日じゅう反射してしまうのです。
これを解決したのが、屋根の中央をへこませた“反り屋根”です。内側に反射する太陽光の習性を利用し、周囲への影響を抑えることができました。
次の課題が、工期。東京都から設計の見直しを迫られた影響で、着工は2か月遅れ。通常の工事方法では完成予定日に間に合いません。そこで、屋根と建物本体とを同時並行で作るというアイデアが飛び出しました。
屋根を9分割して作り、屋根部分に敷いたレールの上で端からスライドさせて設置していく方法です。「トラベリング工法」と呼ばれるこの特殊な工法は、世界でもほとんど行われていません。
完成した9分割の1つをレールに乗せ、端までスライドしていくのに6時間、1mずつ移動させ、本体部分の工事に必要な足場や手すりにぶつからないかを確認しながら、慎重に進めていきました。
続いて近所にある日本テニスの殿堂と言われた『有明コロシアム』、老朽化設備の更新、バリアフリー改修、屋根の改修、観客席付きの屋外テニスコート(ショーコート)の新設、クラブハウスの改築などが行われております。
そして東京都江東区の辰巳の森海浜公園に建設された『東京アクアティクスセンター』。
整備費567億円(19年1月時点)をかけた同センターは地下1階、地上4階建て。プールはメイン、サブともに50メートルで10レーンがとれて、深さは最大3メートル。飛び込み台は1メートル、3メートル、5メートル、7・5メートル、10メートルの5種類が設置されています。
収容人員は1万5000席(五輪開催時)で、天井から大型ビジョン2台を設置しており、「日本水泳の中心となる世界最高水準の水泳場」をレガシーに掲げています。
同センターは長水路の50メートルプールと短水路の25メートルプールの両面で利用が可能。50メートルプールは一方が可動式の壁となっており、壁が中央に移動することで25メートルプールを2面とることもできる。プールの底も可動式の床で、五輪開催時は最も深い3メートルで使用されるが、ジュニア選手の大会などでは浅くすることもできる。
実は、この工法こそ、予算を大幅に削減するため、始めに低い位置に屋根を作り、それをワイヤーで一気に34mの高さまで吊り上げる「リフトアップ工法」と呼ばれる技術が採用されました。マグネチュード9の地震や台風に耐える設計です。
巨大な屋根でリフトアップ工法を用いるには大きな課題がありました。屋根を吊り上げる際、7000トンもの重みで屋根の中央部分がたわんでしまうことです。そこで、すべての鉄骨のたわみを計算し、逆お椀型で屋根を作り、たわんだ時にちょうど直線となるように鉄骨が組まれました。
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